大須は萌えているか?

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2010年のF1で気になるところ

各チームの新車も概ね出そろってきて、プレシーズンテストも着々と進んでいよいよ開幕へのムードが高まってきたF1ですが、さて2010年はどういうシーズンになるんでしょうか。正直シーズン前の予想はほとんど当たることは無いので、今回は気になる点を列挙しておくだけにしたいと思います。


給油禁止

2010年のルール変更点で一番気になるのはレース中の給油が禁止されるコト。1994年に復活してから15年も続いてたんですね、再給油。これが禁止されるコトによって、決勝レース中では当然ながらマシンの重量変化が大きくなります。最初にレースを走りきるだけのガソリンを満タンに積んで、最後にはそれがほぼカラッポになるワケですから。そうなってくると重要なのは、マシンの重量が変化しても安定して速いマシン、ってコトになります。

たとえば去年のブラウンのマシンはガソリンをかなり積んだ状態でも速い、というのが大きなアドバンテージとなってましたが、今年はさらにそのアドバンテージが大きくクローズアップされる可能性があるワケです。何せスタート直後のマシンは極めて重い状態なワケですから、そこで遅かったらいくら後半巻き返しても手遅れになる可能性が高いですからね。

ただその一方で、予選ではQ3出走車もセッション終了後にパルクフェルメでの再給油が認められるというコトで、Q3も軽タンの状態で争われる形になります。つまりは決勝の戦略を考慮して云々なんて駆け引きがなくなり、単純に一発タイムで競われる予選が戻ってくるというコトで。なので、予選上位を目指すならば軽タンでも速いマシンでなくてはなりません。

ま、中には「予選だけはいつも速い」とか「予選はイマイチだけどレース前半のペースが尋常じゃない」なんてマシンもあるかもしれません。そういう存在もまたおもしろいんですけどね。

また、去年行われていた予選終了後のマシン重量の公表は今年は行われないんだそうで、ちょっと残念。マシン重量が公表されるならば、各車の燃費が一目瞭然なんですけどね-。


ポイント方式の変更

それから2010年から、レースで入賞した時に得られるポイント配分が大きく変更されます。今では8位までがポイントの対象だったワケですがそれが10位まで拡大。んで与えられるポイントが1位25ポイント、2位20ポイント、3位15ポイント、4位10ポイント、5位8ポイント、6位6ポイント、7位5ポイント、8位3ポイント、9位2ポイント、10位1ポイント。表彰台以上とそれ以下で得られるポイントに差がついており、表彰台に乗るコトによるアドバンテージが大きくなってます。

これまでのポイント方式だとここまで大きな差が無かったために、敢えてリスクを冒して上位を目指さずポジションキープで、なんていう戦略も珍しくなかったワケで。しかしこの新しいポイント方式ならば、より積極的に上のポジションを狙うドライバーが増えそうですね。レースを活性化させるという意味でこのポイント方式は面白そうです。優勝の価値も増しますし。

10位までポイントが得られるようになったのは、チーム数が増えることによる影響なんでしょうね。中段グループのレースを盛り上げるための。それでも26台のマシンがグリッドに並ぶコトを考えると、入賞するためには16台のマシンを蹴落とさねばならないワケです。正直新規参戦チームの実力が未知数なので、既存チームにとってはポイント獲得の閾値が上がったのか下がったのか、まだよくわからんところですが・・・。


新規参戦チーム

いろいろゴタゴタの挙げ句、それでも2010年には新規参戦チームが4つ加わるコトになってます。これらの新規組は事前にFIAが資産等も含めF1に参戦が可能かどうかチェックを行っているはずなんですが、しかしどうも去年の末から怪しい雰囲気も漂ってたりして。

新規組のウチ、ヴァージンはマシンのシェイクダウンを済ませ、ロータスも新車を完成させ発表。この2チームについてはドライバーも確定しており(ヴァージンはティモ・グロックルーカス・ディ・グラッシロータスヤルノ・トゥルーリとヘイキ・コヴァライネン)、比較的問題は無さそうな雰囲気なんですが、残りの2チームがどうにも怪しい。

ブルーノ・セナと契約したカンポス・メタ1は資金繰りがヤバイというニュースが頻繁に流れ、セナとの契約も破棄されるとかされないとか、どうにもはっきりしない状況。挙げ句には来年以降フォルクスワーゲンがチームを引き取るなんて話も出てますが、どこまでホントなんだかよくわかりません。少なくとも現段階でセナのチームメイトと新車は明らかになっていない状態で、開幕に間に合うのかどうかもよくわからない状態。

もう1チーム、USF1ホセ・マリア・ロペスをドライバーとして発表しましたが、こちらももう一人のドライバーと新車は明らかになってません。こちらも資金難が噂されており、ちゃんと開幕に間に合わせられるのかよくわかりません。

んで、その裏でこっそり参戦を伺っているのがステファンGPというチームで、カンポスあたりが参戦不可となった場合にはこのステファンGPが新規チームとして参戦するという話。このチームは旧トヨタF1のファクトリーやら機材を買収してて、その上TMGと技術供与契約も結んでおり、正式参戦となればドライバーとして中嶋一貴が起用される・・・という話なんですが。まぁトヨタのマシンがベースになっていて技術供与等もあるんだとしたら、下手なチームよりも競争力はありそうな雰囲気ですが。

バーニー・エクレストンはけっこう早い段階からカンポスUSF1の体制を不安視しており、それら2チームよりもむしろステファンGPを参戦させたがっているようです。一貴のチームメイトとしてラルフ・シューマッハの名前が挙がっていますが、兄弟揃って亡霊の如く復活するのはできれば勘弁してもらいたいところではあります。

バーニー・エクレストン、2010年ステファンGP参戦を後押し : F1通信

正直、現段階では開幕戦のスターティンググリッドに何台のマシンが並ぶのかよくわからない状態。正直FIAの事前調査とはいったい何だったんだ、という気がしないでもありませんが。やはり全チームの承認を得てバジェットキャップ(チームの年間予算制限)がきちんと組み込まれないと、プライベーターがポンポン参加できる状態にはならないってコトなんでしょうかね。新規組も参戦を表明した当初はバジェットキャップ前提だったハズですし・・・。


そんなこんなで

全体的な雰囲気として、燃料再給油の禁止やら怪しいプライベーターの蠢きやら「ロータス」の復活やら、なんだか90年代のF1みたいな感じがするな、と。ある意味懐かしい感じがするんですよね。2009年とはまた違ったF1が楽しめそうなのは間違いないので、今年もいろいろ期待したいと思います。