大須は萌えているか?

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F1[19] イタリアGP 決勝

今回の表彰式はいつにも増してスゴかったですね。F1イタリアGP決勝。

フェラーリの新エース

ルクレールがベルギーに続いてモンツァも制覇。イタリアGPでフェラーリが優勝するのは、2010年のフェルナンド・アロンソ以来9年ぶりのこと。地元で長らく待たされたティフォシたちの熱狂がスゴかったですねえ。テレビ越しにもその雄叫びが聞こえてくるレベルでしたもんね。

本来のエースであるハズのベッテルが、単独スピンをやらかした挙げ句、慌ててコース復帰しようとして通りがかったストロールをスピンさせてしまい、10秒のストップ&ゴーペナルティを喰らうというマヌケ過ぎるミスをやらかしていただけに、なおさら今回のルクレールの活躍が際立ってしまいましたね。

メルセデスの2台から絶えずプレッシャーをかけ続けられた中でトップを守りきったルクレールの走りというか精神力は大したもんですし、ハミルトン相手にも一歩も引かず、シケインのブレーキングでギリギリのスペースしか残さずハミルトンをコースアウトさせて黒白旗を出されても「俺十分なスペース残したし」と言える度胸もステキです。こういうギリッギリのところまで引かないハートの強さは、ワールドチャンピオンになるためには必要な資質とすら言えますし。

チェッカーを受けたあとには、珍しいくらいに感情を爆発させていたルクレールですが、記者会見のコメントによると、水曜にモンツァ入りしてその雰囲気に感銘を受け、生まれて初めて勝つことだけに集中していたそうで。

I think it’s the first weekend in my life where the only thing I’ve got in my head is winning. Normally I focus on just the job I have to do in the car, which normally is more successful and it works better. But, since Wednesday, seeing the support we’ve had, was just, yeah, incredible. The only thing I wanted this weekend was to win in front of all the guys that are supporting us, for the team.

via: FIA post-race press conference - Italy | Formula 1

やっぱり、フェラーリドライバーとして臨むイタリアGPっていうのは特別なんでしょうねえ。そしてそれは大きなプレッシャーにもなるハズなんですが、前のレースで初優勝したばかりの若きルクレールが、フェラーリドライバーとして始めて挑んだモンツァで勝つコトだけを考え、そしてそれを実現してしまうというのは、ただただスゴイなと。ベッテルなんて、今まで4回挑んで一度も勝利が無かったのに。

ルクレールは余程フェラーリドライバーとして迎えたモンツァの雰囲気を気に入ったようで、「フェラーリに乗って勝たねばならないグランプリがあるとすれば、それはイタリアだ」みたいなコメントしており、これ何気にベッテルにすげー喧嘩売ってるような気がしないでもありません。

“I think if you have to win one Grand Prix with Ferrari it’s the Italian Grand Prix,” he said.

via: Leclerc: ‘If there’s one race you have to win with Ferrari…’ - Italian Grand Prix 2019 | Formula 1

ただまー、ベルギー、そしてこのモンツァの戦いぶりを見るに、もはやフェラーリのエースはルクレールだと言わざるを得ないよな、と。ドライバーズチャンピオンシップでもベッテルに13ポイント差付けて上に行っちゃったし……。ベッテルは明らかに精彩を欠いており、やっぱりレッドブル時代の最終年、リカルドが加入してきたときの雰囲気と被って見えちゃうんですよねー。

この調子だと、いきなりベッテルフェラーリを飛び出しても不思議じゃ無いようにも感じてしまうんですが、一応2020年いっぱいまではフェラーリと契約している(はず)ワケで。一説には契約解除条項もあるという話なので、どうなるかはわかりませんが、ただ今ベッテルが離脱しても行く先が無いかなあ。レッドブル復帰……でもフェルスタッペンとも組みたがらないだろうし。

レース中のバトルと黒白旗

ルクレールと激しくやりあったハミルトンですが、レース後のコメントは結構余裕のある感じ。「若い連中はちょっとやんちゃだが、それもまたヨシ!」みたいな感じでしょうか。

“It seems like the new generation get away with a lot more in that space, of how they manoeuvre their car compared to I’d say the more experienced drivers. But it’s good knowledge, now I know, and I look forward to the next one.”

via: ‘The new generation get away with a lot more’ says Hamilton after tense Leclerc battle in Italy | Formula 1®

記者会見中、レース中にルクレールに対して黒白旗が掲示されたコトについても質問が飛んでいましたが、ハミルトンはそれもあまり意に介してない感じですね。久しぶりに現れた「ガチンコ勝負できる相手」を楽しんでいる風でもあります。さすが現役最強の実績を持つだけに、どっしり構えている感じですね。若い頃のハミルトンとは別人のようだ……。

にしても、黒白旗って長らくF1の現場では見かけなかったような気がするんですが、ベルギー、モンツァ掲示される機会があったのは偶然でも無いようです。チャーリー・ホワイティングの後を継いでFIAレースディレクターを務めるマイケル・マシは、ドライバーに対する「警告」として黒白旗をより活用していく方針みたいなんですね。

"For small infringements that are, let's call it, a 'professional foul' but don't go beyond the line, we'll be absolutely using the black-and-white flag more and more. It's a sign to everyone that the driver's on notice because you only get one for the race. If you do it again, the drivers have all been advised that any other infraction will be referred to the stewards."

via: Italian Grand Prix 2019: FIA explain use of F1’s ‘yellow card’ for Leclerc at Monza | Formula 1®

ペナルティかレーシングインシデントか、微妙なライン上の行為に対しては、こういう「イエロカード」的な警告は確かに有効なのかもしれません。今回のルクレールは反発してましたけど。

今回、レッドブルのアルボンなんかもサインツに対してアグレッシブな仕掛け方をしてましたけど、こうしたレースの醍醐味とも言える大胆なバトルと、危険な動きというのは常に紙一重とも言えます。経験の少ない若いドライバーが複数台頭してきた今こそ、こうしたレースを盛り上げつつも、やりすぎな行為をいさめる線引きを模索する試みというのは大きな意味を持つのでしょう。

フェルスタッペンなんかは、「危険なドライバー」と言われていた頃から一皮むけて、老練さすら感じさせるようになってきましたけどね。まだ21歳ですけど。……信じられねー……。

そのほか

今回はルノーが予選の好調さをそのままに、決勝でも4-5フィニッシュという上々の結果を残して見せましたね。今の体制になってから、決勝でこれだけ力強いルノーを初めて見た気がする。これで再びコンストラクターズでトロロッソを逆転する形になりましたが、あとはマクラーレンに追いつくかどうか?(18ポイント差)

レーシングポイントは予選でQ3まで進出したストロールベッテルからのとばっちりを受けて沈んだ一方、ペレスが7位入賞するという、ある意味面白い展開に。終盤、フェルスタッペンがペレスをサクッと抜くと思いきや、レーシングポイントはストレートで速いもんだからとうとう抜けなかったっていう。フェラーリ vs メルセデスを見ててもそうなんですけど、このサーキットでは直線番長を仕留めるのは至難の業なんだなって。