ハミルトン、すごい集中力でした。F1カナダGP予選。
- 予選結果: FORMULA 1 GRAND PRIX DU CANADA 2017 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: Qualifying - 65th pole puts Hamilton level with Senna(動画あり)
- 予選後各チームコメント: What the teams said - qualifying in Canada
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Canada
65回目の
ハミルトンがセナに並ぶ、通算65回目のポールポジションを獲得。セナの時代と今では年間のレース数が違うので一概に比較はできませんが(通算出場回数はすでにセナよりもハミルトンの方が多い)、それでもハミルトンが今のF1を代表するアタッカーであるコトも間違いありません。セナを敬愛しているコトを公言しているハミルトンにとっては、この65回目というのは特別なものでしょうね。カナダは自身が初優勝を飾った場所でもありますしね。
セッション後のインタビューで本物のセナのヘルメットをプレゼントされてましたが、CAMELロゴがあるってコトは87年のロータス・ホンダ時代のものですね。もう30年前ですよ、セナと中嶋のロータスって。
Hamilton: Senna helmet tribute the 'greatest honour'(動画あり)
F1公式サイトでは、1992年にこのカナダでマクラーレン・ホンダ(MP4/7)を駆ってポールを獲得したセナと、今回のハミルトンのアタックを並べて紹介する動画も公開されてますね。なんかリバティがオーナーになってから、こういう「演出」に力が入ってきてる気がする。
Hamilton matches Senna in Montreal - two poles, 25 years apart(動画)
しかし、今回のセッションの流れを見ていると、メルセデスのポールは苦しいんじゃないかって気もしたんですけどね。ハミルトンが得意なコースとは言っても、FP3でフェラーリが1-2獲るなど好調だったし、Q1もスーパーソフトを履いたフェラーリのタイムに対して、ウルトラソフトでそこまでのアドバンテージを持てませんでしたしね。
ただ、Q3は例の「予選モード」が火を噴いたのか、いきなり大幅にタイムアップしてみせました。特にこのコースでは、PUのパワーによる恩恵は大きいでしょうしねぇ……。ただ、11秒台に入ったあと、さらに最後のアタックでタイムを削り取っていく走りは気迫溢れるものでしたねぇ。まったくミスの無いラップでした。
Onboard pole position lap - Lewis Hamilton, Canada 2017(動画)
モナコでの惨状、そしてこのカナダでもフリー走行中はまだリヤの落ち着きが無いようにも見え、どうなるコトかと思いましたが、予選できっちりマシンを仕上げてきたのはさすが。
とはいえ、フェラーリも決勝では負けてないと思われますけどね。予選見ててもスーパーソフトでも速さがあるし、ドライバーもレースペースに対する自信があるようですし。ハミルトンも、ポールの余韻に浸るヒマは無さそうです。
いつもの中団グループ
メルセデス、フェラーリの後ろに目を向けてみますと、3列目にレッドブルの2台、その後ろにマッサ、その後ろはフォースインディアの2台、10番手にヒュルケンベルグ……と概ねいつもの面子が並んでいる感じでしょうか。こういう場所だとトロロッソがちょっと元気ないですね。
クビアトは11番手と一応サインツを上回るポジションに付けたんですが、最後にウォールにタイヤをヒットさせてパンクしてしまい、アタックをフイにしてしまったのがちょっと冴えなかったですねぇ。
地元カナダのドライバーとして注目のストロールは、Q1ノックアウトの17番手と期待を裏切らない走り(?)。マッサが7番手に食い込んでるコトを考えると、これはちょっと悲しい順位……。Q1のタイム、マッサよりコンマ8秒近く遅いですからね。同じくカナダ初出走のオコンは、同僚ペレスにコンマ1秒未満の差で9番手に付けているというに。
今回ウイリアムズはQ1でマッサ、ストロール共にウルトラソフト1セットで周回を重ねさせる作戦を取っていたようですが、タイムを出せていたマッサはまだしも、最初のアタック終えてノックアウトのボーダーギリギリのところに居たストロールはタイヤ換えさせれば良かったのに。
そういや、今回の予選は1コーナーで飛び出してしまうクルマがちらほら居たのも気になりましたね。ブレーキングゾーンが短くなった分飛び込みが難しくなった、またブレーキング開始直後に結構大きなバンプがあるってのもネックになってるようで。レース中も飛び出すクルマがどれだけ居るか、気になるところ。
またプチ炎上気味のマクラーレン・ホンダ
ザック・ブラウンがいろいろ焚きつけるような発言をメディアに垂れ流した結果、またマクラーレンとホンダの間に不穏なムードが?なんて話が出てますね。アロンソも今まで散々ホンダにプレッシャーを掛ける発言を繰り返してきましたが、ザックも火に油を注ぎに来た格好でしょうか。
ホンダの長谷川さんは一貫してマクラーレンとの不仲を否定するコメントをしてますが、ホンダが今どういう状態にあるのかはあまり具体的にコメントすることもできず、結果も伴っていない現状は非常に苦しいでしょうね。ホント、ストレスで胃に穴が空かないか心配になるレベルですが。
ホンダF1、マクラーレンとの関係悪化を強く否定も「早急に優れたアップデートを入れる必要がある」
暗に外部からの協力を受け入れていることも示唆してますが、それがどういうものなのかは禁則事項。アップデートがいつ頃までに用意できるのかも不透明ですが、遅くとも夏休み前にそれを投入して、「これならイケる」という感触を示せないとアウトでしょうね。
アロンソやザックの「政治的な発言」もウンザリな感じですが、それだけ結果が求められる世界だし、ホンダとしてもそこを強く言い返せないのが現状でしょう。F1復帰3年目にして今が一番のどん底、ここから如何に這い上がるか。這い上がる前に撤退とかって一番ダサいシナリオは勘弁してくださいねホンダさん。