なんか最近は雨が絡む展開が多いような気もしますが、シルバーストーンでも雨絡み。とはいえ、ウェットかといえばそうでもない、微妙なコンディションではありますが……。そんなワケで、F1イギリスGP予選のお話。
- 予選結果: FORMULA 1 ARAMCO BRITISH GRAND PRIX 2023 - QUALIFYING
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- 予選後各チームコメント: What the teams said – Qualifying at the 2023 British Grand Prix | Formula 1®
中堅チームの勢力図が変わりつつある?
フェルスタッペンが速いのはいつものことだとして(ペレスのとっ散らかりぶりを見ると、これだけ安定して速いというのが如何にスゴイかっていう話でもあるんですが)、今回は2番手と3番手にマクラーレンの2台が飛び込んできたという点が注目を浴びましたね。
マクラーレンってオーストリアでもノリスが好調で、決勝レースで4位に入ったりもしていましたが、今回はピアストリも揃って予選2・3番手。前回のオーストリアではノリスのマシンだけにアップデートが適用され、今回はピアストリ車にもアップデートが施されたんだと思いますが、そうなるとマクラーレンのマシンが確実に速くなっているのは間違いないっていうことですよね。それにしても、プラクティスではそこまで目立っていた感じでも無かったので、この予選結果は少々ビックリですが。
あと金曜日から注目されていたのがウィリアムズのアルボンで、なにせFP1とFP2で3番手、FP3で2番手というタイムを記録していたので予選への期待も高まろうというもの。予選でも勢いそのままに好タイムをコンスタントに出していましたが、最終的には8番手という位置。フリー走行の勢いを考えたらちょっと物足りない感じもするポジションですが、そもそものウィリアムズの立ち位置を考えると8番手でも十分すごかったりはします。
今回の予選はQ1からQ3にかけてどんどん路面が乾いて良くなっていく感じでしたが、ウィリアムズにとっては完全に乾いた路面だとちょっとパフォーマンスが削がれてしまう感じになっていたんですかね。アルボンも、路面が乾いていくにつれてフロントのデグラデーションが強くなっていったようなコメントしてますし。しかし、ここ数戦のアルボンの躍進ぶりは素晴らしく、ウィリアムズが得意なサーキットであるというコトもあるのかもしれませんが、ちょっと無視できない存在になっていますね。サージェントがちょっと置いていかれている感じがして、それはそれで気になりますが。
相対的にアストンマーチンがちょっとポジションを下げている感じで、シーズン中盤のアップデート競争の中でシーズン序盤のアドバンテージをじわじわ削られている感じもします。今回アロンソなんて、Q1ノックアウトの危機だったりもしましたしね。それでもアロンソは決勝では順位を上げてくるんだとは思いますが、マクラーレン、フェラーリ、メルセデス、ウィリアムズ(アルボン)、アストンマーチンの位置関係がレースではどのように変化するのかちょっと楽しみです。
ペレスの予選順位が低迷しっぱなし
今回の予選で特にカオスだったのはQ1の最終アタックの場面だったんじゃないかと思うんですが、赤旗中断を挟んでの最終アタックで一気にタイムが底上げされてしまい、実質あの最後の1アタックで順位が決まる感じになってしまいました。当然あとからアタックしたほうが有利になるシチュエーションではあったんですが、このラストアタックに先頭で入っていったペレスはその時点でのトップタイムを叩き出すも、後続のクルマが次から次へとタイムを更新していき、結果としてQ1ノックアウトになってしまうという有様。
ある意味運が悪かった……と言えなくもないですが、しかしレッドブルの戦闘力を考えれば、それくらいのハンデは跳ね除けることができたんじゃないの、という気もしてしまいます。実際問題として、ペレスの後ろからはウィリアムズの2台やボタスがアタックに入っていましたが、皆Q1突破してますからね(ボタスはその後失格になっちゃったけど)。
ペレスのコメントを見ている限り、赤旗からの再開時に先頭でコースに出るために早めにピットアウトして出口で待っていたものの、赤旗の中断が思ったより長かったためにタイヤが冷えてしまい、思うように温度が上げられなかった……ということなんですが、いやしかしこれペレスほどのベテランが言うことか?とは思ってしまいます。
ペレスはこれで5戦連続でQ3に進出できなかったことになり、当然ながらこれがポイントランキングで痛手にならないワケがありません。シーズン序盤はフェルスタッペンとタイトル争いをするんだ、という力強さがありましたが、このままだとランキング2位の立場も危うい感じになってきてますし。アロンソがペレスと17ポイント差のところにいるので、今後ここの争いがどうなっていくのか気になるところではありますが、しかしアストンマーチンもシーズン序盤ほどはコンスタントに表彰台に登れなくなってきたりすると、追いつけるかどうかはまだわからない感じでしょうか。
角田もなかなか運に恵まれない
アルファタウリも相変わらず下位に沈んでおりますが、しかしQ1のラストアタックに入る前は角田とデ・フリースが10・11番手につけており、悪くない感じだったんですよね。だけど、このラスト1アタックでタイムを伸ばしきれずにQ1敗退になってしまいました。角田はミスが無ければQ2行けていた、という話ではありますが、にしても僅差でQ2進出を逃すパターンが目に付きますね……。
なんかこうしたウェットとドライがミックスしたようなコンディションでは、一発の速さも悪くないように見える場面がそれなりにあるんですが、その速さが安定しない感じ。上手くハマるウィンドウが狭いんでしょうか。ウィリアムズがどんどん調子を上げてきてしまっているので、もはやアルファタウリは押しも押されもせぬ最下位チームとなってしまっているのが悲しいところではあります。
来年に向けていろいろチームにテコ入れするという話は出ているようですが、角田にしてみればこのチーム内でやれることをやって、来年チームに残留するというのが目指すところになりますかねえ。ドライバーがいい仕事しているのに、クルマがどうにもならない状態というのはなんとももどかしい……。
決勝も中途半端に雨ふるくらいのコンディションのほうが面白そうですけど、どうなるんですかね?