大須は萌えているか?

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F1[16] オーストラリアGP 予選

2016年のF1、開幕しました。オーストラリアGP予選。

やっぱり今年もメルセデス

今年のシーズン前テストではフェラーリがなかなかの速さを見せており、これは上手くいけばメルセデスにかなり肉薄しているんじゃ……なんて期待感がありました。メルセデス陣営も、フェラーリのパフォーマンスを警戒するコメントしてましたね。

……が、フタを開けてみればやっぱりメルセデス速かったですね、うん。結果的にメルセデスがフロントロウを独占、そして3番手に付けたベッテルは2番手ロズベルグからコンマ5秒程度の遅れ。メルセデスに対して付け入る隙はありませんでした。

ただまー、去年のオーストラリアGP予選を振り替えってみると、2番手ロズベルグが4番手だったベッテルに対してコンマ8秒ちょいの差。一応、ちょっと差が詰まってます。たぶん、去年よりはメルセデスに迫れるシチュエーションも増えるんじゃないかと思うんですが、しかしタイトルに手が届くポジションかっていうと、そういうワケでも無さそう……というまぁある意味想像された通りの結果となっている感があります。

ついでに言うと、開幕前の段階でフェラーリパワーユニットの開発に一番トークンを使用しており、残りは9トークン。対してメルセデスは13トークンを残しており、シーズン中のPU開発という点に置いてもメルセデスが余力を残している状態となっております。我がドイツの科学力が世界一ィィィィィなのは素晴らしいコトなんですが、世界一ィィィィィィィ過ぎて困っちゃいますね。

ドライバーに関していうと、ハミルトンはこれで通算50ポール目というコトだそうで。昨年後半はハミルトンのタイトルが決まったあとに急にロズベルグが覚醒したりして、その勢いを2016年開幕から維持出来ればタイトル争いも……と思ったんですが、これまた見事にシーズンが変わった途端に失速しちゃってました。

なんか早々に1コーナーで飛び出すシーンもありましたしね、やっぱり気負っちゃうと途端にダメになるところは変わってないのかね……。

勢いに乗るトロロッソ

セカンドグループを見てみると、トロロッソのフェルスタッペンが5番手に飛び込んでいるのが目を引きますね。トロロッソは型落ちのフェラーリPUを使用しているハズですが、そういうハンデを感じさせないパフォーマンス。フェルスタッペンとワークスフェラーリを駆るライコネンの差はコンマ4秒ですからね。サインツもフェルスタッペンからコンマ15秒落ちの7番手に付けており、開幕から波に乗っている印象。

一方、開幕からしばらくは苦戦が予想されたレッドブルですが、リカルドは母国というコトもあってか8番手と奮闘。サインツには1000分の7秒届きませんでしたが。フリー走行でもなかなかの速さを見せてましたし、コンディションが荒れれば思わぬ強さを発揮するかも。

まずまずな雰囲気のマクラーレン・ホンダ

ホンダPUが大きく改善したと言われているマクラーレン、目標はコンスタントなQ3出場ではあるものの今回はアロンソ12番手、バトン13番手という結果。ただ、アロンソとその前に居るウイリアムズのボタスとの差はコンマ15秒程度だし、フォースインディアとの差もコンマ3~4秒程度。悲観するような差じゃありません。

少なくとも、昨年散々な成績に終わった一番の要因であるデプロイメントの不足は解消されたとのコトですし、決勝でもそれなりにレース出来そうですね。フォースインディアとウイリアムズが当面のライバルってコトになるんでしょう。もちろん、最終的にはもっと上に行って貰わないとダメなんですが。

一方で、今年からワークス復帰したルノーはルーキーのジョリオン・パーマーがバトンから1.3秒遅れの14番手。久しぶりにレギュラードライバーに復帰したマグヌッセンはパーマーの後ろの15番手と、パフォーマンス不足が露呈する結果に。こちらは想像以上に遅い感じがしますが……。

逆に言うと、マクラーレンルノーが低迷している今のうちがコンスタントにポイント稼ぐチャンスでもあります。信頼性も悪く無さそうですし、あとはアロンソとバトンの腕でどこまで行けるか、決勝が楽しみなところ。

下位チーム勢は

で、低迷気味のルノーのさらに後ろに居るのがザウバー。シーズンオフの間に資金不足による賃金の支払いが遅れているなんてニュースまで流れており、チームの状態は芳しくないようです。なんかそういうチーム状況が予選結果にも反映されているような。

新しい予選システムに馴染む前にノックアウト喰らったクビアトを挟んで、その後ろに居るのが新興チームのハースの2台、そして最後尾にマノーの2台。……メルセデスPU搭載してもマノーはマノーじゃったか……。とはいえ、ハースのグティエレスとマノーの差はコンマ1秒以下とめっちゃ肉薄してますけどね。ワークスのメルセデスフェラーリがポールを争う一方で、逆ポール争いでもフェラーリPUとメルセデスPUが火花を散らしているというのは少々面白いところではあります。

しかし、このハースとマノーの4台の中において、グロージャンは他の3台を1.3秒くらい突き放すタイムを叩き出しており、格の違いを見せつけております。それでも19番手だけど。

それからインドネシア人初のF1ドライバーとしてマノーから出走するリオ・ハリアントですが、FP3においてガレージからピットレーンに出る際、ほぼ同じタイミングで隣のガレージから出てきたグロージャンの土手っ腹に突っ込むという鮮烈なデビューを飾ってしまいました。

Haryanto penalised for pit-lane collision(動画有)

これによりハリアントはグリッドダウンペナルティと2ペナルティポイントを貰うコトに。ルーキーらしいシーンではあります。

新しい予選フォーマットはどうなる?

それから今回から導入された新予選フォーマット、ファンもチーム関係者もバーニー・エクレストンも皆が口を揃えて「クソ」と言っている異常事態になってますね。

どんなレギュレーションであっても、変更するためには全会一致の同意が必要だ。だが、反対するチームがいるとは思えないとウォルフは勝算をのぞかせる。

「全チームがまとまって同じ意見だと言えば、提案が通る可能性は十分にあると考えている。この新しい予選がいいと主張する者がいるとは思えない」

via: ウォルフ、全会一致の予選変更に自信 | Mercedes | F1ニュース | ESPN F1

「まったくのクズだ。しかし、変更できる時までは、それがわれわれの手にしたものだ。この(フォーマット)で唯一あるとすれば、速いドライバーがコースオフするとか、何かおかしなことをするとかだ。そうなればわれわれが望む、入り乱れたグリッドになるだろう。結局、今回もただひたすらメルセデスが良かった」

via: 新予選はまったくのクズとエクレストン | オーストラリアGP | F1ニュース | ESPN F1

Q1~Q3の各セッションで時間経過と共に1台ずつノックアウトされていくというこの方式、狙いとしては各セッションの最初から各マシンがアタックする状況を作り出すこと、それから波乱が起きやすくすることにあると言って良いでしょう。

なぜ波乱が起きやすくさせたいかっていうと、ここ数年上位陣の顔ぶれがあまりに固定化されてしまっているので、このままだとファンも白けるだろうという思惑からだと思われます。……が、結果として波乱らしい波乱は起きず、相変わらずメルセデスは強く、そして各チーム走り出しは早いもののその分タイヤを使い切るのも早く、Q3は最後2分ちょいを残してロズベルグはアタックを終了し、ハミルトンのポールが決定してしまうというお寒い状態に。

それにピットアウトからアウトラップを経てアタックを完了するまでの所要時間を考えると、ピットに居るときに自分の持ちタイムを逆転されても、それを塗り替えるために再度アタックに入る余裕すら無かったりするんですよね。タイム出す前に時間切れになっちゃうから。

要は予選の駆け引きの要素が無くなってしまい、セッション開始後すぐにタイムを出して、それでダメならハイそれまでヨという感じになっちゃったんですよね。まー確かに皆セッション開始早々に走ってくれるようになったし、不確定要素も増えたとは思うんですが、それ以上にデメリットが大きい。

メルセデスのトト・ウォルフやレッドブルクリスチャン・ホーナーはこの予選方式を今回1回こっきりにする気満々ですが、さてどうなりますか。急遽フォーマットを再考するのであれば、ひとまず昨年の方式に戻すしか無さそうですね。新しい予選方式の意図するところはわからんでも無いですが、まー今日の状況を見る限りでは失敗だったと言わざるを得ません。

フェラーリルノーマクラーレン・ホンダメルセデスとガチでやり合えるだけのパフォーマンスを備えていれば、この予選フォーマットが導入されるコトもきっと無かったんだろうと思われますが……うーん。