大須は萌えているか?

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F1[18] アメリカGP 決勝

思いの外盛り上がるレース展開になりましたねえ。ベッテルは蚊帳の外だったけど。F1アメリカGP決勝。

まさかのライコネン勝利

「まさかの」って言うとファンの人に怒られそうではあるんですが、いやしかしライコネンが勝つとは思ってませんでした。だって、オースティンはハミルトンがめっぽう強いサーキットだし、そのハミルトンはポールスタートだし、ライコネンはフロントロウスタートではあるものの上位勢では唯一のウルトラソフトスタート、つまりこれは「スタートで先行してメルセデスを押さえ込め、そして上手いことベッテルにポジションを譲れ」っていう作戦なんだろなーと思っていたから。

しかし、これはベッテルがまたしても序盤の接触でスピンし、後方集団に転落したことで成り立たなくなりました。ていうかベッテルモンツァでも鈴鹿でもやらかして、またここでやらかしちゃったというのはさすがに……。フラストレーション溜まっているのは理解できるんですけど、ここまで立て続けにやらかしてしまうのはね。しかしこういうのって、ホント「流れ」みたいなのありますね。上手くいくときにはトントン拍子に行くんだけど、逆に何をやっても噛み合わない時もあるっていう。

しかしベッテルが転落したあとも、ハミルトンの攻勢にはライコネン耐えきれないだろなーと思っていたんですよ。しかし、「おや?」と思ったのはVSCのタイミングでタイヤを替えたハミルトンが追いついてきてライコネンを攻め立てたとき、自身のピットインまでポジションを譲らなかった場面ですね。直線で伸びるフェラーリに対して、メルセデスは決定的なオーバーテイクチャンスを掴みきれなかった。

ハミルトン・メルセデス陣営がVSCを絡めた2ストップ作戦を採ったのは、ライコネンと同じ戦略では分が悪いと踏んだからでもあります。これは土曜日にドライコンディション下でフェラーリがパフォーマンスを見せつけ、決勝でも先行してプレッシャーを掛けたライコネンの走りがメルセデスを追い込んだ、という見方もできるわけで。そういう意味では、メルセデスの戦略ミス云々というよりは、ドライコンディションのマシンパフォーマンスに自信を持ちきれなかったコトが敗因、とも言えるんじゃないでしょうか。

それに、1ストップ作戦を採ったボタスもパッとしないまま終わっちゃったしね……。

しかし、ライコネン自身もお見事でしたね。フェラーリ復帰以降のライコネンって、肝心な場面で踏ん張りきれなかったり、運に恵まれなかったりという場面ばかりだった印象ありましたが、今回は最後までカッチリ走り切ってみせましたし。フェラーリ・ドライバーとしては残り4戦というこのレースで勝てたのはとても良かったなぁと。

怒濤のフェルスタッペン

フェルスタッペンは結局予選のトラブルでギヤボックスの交換もしてしまったため、18番グリッドスタート。さすがにここから追い上げるのは大変やろなあ……と思いきや、なぜか1周目が終わったときには9番手まで順位を上げており、9周目には4番手を走行。ちょっと意味がわからない。

オマケに、ソフトのニュータイヤでスタートしたと思ったら22周目でスーパーソフトに交換、そこから最後までソフトより長いスティントを走り切ってしまったという。最後までハミルトンとバトルしながら。トップ3チームの中では一番タイヤに優しいともされるレッドブルだからこそできた芸当かもしれませんが、それにしてもフェルスタッペンのタイムはかなり最後の方まで大きく崩れるコトが無かったのはお見事としか。15周も若いソフトタイヤ履いていたハミルトンがなかなかオーバーテイクチャンスを掴めなかったくらいで。

CSの放送で川井ちゃんがソフトタイヤはブリスターができやすい、みたいな指摘をしていた気がしますが、今回実はスーパーソフトがレースタイヤとして結構美味しかったのかもしれませんね。主な上位陣がほとんど予選で使ったユーズドのスーパーソフトでスタートしたのに対して、後方スタートのフェルスタッペンは遅いクルマをオーバーテイクしまくる第1スティントで新品ソフトを22周で使い潰し、ラバーが乗ってきたレース後半にスーパーソフト新品を投入するという流れがドンピシャだったのかも。

ちなみに、エリクソンもフェルスタッペンと同じタイヤ戦略を採っていたんですが、結果としてはオコンとマグヌッセンの失格もあって10位入賞できましたね。

しかし、フェルスタッペンがここまで派手な活躍をした一方、リカルドのツキの無さが異常なレベルではありますが……このままルノーに移籍して、もしルノーのパフォーマンスが伸び悩んだ場合、「その他大勢」なドライバーになってしまわないか心配なところです。さすがに、マクラーレンアロンソほど悲惨なコトにはならないと思うけど……。

そのほか

トロロッソ・ホンダの2台は、ハートレイが前の失格もあって運良くポイントゲットを果たせましたが、ガスリーはいまひとつペース伸びないまま終わっちゃいましたね。1周目の混乱でデブリを踏んづけてフロアを破損してしまった影響があったようですが、ホンダエンジンの追い上げを来していただけにちょっと残念な結果。

今回はマグヌッセンは入賞したかと思ったら失格、グロージャンも早々に姿を消してしまったので、ハースにしてみれば失意の地元GPとなってしまいましたね。ていうか、ハースってオースティンとあんまし相性良くない感じが……。一方、ルノーヒュルケンベルグサインツがダブル入賞してポイントを積み上げたので、コンストラクターズの「Best of the rest」はルノーが頭一つ抜けた状態に。

しかし、フォースインディアのオコンが失格になっちゃったのは残念ですねえ。ベルギーからコンストラクターズポイント貯め直しになったフォースインディア、あと11ポイントでマクラーレンに追いつくんですけど。ていうかマクラーレン、開幕から6戦の間に入賞5回、40ポイントを稼いでいるんですが、これ18戦まで終わった今現在のマクラーレンの獲得ポイントのほぼ7割に当たります。直近6戦でのマクラーレンのポイント獲得はわずか1回、シンガポールアロンソが7位入賞したのみ。

アロンソが以前「アップデートが全然行われていない」みたいなコメントしてましたけど、この状況見てると確かにそんな感じが……。シーズン序盤だけ良くてあとはガタガタ、って資金的な余裕の無い中堅チームあるあるですけど、マクラーレン大丈夫でしょうか。かつてはマクラーレンってお金持ちチームの代名詞みたいなところだったんじゃが……アロンソのギャラとルノーのエンジン代払ったら開発費用が無くなっちゃった、みたいな話でしょうか。

次のメキシコでは、ベッテルが優勝したとしてもハミルトンが5ポイント以上獲得すればチャンピオン決定。つまり7位以上ならOKってコトですね。あるいは、ベッテルが2位以下ならハミルトンはノーポイントでもチャンピオン決定。……これ以上タイトル決定を引き延ばしたいなら、ベッテル優勝・ハミルトンリタイヤくらいしか道が無い、ってコトですね。

フェラーリが今回復調したのは、ベルギー以降に投入していたエアロアップデートのほとんどをベルギー(今年ベッテルが優勝した最後のレース)時点に戻したからだ、なんて話も出てますが……

That SH71H you watched Kimi winning in? It was in 95 percent Spa specification, which was the last time the car worked really well. Principally, that meant that a new rear wing, a new floor which had appeared at Suzuka, and the newer floor which appeared here in Texas on Friday, were all consigned to the scrapheap, only a new front wing introduced since Belgium being retained. But as a result, the car was back on form, and running strongly. It had been transformed and was once again a strong contender.

via: DT’S 10 THOUGHTS… On the United States and beyond

フェラーリほどのチームが、こんな間抜けなコトでシーズン後半を台無しにしてしまったのん……?