予選と決勝の同日開催、そして2度のバーチャルセーフティカーと2度の(リアル)セーフティカーが入るという波乱の展開、そしてチャンピオン決定……と密度の濃すぎる1日になりました、アメリカGP日曜日。
- 予選結果: Qualifying
結局、土曜の予選が順延して日曜の朝行われたものの、まだ結構なウェットコンディション。そして時間が押してしまい、Q3は無し。そこでロズベルグがポールを獲得し、ハミルトンのチャンピオン確定阻止に一歩前進できたかに見えたんですが。
- 決勝結果: Race
- 決勝後ドライバーコメント: In quotes - Sunday in Austin
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - United States
最善を尽くしたけど勝てないロズベルグ
今回のレース、ロズベルグかなり良い線行ってましたよね。予選でポールを獲得し、スタート直後の1コーナーでハミルトンに押し出されてもめげずに順位を回復し、コース上で一度はハミルトンを直接オーバーテイクし、2度目のタイヤ交換でも順位を守った。
そのままハミルトンの前を走っていれば、このレースでのチャンピオン確定を阻止できたハズでした。しかし、土壇場で犯した1つのミスによって勝利を逃してしまった。その脇を駆け抜けていったのはハミルトン。ああ、なんかもう今シーズンのロズベルグを象徴するかのようなレース。
決して遅いドライバーじゃない、けどハミルトン相手に今シーズンは完膚なきまでにやられ、チャンピオンどころかベッテルにまでポイントで負けている。メルセデスが最強チームとなる前までは、将来チャンピオンになるのは間違い無いだろう、くらいの勢いあったハズなんですよね。ミハエル相手にも圧勝してましたし。
しかし、メルセデスがぶっちぎりの最強マシンとなって、逆に歯車が狂ってしまったような。いよいよチャンピオンを獲れる体制が整った、しかし今度はそれを意識しすぎてしまっているような。それにチームメイトのハミルトンが手強いもんだから、自分の走りに集中しきれずハミルトンの方をチラチラ気にするようになってしまった。
一方でハミルトンはなんだか自信に満ちあふれている感じがします。昨年のタイトル獲得以降ますます手が付けられない存在になったのは、彼が自分の走りに集中できているからなんでしょうね。ハミルトンの動向を常に気にしているロズベルグと、自分の世界に集中しているハミルトンの差が、今シーズンの結果だったのかな、と。
レース後、ハミルトンに投げ渡されたキャップを投げ返したり、表彰台でもずっと憮然とした表情をしていたロズベルグ。ミスをした自分自身への怒りと、圧倒的なスコアで連覇を達成したハミルトンへの複雑な思いが渦巻いているような感じがしました。
……なんかハミルトンが圧倒的強さでチャンピオンを獲ったレースで、「敗者」のロズベルグがこんなに気になっちゃうのも奇妙な話ですが。いやね、これだけ「速くて弱い」ドライバーってなかなか居ないんじゃないかなって。ハミルトンはもはやF1ドライバーとして完成された強さを持つに至った感もあり、今更言うコトも無いし……。
Lewis Hamilton makes Britain proud(今シーズンのハミルトンのダイジェスト動画)
でもこれだけは言っておかないと、ハミルトン連覇&3度目のワールドチャンピオンおめでとう!乗ってて良かったメルセデス(A180だけどな!
そのほか
なんか長くなっちゃったのであとは手短に。
今回、4~10位の入賞圏内でフィニッシュしたドライバーがトロロッソ以外見事にチームがばらけてて面白いですね。12番手から4位フィニッシュに持ち込んだフェルスタッペンはお見事。ライコネンにキレられてたけど。
前回表彰台に上ったペレスはここでも5位入賞と好調を維持しており、次戦の地元メキシコではかなりのフィーバーになりそうですね。一方でヒュルケンベルグはなんかつまらないミスしているのが気になるなぁ。
それからマクラーレン・ホンダは想像以上に良いポジション走れてましたね。新しい方のPU積んでるアロンソはトラブルに見舞われちゃったのは残念でしたけど。バトンは6位入賞と上々の結果ですが、ドライでのマシンのパフォーマンスにはかなり不満だったとコメントしてますね。しかし、ちょっと希望の光が見えたような気がするレースでした。来季ERSがなんとかなればね。
最後に、あと一歩で2位ってところまで上げてきたベッテルはスゴかったですねぇ。表彰台は無理だと思ってたのに……。セーフティーカー明けの駆け引きが上手いですよねぇ、彼。荒れたレースでガッチリと順位を上げてくるのは、さすが4度のワールドチャンピオン。ライコネンは……来季大丈夫?