大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

魔法少女まどか☆マギカを最後まで見て

※このエントリでは『魔法少女まどか☆マギカ』の最終話までのネタバレを含みます。もうニコニコでも配信されてるので今更とは思いますが一応。

CBCでも日曜深夜に魔法少女まどか☆マギカのラスト3話が一挙放送され、めでたくこの物語を最後まで見るコトができました。

正直どういう終わり方をするんだろうかとドキドキしていたんですが、思ってたよりキレイな形で終わったなぁと。このお話が『魔法少女まどか☆マギカ』である以上、最後にはやっぱりまどかが魔法少女になって世界をどうにかするんだろうな、とは思ってたんですが、最終的には「まどかの死」をもって世界を救うという話になるのかなぁ……とか想像してました。ベタですが。

結果としては人の形を失い、「概念」と化したまどかが世界を救う、いや変えるというオチだったワケですが。マミさん曰く、それは「死ぬなんて生易しいものじゃない」コトであり、死ぬよりも残酷な終わり方とも言えるんですが、最後まで微笑んでいるまどかの表情を見ると、「ああ、これで良かったのか」と思えてしまって。それに、最終話の描写を見ると概念と化したまどかにもまどかとしての意識があるように描かれているので、悲惨な終わり方という感じはしないんですよね。

でも、まどかの願いによって世界は平和になったのかというとそうではなく、まどかによる改変後もほむら曰く「悲しみと憎しみばかりを繰り返す救いようのない世界」であり、「魔獣」という別の脅威が出現する世界になったと。これだけ見るとまどかの願いは無駄だったようにも見えますが、まどかの願いは「過去・未来・現在すべての魔女をこの手で消し去りたい」であり、それはつまり「希望を願った魔法少女が絶望だけをまき散らす魔女と化してしまうシステムを無くしたい」ってコトなので、魔女の存在が消え失せている時点でまどかの願いは叶えられているワケですね。

じゃあまどかが「人の負の感情をまるごと無くしてしまいたい」と願ってたら魔獣も現れず万事オッケーだったんじゃね、という気もしてしまいますが、負の感情を無くした人間って、たぶんそれはもう人間と呼べる存在ではないでしょう。希望も絶望も併せ持つのが人間。どちらか一方だけというのはあり得ない。だからまどかは希望だけを持つ人間を願ったりはしないし、絶望だけをまき散らす魔女を否定する。そんな感じでしょうか。

まどか☆マギカ』は魔法少女というオカルトな存在をすごく真面目に捉えて構築された物語だなぁと思いますが、その終わり方としてはホントにキレイな終わり方だったと思います。もっとドロドロな終わり方なのかなと期待……想像していたところもあるので。あ、でも最後にほむらとまどかが再会するシーン(?)は興味深かったですね。このままだとあまりにキレイな終わり方だから敢えて付け足してやれ的なシーンにも見えたんですが、どうなんでしょ。

ところで、こういうヒットアニメが登場するとエヴァを超えたとか超えないとかって話が出てきますが、個人的にはエヴァは完全に別格。あれはテレビシリーズの最後でちゃぶ台ひっくり返したような終わり方した挙げ句、劇場版ではヒロインに「気持ち悪い」と言わせて終わるという、作り手の生の感情が剥き出しになっているパプテマス・シロッコもびっくりなアニメなので。プロの作品としては反則なんじゃないの、という点も含めて別格。