大須は萌えているか?

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F1[10] ドイツGP決勝

また物議を醸しそうな展開、F1ドイツGP決勝です。

決勝結果:
FORMULA 1 GROSSER PREIS SANTANDER VON DEUTSCHLAND 2010 - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
German Grand Prix - selected team & driver quotes! - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Germany - The Official F1 Website

フェラーリがやっちゃった

予選のポールポジションこそベッテルに譲ったものの、スタート直後に1-2体制を築いたフェラーリがそのまま1-2フィニッシュ。ただし、スタート直後はマッサがトップでしたが、優勝したのはアロンソというオチ。まぁ、もはやフェラーリお家芸という感もあるチームオーダーが発令されちゃったんですけどね。

レギュレーションではチームオーダーは禁止されているワケですが、だからと言って完全に無くせるモノでもありません。チーム側にしてみれば、効率的なポイント獲得を第一に考える上で2人のドライバーのポジションをコントロールしたい局面は必ずありますし、「順位を譲れ」なんて直接的に言わなくても、チーム内で隠語でも決めておけば指示もできます。

しかし今回のケースは堂々としすぎというか、マッサに対して「フェルナンドはお前より速い。この意味わかるな?(Fernando is faster than you. Can you confirm you understood that message?)」みたいなコトを無線で言ってるのはわかりやすすぎ。個人的には今回はマッサの勝利を期待しかけてただけに、非常に残念な結果。表彰台のマッサにはまったく笑顔がありませんでしたね。

正直このフェラーリの露骨なチームオーダーは、わざと現行のレギュレーションに対しての不満をアピールしているようにも見えました。

チームオーダーの是非

個人的にはいっそのことチームオーダー出しても良いよ、ってコトにした方がすっきりすると思うんですけどね。どんなに厳しく禁止したって、特にタイトルの行方が掛かっているような局面では必ずやるチーム出てきますって。「タイトルが決まるようなレースなら仕方無いけど、今回は別にそうじゃないからダメだろう」という見方もできますが、ケースバイケースで善し悪しが変わるというのもスッキリしない話です。

チームオーダーを完全に無くしたいのであれば、確実なのは

とか。チームの総合ポイントに意味が無くなれば、チームオーダー自体意味無いですから。まったく現実的じゃないですけどね。

あるいは、チームオーダーを出した事実が発覚した場合は、問答無用で失格処分にしてしまう・・・つまりレギュレーションの厳罰化ってコトも考えられますが、この場合「確実にチームオーダーである」という立証が難しそうです。今回のフェラーリはかなり堂々とやってたのでアレですが、もっと巧妙に仕組むコトは不可能じゃないでしょう。ドライバーが素直に言うこと聞いてくれれば、の話ですが。そうなると「チームオーダーかどうか」のジャッジに時間が掛かってしまい、むしろファンの興味が薄れる結果にもなりかねません。

F1はドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方が存在していることから分かるように、ドライバー個人の争いと同時にチームの争いでもあります。この構造が崩れない以上、チームオーダーを完全に撲滅するコトは不可能。ならいっそ認めちゃえばいいじゃん、と。スポーツマンシップに反するという意見もありますが、チームプレーという側面を考えればむしろ自然なコトかと思います。

とりあえず今回のフェラーリの行為については10万ドルの罰金、そして世界モータースポーツ評議会での審議対象となり、さらなる罰則の可能性もあるそうです。

Ferrari fined, referred to WMSC over team order allegations - The Official F1 Website

ちなみにマッサ自身は、優勝できなかったのは残念としながらも、個人的意見として今回のケースはチームオーダーには当たらないとコメントしてます。チームの利益を最大限に考えた結果、自分で決断したことであると。こんなコメントをせざるを得ないマッサの心境を考えると、しんどい話ですけどね。

そのほか

すっかりチームオーダー話に偏ってしまいましたが、今回フェラーリのペースに食いついていけたのはベッテルだけでした。ベッテルはスタートでかなりエグい幅寄せをして結果的にポジションを落としましたが、スタートで先頭に出ていればまたレースの展開は変わっていたかも知れないですね。問題は次戦でもフェラーリの勢いが維持されるのか、という点。もし次も速ければ、フェラーリかなり期待できそうです。今回のレースでチームオーダー発令したところを見ると、フェラーリはまだタイトル諦めてませんしね。

ベッテルに対して目立たなかったウェバーですが、もうマクラーレンに前を塞がれたのが運の尽きでしたねぇ。可夢偉もペースは悪くなかったものの、なかなか前のクルマを追いきれない展開。11位という順位は惜しかったですけどね・・・。デ・ラ・ロサは本当にお気の毒。

ミハエルはなんとか9位で入賞を果たしたものの、ピットストップで逆転したロズベルクがミハエルの1つ前8位でフィニッシュ。メルセデスGPにしてみるとダブル入賞はしたものの、盛り上がりに欠ける展開でした。マクラーレンも粛々と4-5位でフィニッシュ。良くも悪くもない展開。

コンストラクターズタイトルではトップのマクラーレンが300ポイント、レッドブルが272ポイント、フェラーリが208ポイント。ドライバーズタイトルではレッドブルの2人が136ポイントで3-4位に並び、アロンソが13ポイント差の5位。フェラーリがここから連勝を決めることができれば、確かにタイトルはまだ手が届く範囲でしょうね。