GWの連休を利用して乗り鉄してきたお話。今回は、本州を離れて福岡県を中心に回ってみました。
『駅メモ!』を始めて以降、愛知・大阪・兵庫・東京・神奈川といった本州の駅数の多い都府県は一通りアクセスしきってしまい、あと駅数の多いエリアとなると千葉・埼玉あたりを回るか、あるいは意外と駅数の多い長野・新潟あたりを回るか、あとは本州を脱出して博多・小倉を擁する福岡県か、あるいは都道府県単位で言ったら東京都に次ぐ駅数を誇る北海道か、という感じになってきました。
とはいえ、北海道は面積がバカでかいから駅数が多いのであって、お世辞にも効率よくアクセス駅数が稼げるエリアではありませんが……。
そんなこんな考えた結果、今回は福岡をメインに回るプランを考えたのでした。未アクセスのエリアの中で比較的駅数が多めというのもあるんですが、あと『駅メモ!』ゲーム内で開催されているイベントとも絡められそうだったので、ちょうど良いかなと。
旅の目標としては、
- 『駅メモ!』の福岡県全駅アクセス
- 『駅メモ!』の福岡を舞台にした課金イベントクリア(エルミーヌのミステリートレイン 第3章)
- 『駅メモ!』の鹿児島本線・日豊本線を対象にしたイベントクリア(あたる・おとはと巡る!鹿児島本線・日豊本線の旅)
- 平成筑豊鉄道と甘木鉄道の鉄印もらう
といった感じ。日程としては3泊4日で、GW前半の3連休もしくは4連休はできるだけ避けたかったので、前半3連休の最終日となる4月29日に出発し、後半の連休が始まる直前の5月2日に帰ってくる形で計画を立てました(10連休の特権)。
ただ、結果として天気には恵まれなかったんですがね……。
切符購入をミスった
JR九州っていろいろフリー切符も出しているようで、この記事を書いている今現在だと6月30日までの期間限定ではあるんですが、「福岡・大分DC&オフろう!きっぷ」というのが発売になっています。
福岡県内と大分県内がフリーエリアに指定されており、このエリア内が3日間JR乗り放題、かつ在来線特急の自由席にも乗り放題で8,000円という神がかった切符。……なんですが、私、切符を手配するときにこの切符の存在に気づいておらず、通年販売されている「ぐるっと九州きっぷ」を買ってしまっていたのでした。
こちらは九州全域がフリーエリアとなりますが、値段はネット購入で14,300円。あと、「別途特急券を買えば」新幹線や在来線特急も利用可能というもの。
今回、私はもっぱら「福岡・大分DC&オフろう!きっぷ」のフリーエリア内を移動していたので、明らかにそっちのが良かった……。少しだけフリーエリア外も行きましたが、その分を乗り越し精算しても明らかに安い。オマケに在来線特急も結構使ったし。旅行中、「福岡・大分観光キャンペーン」のポスターをあちこちで見たので、ふと気になって調べてみて初めてこの切符の存在に気づいたもんだから、しばらく凹みました。
あと、内容はほぼ一緒で対象期間が2024年7月1日~9月30日となっている「福岡・大分オフろう!きっぷ」というのもあるようなので、これから福岡・大分あたりを鉄道旅行する方はチェックしてみてください(なんかJR九州の宣伝みたいになってきた)。
あと、JRに加えて九州全域の私鉄や第三セクターにも乗り放題な「旅名人の九州満喫きっぷ」というのもあるんですが、これの場合特急は利用不可(特急に乗る場合はその区間の乗車券も別途購入する必要がある)ので、どれくらい特急を使いたいかによって判断が分かれるところですね。
こちらは3回分(一人で3回使っても良いし、グループで使っても良い)が11,000円となっているので、旅程によっては「ぐるっと九州きっぷ」より安く上がるケースもありそう。
とりあえず今回の教訓としては、「フリー切符の調査は念入りに」というところでしょうか。
いきなり佐賀へ
往路は飛行機で中部国際空港から福岡空港へ。久しぶりに飛行機乗った。今どきは事前にスマホからチェックインできちゃうんですねえ……。
福岡の素晴らしいところは、空港から地下鉄で2駅乗るだけで博多に行けてしまうところですが、そのぶん22時以降の着陸が認められないというデメリットもあったりしますね。
んで、まずは博多から特急「かささぎ」に乗って佐賀へ。
なんでいきなり福岡の外に行ってるねん、という話なんですが、唐津のすこし東、筑肥線の鹿家駅まで福岡県なんですよね。だったら、佐賀のほうからぐるっと回って唐津まで行き、そこから博多方面に戻れば良いかな、と。
筑肥線は唐津から姪浜までを結ぶ路線ですが、姪浜から先の地下鉄に乗り入れを行っており、朝夕は唐津から一本で博多や福岡空港まで行けてしまうという意外と便利な路線。昼間は筑前前原で乗り換えが必要ですが、それでも乗り換え一回で博多まで行けるんだから便利ですね。なお、姪浜から博多を通って福岡空港までを結んでいる地下鉄が空港線という路線ですが、これより南側を走っている七隈線という路線もあります。こちらは、『駅メモ!』的には空港線に乗りながらレーダーでアクセスしてしまったので、乗らずにスルー。ただ、一部の駅はレーダーブースター+なつめのスキルを使ってギリ届いた感じだったので、条件に寄っては乗らざるを得ないかも。
余談ですが、九州・沖縄の地名で「原」という字は大抵「はら」ではなく「ばる」と読みますが、これ何故なんですかね(諸説あるらしい)。
香椎線
博多まで戻ったら、今度は鹿児島本線に乗り換えて北へ向かい、香椎で香椎線に乗り換えて西戸崎へと向かいます。このへんもJRと並走する地下鉄と西鉄の路線があるんですが、これらはレーダーでアクセス。このあたりは広大な砂州になっており、西側には志賀島(「漢委奴国王」の金印が出土したとこ)が繋がっている形。「海の中道」とも呼ばれているようで、駅名や路線の愛称にもなってますね。博多湾の防波堤のようにもなっており、なんか面白い地形。
こんなとこにも鉄道が走っているんやなあ……と思ったら、思いの外混み合っていてビックリ。なんでかと思ったら、海の中道海浜公園という国営公園があって、そこが人気らしい(海ノ中道駅が隣接する形になっている)。乗っている人のほとんどが海ノ中道駅で降り、終点の西戸崎まで乗る人はまばらでした。
一応2面2線の駅になっているんですが、奥のホームは使われることあるんやろうか。
そのまま折り返して香椎まで戻り、乗り換えて香椎線の反対の終点・宇美駅へ。ここらへん、篠栗線あたりからレーダーで取れそうな気もしたんですが、多少時間もありそうだったので乗っちゃいました。
博多からそんなに遠くない場所だとは思うんですが、なんかひっそりしたところ。
それにしても、JR九州って特急列車のバリエーションの豊かさにも驚かされますが、普通列車も他のJR各社には無いような工夫があって面白いですね。ロングシートでも一部ヘッドレストが設けてあるというのもそうだし、景色が見やすいようにという配慮なのか、横長の大きな窓になっているのも特徴的。
あと、一部の車両ではドア横のスペースに、立っているときにもたれかかることが可能なクッションまで用意されているのは感心しちゃいました。
福北ゆたか線
宇美駅から折り返し、長者原で篠栗線に乗り換えて直方へ向かいます。
どうでもいいんですが、このあたりの駅名って難読というか、「こう読むんだろう」という予想を裏切ってくるものが多い。
などなど。読めそうで読めない。シンプルに難読という観点でいうと、博多近辺だと「雑餉隈」が一番でしょうか。「ざっしょのくま」と読むそうですが、由来を調べるとかなり歴史的な背景が見えてきて面白いです(諸説あるみたいですが)。
長者原で乗車した列車は直方まで一本で行くやつなんですが、路線図を見ると桂川までは篠栗線、そこから先は筑豊本線という別路線になっています。筑豊本線は博多のちょっと南にある原田駅から、直方・折尾を通って小倉の近くにある若松駅までを結ぶ路線となっています……が、この全線を直通する列車は無いっぽい。
桂川から直方方面へ向かう列車を見てみると、篠栗線から直通してくる列車ばかり。実際問題この博多から篠栗線と筑豊本線を経由して直方、黒崎へと至るルートには「福北ゆたか線」という愛称が付けられており、そして筑豊本線の原田〜桂川間は「原田線」、折尾〜若松間は「若松線」と呼ばれている模様。原田線と若松線はそれぞれの区間を往復運行している感じですね。この運行形態を見ると、「筑豊本線」という一本の路線というよりは、それぞれ独立した路線に見える。
時代の変遷と共に運行形態が変わっていき、旧来の路線名だとしっくり来なくなって愛称を付けたりしてるんでしょうけど、これいっそのこと路線名そのものを変更するわけにはいかないんですかね?そのほうが面倒だったりするんだろうか。
ちくてつ
直方駅で下車したあとは、駅を出て少し歩きます。そして到着したのは筑豊電気鉄道の筑豊直方駅。
筑豊電気鉄道は直方から黒崎までを結んでいる路線なんですが、『駅メモ!』的にはその気になれば川を挟んで並走しているJRからでもレーダーで取れそうな感じの路線。なので必ずしも乗らなくてはならない路線では無い感じなんですが、福岡の全駅アクセスを狙うためのルートを考えていると、どうも直方のあたりには複数回来ざるを得ない感じになってしまいまして、それならせっかくだから乗っておこうかと。
「筑豊電気鉄道」っていうから、「ちくでん」と略すのかと思ったら「ちくてつ」らしいですね。「ちくでん」だと「逐電(逃げ去って行方をくらますこと)」みたいなニュアンスのよろしくない言葉と間違われるから避けたのかな。
この路線、低床タイプのいかにも路面電車という外見の車両がやってきたため、てっきりどこかで道路に出るのかなと思っていたら、最初から最後まで専用軌道だったので逆にびっくりでした。以前は路面電車の路線に乗り入れ運転をしていたため、車両もそれに準じたものになっているようですが、その路面電車が廃線になってしまった模様。これはこれでちょっと面白いというか……。
あと、ちょっと不思議だったのが終点の黒崎駅の手前にある西黒崎駅。『駅メモ!』にも収録されている駅ですが、なぜかこの駅だけ止まらずに通過してしまったんですよね。そもそも、黒崎駅からめちゃくちゃ近い位置にある(日本で一番駅間が狭いらしい)ので、あまり需要が無くて廃駅にでもなったのか……と思ったら、近隣のバイパス道路の建設工事に伴い休止扱いになっているとのこと。
周辺の工事の影響で駅が数年間休止する、というのもあまり聞いたことがない気がする。
とりあえず、この日回りたいところは回りきれたので、このあと黒崎駅近くでちょっと早めの夕食とし、JR特急で博多に戻ったのでした(この日宿を取っていたのが博多だったので)。なんで博多で食事にしなかったかといえば、黒崎のが空いてそうだったからです(実際空いてた)。
平成筑豊鉄道
2日目は、とりあえず『駅メモ!』のイベント「エルミーヌのミステリートレイン 第3章」をクリアしよう、ということで小倉方面に向かいます。昨日、黒崎から博多まで戻ってきたのに、また小倉まで行くのはなんだか時間の無駄感がありますが、宿を手配するときにあまり深く考えずに「初日は博多で良いだろう」と予約しちゃったんですよね……。
「エルミーヌのミステリートレイン」は第1章、第2章とやってみて、一筆書きで回れるルートになっており、かつJRだけでは完結せず(私鉄などへの乗り換えがある)、迷わずに行ければだいたい2~3時間で回れる、という傾向が見て取れるので、スタートの駅がわかればだいたいこんなルートだろうな、という見当はつけられますね。
そんなワケで、小倉から日豊本線に乗って行橋まで行き、そこから平成筑豊鉄道に乗換えます。第三セクターですね。こちらは「へいちく」と略す模様。
社名に「平成」と入っているのも特徴的ですが、行橋の次の駅名が「令和コスタ行橋」という「令和」を冠する名前になっているのがまた。社名に「平成」と入っているのは
社名は1988年(昭和63年)に一般公募し、翌1989年(昭和64年)1月7日が社名決定日だった。社名の最終候補に残ったのは「新筑豊」「向陽」「あけぼの」「サンライン」の4つ。いずれの候補にも「新たなスタート」という共通した意味合いがある。
しかし、1月7日に昭和天皇の崩御で新元号「平成」が発表されるや否や、急遽「平成筑豊鉄道株式会社」に決定した。「新たなスタート」と「新時代の幕開け」で縁起を担いでいる。平成を社名に冠した会社の先駆者的存在である。
via: 平成筑豊鉄道 - Wikipedia
という経緯があったようで、「令和コスタ行橋」は令和改元後に初めて開業する鉄道駅というコトで名付けられたようです。まあ元号が好きなのはよくわかった。
この列車は前日も訪れていた直方へ行く列車なんですが、ここも鉄印をやっており、途中の金田(かなだ)駅でもらえるとのコトだったので金田で下車。鉄印って、基本的に販売している窓口に鉄印帳と切符を持っていき、それを確認してもらうというプロセスを踏んでから購入できるものなんですが、この平成筑豊鉄道においては対応する人員に余裕が無いためでしょうか、切符売り場の横に置いてある自販機で買えるようになっています。
この方式は初めて見た。
なお、私は行橋駅で金田までの切符を買っており、この金田で改めて直方までの切符を買ったんですが、これあとで調べてみたらフリー切符買ったほうが安かったです(140円くらいですが)。
北九州モノレール ~ 日田彦山線
直方からはJRで折尾を経由して小倉に戻ります。この道中でエルミーヌのイベントはクリア。そしたら今後は小倉から南に伸びる日田彦山線に乗っていくか……と思ったんですが、ふと思い立って北九州モノレールに乗ってみました。これも小倉から乗れるんですが、モノレール終点の企救丘(きくがおか)駅と、日田彦山線の志井公園駅が歩いていける距離感だったので、それならモノレールで終点まで行って乗換えてみようと。
そもそも小倉駅の構造が面白くて、JRの改札を出たところが吹き抜けになっていて、モノレールのホームが直接見えるようになっているんですね。
モノレールはきっかり10分に1本ペースで運行されており、利便性は抜群。沿線にはかなりの住宅街が広がっており、利用客も結構多そう。しかし、企救丘から歩いて日田彦山線に乗り換えると、一気にローカル色が濃くなります。
こういうとき、Googleマップの地形図を見るとわかりやすいんですけど、モノレールが走っているあたりまではそれなりに平地が続いているんですが、そこから南は谷筋に入っていく感じなんですね。この沿線の状況から想像される通り、日田彦山線は本数も限られるので、利用する際には時刻表のチェックが欠かせません。
田川伊田駅では先ほど乗った平成筑豊鉄道と再会し、次の田川後藤寺駅で添田行きに乗換え。なお、筑豊本線の新飯塚駅からこの田川後藤寺を結ぶ後藤寺線というのもあるんですが、こちらはレーダーでアクセスするのみとしました。
添田駅のホームはちょっと不思議な構造になっており、列車ホームの反対側が道路になっております。
日田彦山線はここからさらに南下して、久大本線の夜明駅までを結ぶ路線になっていますが、この添田~夜明間は2017年の豪雨災害により不通となってしまい、今はBRTによる代替輸送が行われているワケですね。営業運転が開始されたのが2023年の8月だそうなので、まだ1年経ってないんですねえ。BRTって今まで乗ったこと無かったので、当然これにも乗ります。なお、JR九州のフリー切符はこのBRTも対象になっています。
あと、このBRT乗り場ってその他の路線バスの停留所にもなっているようで、西鉄バスなんかもふつうに発着していたので乗り間違いに注意(BRTは行き先表示に「BRT」って書いてある)。
添田を出てしばらくは一般公道を走りますが、途中から線路を撤去して舗装されたバス専用道を走ります。ところどころ、一般道と交差するところには他の車両が誤って侵入しないように遮断機が設けられており、運転士さんがリモコンのようなものでこれを開けながら進んでいく感じ。
こうしたバス専用道がある以外は普通の路線バスと大きく変わるところは無い感じですが、本来の役割が鉄道の代替輸送なので、駅があった場所にはきっちり寄っていく感じですね。けっこうホームなんかも残されている。
駅があった場所以外にもあちこちに停留所が設けられているので、利便性自体は増しているんじゃないかな、という気はします。読売新聞の記事によると、所要時間はそのぶん伸びているようなので、そこはトレードオフという感じでしょうか。
小倉に戻る
日田彦山線は夜明駅までとなりますが、BRTは日田駅まで行くようだったので最後まで乗り通しました。日田といえば『進撃の巨人』ですが(作者の出身地)、そこまで寄り道できる時間が無い……。
日田からは久大本線に乗って久留米まで行ったんですが、途中までは乗車率もそこそこのローカル線といった風情だったのが、夕方だったこともあってか久留米大学前駅で帰りの大学生が大量に乗り込んできて、さらに久留米高校前駅で高校生も乗ってくるという有り様で、久留米手前ですさまじい混雑ぶりになりました。列車も2両編成だしな……。
もうちょっと車両数増やしたほうが良いのでは、という気もしてしまいますが、混雑するのが久留米からごくわずかな区間ということで、コスト的なデメリットの方が大きいんでしょうね。
久留米からは鹿児島本線で原田まで行き、そこから筑豊本線(原田線)に乗り換えて桂川、そして再び福北ゆたか線に乗り換えて折尾、そしてさらに乗換えて小倉へと戻ったのでした。この日の宿は小倉だったので。
結局、直方を3回通りがかってますね。
ちょっと長くなってきたので、次の記事へ続きます。