大須は萌えているか?

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F1[23] オーストリアGP 決勝

なんかレース途中でうたた寝してしまい、記憶が定かではありませんがF1オーストリアGP決勝のお話。

フェルスタッペンは別カテゴリーです

なにはともあれフェルスタッペンは強い。レッドブルリンクだとなお強い。決勝の戦略ポイントとして、ヒュルケンベルグのマシンがストップしたあとVSCが出たタイミングでピットに入るか否か、という点がありましたが、VSCが出たタイミングが15周目くらいで、これ2ストップのピットウィンドウとしてもちょっと早いくらいの微妙な周回数なんですよね。ましてや、フェルスタッペンとフェラーリの2人はハードを1セットしか持ってなかったし。

どちらかと言えばタイヤに関する不安はレッドブルよりフェラーリのほうがあったんじゃないかと思うんですが、それでもフェラーリはVSCのタイミングで2台ともピットに呼び込み、ミディアム→ミディアムという形でタイヤ交換。一方のレッドブルは静観の構えで、当初のプラン通りのピット戦略を維持しました。この選択について特に迷うこともなかったようで、この辺は今のフェルスタッペンの盤石さを物語っている感じがしますねえ。

Asked if he had any doubts about how the situation was going to play out, he said: “I mean, I could see already the few laps before the Virtual Safety Car came out, we were pulling out quite a gap, so I knew I would get them back eventually. I think just following our own plan at the time was the best way forward.”

via: ‘I knew I would get them back’ – Verstappen hails Red Bull strategy after overhauling Ferrari pair for Austria win | Formula 1®

実際問題として、フェルスタッペンが24周目にタイヤ交換を済ませたあとには一時的にフェラーリの2台が前に出ることになりましたが、すぐにサインツを攻略して、そのあと35周目にはルクレールの前にも出てあとはどんどんフェラーリ勢を引き離していく形に。フェルスタッペンはハードタイヤに履き替えていましたが、ルクレールの前に出たあとはフェルスタッペンがルクレールより1周1秒くらい速いタイムで突き放していってしまいました。フェラーリは早めにピットに入ったぶん、第2スティントのミディアムをかなり長く引っ張る必要がありましたしね。

しまいにはフェルスタッペンがファイナルラップ手前でソフトタイヤに履き替え、ファステストラップも記録するという有様。大量リードを築いているんだから、そこまでせんでもええやん……という気もしてしまいますが、取れるポイントは根こそぎ取っていくという意識はタイトル争いをしているドライバーなら当然のことなのかもしれません。正直今年はもう彼に対抗できるライバルは居ないと思うけど……。

トラックリミット違反がもはやカオス

金曜日からの話ではあるんですが、この決勝でもトラックリミット違反が頻発し、レース中でも誰がどれだけペナルティを喰らって、どれだけが未消化になっているのかがさっぱりわからない感じになってましたね。正直、これでちょっと興ざめになってしまい、眠気が増したというのもあるんですが。さらに、レース後アストンマーチンが暫定順位に適用されていないトラックリミット違反があるという抗議を行ったようで、それによりレース後にも新たなタイムペナルティが追加されたりもしたようです。

Stewards uphold Aston Martin’s protest over Austrian GP results | Formula 1®

トラックリミット違反の疑いがあるケースが多すぎたようで、もう人の目で判断できるキャパシティを超えてしまっていたようです。決勝結果のページのNote欄にもなんかごちゃごちゃ書かれてますね……。

Note - Verstappen scored an additional point for setting the fastest lap of the race. De Vries received a five-second time penalty for forcing another driver off track. Sargeant, Magnussen, Ocon (x2), De Vries and Tsunoda received five-second time penalties for exceeding track limits. Tsunoda, Sainz, Hamilton, Gasly, Albon, Ocon (x2) and De Vries received 10-second time penalties for exceeding track limits.

via: FORMULA 1 ROLEX GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2023 - RACE RESULT

これですべてのトラックリミット違反が適用されているかどうかもわからない感じで、正直競技の公平性という点で問題がありますし、なにより見ている方としてもなにがなんだか分からなくなります。ほとんどのトラックリミット違反はターン9とターン10に集中しているとのことで、FIAはここのランオフエリアをグラベルトラップに変更するようサーキット側に勧告したりもしているようですが。

F1ドライバーなんだから、トラックリミットを守るように走ればいいじゃん」というもっともなツッコミもあるワケですが、裏を返すと「F1ドライバーでも飛び出してしまうくらいシビア」という見方もできます。アルボンはそういう声に対して「言いたいことはわからんでもないけど、風向きや突風の影響を受ければすぐにトラックリミットなんて超えちゃうんだ。こういうことを言うと『あーなるほど、じゃあちょっとアクセル戻せば良いじゃない』って言うかもしれないけど、戻せないんだよ。後ろにはチェコがいて、ジョージがいて、他の皆がいるんだから」みたいなコメントをしていますけど、そりゃそうだよね……。あと、トラックリミットを超えていることに対するフィードバックが遅い、ということも指摘していますね。

EXPLAINED: Why did the Austrian Grand Prix race result change? | Formula 1®

今のマシンだとコクピットからホワイトラインを視認できない、という声もありますし、なんらかの形で手は打って欲しいところ。

そのほか

ノリスにチクられて(?)トラックリミット違反ペナルティを取られたハミルトン、その後逆に自らもチクリ魔と化していましたが、次第に如何にこのマシンがコントロールしづらいかを訴えるようにもなり、ボヤキが止まらないハミルトンに対してトト・ウォルフ自らが無線で「The car is bad, we know. Please drive it.」って言っていたのがなんとも切ない感じでした。頑張れメルセデス