大須は萌えているか?

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F1[21] イタリアGP スプリント予選

2度目のスプリント予選、やはりこのフォーマットは面白いですね。ただ、時間が遅めになるので眠気を堪えるのが少々大変だったりします。最近加齢のせいなのか、眠くなる時間がだんだん早くなってきてまして……というジジくさいコトを言いながらの、F1イタリアGPスプリント予選。

立場逆転

金曜日の予選でフロントロウを固めたのは、下馬評通りメルセデスの2台でした。フェルスタッペンはペレスにトウをもらう形でなんとか3番手を確保した格好だったので、レッドブルにとってはダメージリミテーションのレースになるコトが予想されたワケです。しかし、スプリント予選が終わってみると実質的なポールはフェルスタッペン、そしてハミルトンは4番手という格好に。ボタスはトップでフィニッシュしたものの、金曜日に規定数を超えるパワーユニット交換を行ったため決勝はグリッドダウンが確定済み。そんなワケで、土曜日が終わった段階ではメルセデスがむしろ劣勢になるという状況に。

レースでもっと見応えがあり、かつ順位変動が起きやすいのがスタートから第一コーナーへの飛び込みですが、スプリント予選の一番良いところはこのスタートシーンが土曜と日曜の二回見られるという点じゃないかと思います。逆に言うと、金曜に上位を獲得したドライバーは如何にそのポジションを守るかが肝になるワケですが、その点フェルスタッペンは上手くやってみせ、ハミルトンは失敗してしまったというコトですね。

それでもストレートが長いモンツァなら挽回できるか、とも思ったんですが、フェルスタッペンとの間に挟まったマクラーレンがとにかくストレートが速いクルマなもんだから、とうとう最後まで捉えきれませんでした。ボタスが下がるコトでハミルトンは日曜も偶数列スタートとなり、かつフェルスタッペンとの間には2台のマクラーレンが挟まっている状態でレースを始めなくてはならず、これはなかなかキツい状態。こうなると、とにかくまずはスタートでどうなるかが最大の見所ですね。もしオープニングラップで上位陣の順位が変わらないままだったりしたら、ハミルトンは相当な苦戦を強いられそう。セッション後のインタビューでも、ハミルトンの表情は冴えない感じでしたねえ。「マックスは簡単に勝てるだろう」みたいなこと言っちゃってるし。

Lewis Hamilton reacts to poor F1 Sprint start as he predicts ‘easy win for Max’ at the Italian GP(動画)

マクラーレンのレースペースは予選の勢いほど強烈では無さそうなので、フェルスタッペンにしてみればスタートさえ上手くこなせばあとはハミルトンとの差を見ながらレースをすれば良い感じでしょうね。番狂わせがあるとしたら、リカルドかノリスが先頭に躍り出たりした場合でしょうか。そうなると、フェルスタッペンとてオーバーテイクには手こずるコトになるでしょうし……。

昨年は思わぬ形での大番狂わせがあったモンツァでしたが、今年はどうなるでしょうか。

思わぬ人たちの躍進

にしても、リカルドが3番手に食い込んで来たというのは驚きです。決勝はフロントロウスタートになるワケだし。今までブレーキのコントロールで苦しんでいる、みたいな話も耳にしていたので、F1サーキットの中でもブレーキング力(?)が最も問われるこのモンツァでここまで速いとは。ベルギーでも上位に食い込んでたし、段々とマシンに馴染んで来たでしょうか。なんだか本人のコメントもノリノリです。

Asked for his approach to the Grand Prix, Ricciardo replied: “Full attack, full attack sicuramente [surely], full attack! Yes, I mean, today that’s what gave me a chance – a good start. I thought maybe I’d get Max [Verstappen] in Turn 1 but he had the inside. I look forward to tomorrow.”

via: Ricciardo promises ‘full attack’ in Italian Grand Prix as he clinches front-row start at Monza | Formula 1®

裏を返せば、フルアタックできるくらいにマシンを信じられるようになってきた、ってコトでしょうしね。ちょっと確認してみたら、フェルスタッペンとリカルドのコンビがフロントロウに並ぶのは2018年メキシコGP以来(このときはリカルドがポール)ですね。てか、リカルドはこの時以来初めてのフロントロウってコトになりますけども。

リカルドにしてみれば、フェルスタッペン中心のチームになりつつあったレッドブルを飛び出して新たなチャンスを探し続けてきたワケですが、そうして辿り着いたマクラーレンでも若いノリスをなかなか上回れずフラストレーションを溜めていたんじゃないかと思うワケで、そういう意味では今回は千載一遇のチャンスとも言えそう。ましてや隣にはフェルスタッペンが居るし。けっこうスタート本気で狙いに来るんじゃないかって気もしちゃうんですけど、どうなるでしょうか。偶数列のハンデ次第ってのもありそうですけど。

あと、ジョビナッツィも金曜日の予選でトップ10に食い込んで来て、スプリント予選では8番手まで順位を上げてきたのはけっこうビックリ。ボタスが下がるので、これで二戦連続で7番手スタートってコトになります。前戦は決勝で結果が出なかっただけに、今回はどうなるかって感じですね。

意外という意味では、ラティフィが順位を上げてラッセルの前になってるのも驚きでした。予選の結果でラティフィがラッセルの前になるのって、これが初めてだよね(決勝のスターティンググリッドって意味だと、ラッセルがペナルティ喰らってラティフィが前になったことあったと思うけど)?ラッセルはスタートでポジションを落としたのと、その後フロントウイングに問題がありヒドいアンダーステアに悩まされていたということで、まあこれもスプリント予選ならではの出来事ではあります。

やはり、スプリント予選という形でスタンディングスタートが一回増え、そして100kmの連続走行を行うというコトは即ち通常の予選に比べて「不確定要素が増える」というコトに他ならず、観ている側としてみればその方が面白いのはある意味当然なのかも知れません。ただ、「狙い澄ました1ラップアタック」という世界とは全然違うのも確かで、スプリント予選の順位と通常の予選順位を並べて論じるのはあんまり意味が無い気もしますね。

そのほか

今回の残念賞(?)はガスリーでしたね。前回のスプリント予選ではペレスが残念賞でしたが、二回連続でレッドブルがらみのドライバーが貧乏くじ引いているのはちょっとアレですね。モンツァの最初のシケインはトラブルの名所なので、もっとコンサバに行くべきだったとは思うんですが。

角田は角田で二個目のシケイン立ち上がりでクビサ接触し、フロントウイングにダメージを負ったため緊急ピットインを強いられる羽目に。あの接触自体はレーシングインシデントかなあ、って感じ。ただ角田、そこから16番手まで巻き返しましたよね。そういう意味ではオーバーテイクできる力はあるので、決勝でさらに順位を上げていけるかどうか。ガスリーが後から来る格好になるので、角田にもちょっと意地を見せて欲しいところ。

なお今回のスプリント予選、スターティンググリッドと結果の差分を見ると一番順位を上げているのがマゼピンという衝撃。

Who gained the most positions – and Italian GP grid spots – in the F1 Sprint at Monza? | Formula 1®

まあガスリーのクラッシュとクビサのスピンがあったので、最後尾スタートのマゼピンにしてみればポジションアップの恩恵を受けやすかったというコトではありますが。ミックとの順位をひっくり返して見せているので、ミックにしてみれば悔しいセッションだったのかもしれません。