大須は萌えているか?

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大井川鐵道 井川線に乗ってきた話

少し前のことになるんですが、静岡県まで行って大井川鐵道(「鉄道」ではないらしい)に乗ってきたお話。ちょうど最近アニメの『ゆるキャン△』でもやってたところですね。

例によって『駅メモ!』がらみの話になるんですが、以前関東のほうへ乗り鉄しにいったついでに伊豆半島に寄ったりもしていて、静岡県であと取れていない路線が大井川鐵道のみという形になっていたんですね。

なので、そのうち乗りに行きたいなあ……と思っていたんですが、ひとつネックになっていたのは大井川鐵道を乗り通すのがなかなか大変そうだということ。大井川鐵道って大井川本線井川線というふたつの路線で構成されているワケですが、2022年に台風による土砂崩れが発生し、今なお大井川本線川根温泉笹間渡駅千頭駅の間が不通になっているんですよね。

んで、この記事を書いている現在だと川根温泉笹間渡駅の2つ手前の家山駅から千頭駅の間で川根本町のコミュニティーバスが運行されているんですが、時刻表を見てみるとすべての列車に連絡しているわけではない(大井川本線を走っているSLなどには連絡していないっぽい)ようで、またバスが千頭に着いた後の井川線の待ち時間もある程度発生したりするので、自分の住んでいる愛知県から出かけて行って、日帰りで乗り通そうと思うと結構厳しい。

大井川鐵道って観光路線としての性格が強く、奥大井湖上駅のような有名なビュースポットもあるので、観光がてら一泊しながら出かけるのもアリっちゃアリなんですが、さてどうしようか……と悩みつつ出かけるのを保留していた感じでした。

そんな折、相変わらず城巡りにハマっているウチの母親が「静岡の犬居城と犬間城に連れていけ」と宣うので、そんな聞いたこともないような城どこにあるんだ、と調べてみたら、犬居城が浜松市の北(秋葉神社の近く)、犬間城がそこから東に向かっていって、大井川を越えたあたりにあることが判明。

この位置関係だったら、とりあえずクルマで犬居城に行き、そこからウネウネとした県道を突っ走り大井川に出たらいったん北上して千頭駅まで行き、そこから井川線だけ乗って戻ってきて、そのあとはクルマで南下しながら大井川本線の駅にチェックインしつつ犬間城にも寄れば良いのではないか、という考えが閃いてしまいました。クルマで鉄道駅巡りをするのは邪道かとは思いますが、大井川本線はまた機会を窺って乗りに行く、というコトで……。

なお、犬居城も犬間城も山城であり、縄張りの中まで見学しに行こうと思うとちょっとした登山というコトになりますが、「近くまで行ってくれればそれでいい」とのこと。どうやら、城巡りをするブラウザゲームにハマっているようで、そのゲーム内で城にアクセスできればそれで良いらしい。……はて、なんか同じようなゲームをプレイしてしまっているような……。

そんなワケで、朝っぱらからクルマを走らせて新東名の浜松北ICで降り、国道362号線を辿って犬居城近くを通過。無事アクセスできたようだったので、そこから県道263号線に入り東へ。地図を見るからにウネウネした道なんですが、しばらくは走りやすい道だったものの後半になるにつれ道幅が狭くなり、なかなかにハンドル操作が慌ただしい道でした。

大井川の近くまで出たら、再び国道を北上し千頭駅を目指します。千頭駅自体には駐車場が無いんですが、隣に道の駅があったのでそこに駐めさせてもらいました。千頭駅ってかなり山の中の駅なので、小さな駅なんだろう……と思っていたら、なんかかなりの留置線……というか車両基地?がある駅で驚き。

さすがに今ここが列車で埋まることは無いんじゃないかとは思うんですが、こんなに規模の大きい駅だとは。自動改札は無く、切符は今や珍しい硬券となっていますが、これはあえてそうしている感じもしますね。駅構内に入ってみると、なんか機関車トーマス的な車両も止まってました。イベントで使用されるのかな?

ちょうどホームに井川線の列車が停まっていたので乗り込んだんですが、一般的な車両に比べて明らかに小さい。三重県で乗ったナローゲージの車両より小さい気がする。車内も相当年季が入っており、鉄道に詳しくなくてもこの列車が只者ではないことがよくわかります。

この列車に乗って、井川線の終点の井川駅まで行く……つもりだったんですが、「鉄道施設点検」のため、井川駅の3つ手前の接岨峡温泉駅までの運行となっている模様。この記事を書いている現在も同じ状況のようなんですが、これもいつまで掛かるんでしょうか。

井川線は途中のアプトいちしろ駅から長島ダム駅までの間に、国内の鉄道路線では最大となる90パーミル(1000メートル走る間に90メートル上昇する)の勾配が存在し、これを登り降りするためにこの区間だけ専用の電気機関車を接続し、アプト式と呼ばれる特殊なレールを用いて走行するんですよね。この電気機関車を接続するシーンはそれ自体が名物となっており、皆が写真を撮りまくっておりました。

この「日本一の急勾配」「国内唯一のアプト式(昔は信越本線でも採用されていた)」というのが観光資源にもなっており、この路線に乗ることそのものがひとつの観光体験になっているのが面白いですね。

時間があれば奥大井湖上駅で下車して、すこし離れた場所にある展望所まで行ってみたかったところではありますが、ちょっと時間的に厳しそうだったのでパス。しかし、ホームには妙に多くの人が居ましたね。

車窓から湖自体は楽しめますし、『ゆるキャン△』でも紹介されていた長島ダムなんかも列車からよく見えるので、景色もかなり楽しめますね。ただ、写真映えしそうな景色が他にもいろいろありそうなので、そのうちまた改めて来てみたい気もします。

他にも、なんか謎の待避線(?)みたいなものがあったり、

使われているんだか使われていないんだかよくわからない貨車のようなものがあったりと、

明らかに普通の鉄道路線とは違う光景があれこれ見られたのが面白かったです。『駅メモ!』的には、接岨峡温泉から先の駅はレーダーで取ることにはなりましたが……。

千頭から接岨峡温泉までは70分程度、折り返して千頭まで戻ってくるのに3時間弱といったところ。千頭まで戻ったあとに昼食にしたんですが、千頭駅前に食堂があって助かった。そこから今度は南にクルマを走らせて、ところどころでクルマを止めつつ大井川本線の駅にアクセスし、大井川鐵道の全駅にアクセス完了。これで静岡県制覇となりました。

できれば今度は大井川本線のSLに乗りに行きたいものですが、その前になんとか寸断されている区間の復旧が実現できないものですかねえ……。

帰り道、静岡のパーキングエリアに寄ったら身延饅頭が売られていたので思わず買ってしまった。

静岡県も完全に『ゆるキャン△』の勢力下に置かれているのだろうか(?)。