大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[10] アブダビGP決勝

レースでは何が起きるかわからない、そんな展開でした。F1アブダビGP決勝。

決勝結果:
2010 FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX - The Official F Website

決勝後ドライバーコメント:
Abu Dhabi Grand Prix - selected team & driver quotes - The Official F Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference- Abu Dhabi - The Official F1 Website

まさかの逆転劇

予選結果を見るに、スタート失敗しなければベッテルが優勝する確率は高いだろうな、とは思いました。また、トラブルが無ければアロンソがワールドチャンピオンだろうな、とも。アロンソにしてみれば予選のポジションをキープすればタイトル確定、あるいは4位でも大丈夫という格好でした。アロンソが絶対的に有利。もしベッテルがチャンピオンになる可能性を考えるならば、それはアロンソのマシンにトラブルが発生したときだろうと。

しかし結果は・・・アロンソも最後まで走り切ったにも関わらず、まさかの7位フィニッシュ。ウェバーは8位。そして完璧な仕事をしてみせたベッテルがトップチェッカー。

ウェバーは予選からうまくペースを作るコトができず、アロンソはピット戦略ミスに足を引っ張られ順位を落とし、ハミルトンもピットストップを引き延ばしていたクビサによってペースを作れず・・・ベッテルだけが、誰にも邪魔をされなかったレース。運の要素もあるでしょうが、自身初のワールドチャンピオンの掛かった、しかも史上最年少というオマケ付きのレースで、こんな圧倒的な走りができてしまうベッテルは素晴らしかったですね。

ミハエルだって94年の初タイトル獲得時(アデレードのオーストラリアGP)にはプレッシャーからコースアウトして、挙げ句ヒルとぶつかるなんてレースやらかしてましたからね。今回のベッテルのレースたるや、初タイトルとは思えない貫禄を感じました。もしベッテルがポイントをリードした状態でこのレースを迎えていたら、結果は違っていたのかもしれません。追う立場だからこそ攻め抜くコトができた。

そのミハエルもベッテルを絶賛するコメントをしています。ていうか気持ち悪いぐらい褒めてます。しかし最年少チャンピオンですからね、今後の成り行きによっては、空前絶後と思われているミハエルの通算勝利数記録を塗り替える時が来るのかも?

"My time was different time from his time, I just feel very happy for him. I think he deserves all the credit. He is a great driver, he is a fantastic guy, so I am more than happy for him."

via: autosport.com - F1 News: Schumacher: Vettel a 'great' champion

ベッテル自身は記者会見で「言葉も無い」「なんて言えば良いのかわからない」と。その後改めて「気分はどう?」と問われ、一言「Good」とコメント。なんかすごく重みのある「Good」だなぁ。これがワールドチャンピオンになるってコトなんでしょうね。

正直ベッテルはタイトルに届かないだろう・・・と思ってたんですが、最後まで攻めまくったのが良かったんでしょうねー。とにかくベッテル史上最年少ワールドチャンピオン獲得、おめでとー!

レースのカギ

このレース、最初のキーポイントはミハエルがオープニングラップでスピンし、リウッツィが突っ込んでセーフティカーが出動したコトでしたね。このタイミングで上位陣ではロズベルグペトロフが早々にピットインし、最終的にアロンソの前に立ちふさがる格好になるワケで。

そしてもう一つのカギとして、ウェバーの早期ピットインがあります。セーフティカーでピットインしたグループを除くと、一番最初にピットインしたのが11周目に入ったウェバー。スタートからペースが伸びず、リヤタイヤの不調を無線で訴えてのピットインでした。なのでルーティンよりも予定を早めたんでしょうね。

で、フェラーリもソフトタイヤのフィーリングに難があったらしく、13周目にマッサ、15周目にアロンソがピットイン。調子の悪いタイヤで引っ張って、ウェバーに先を越されるワケには行かないという判断。しかし、これにより団子状態になっているグループに埋もれてしまう結果になってしまうワケでして。

じゃあベッテルやハミルトンのタイヤはどうかというと、23~24周目まで引っ張るコトができてしまい、ピットストップ前にうまくプッシュできたベッテルはバトンの後ろ2番手で復帰。ハミルトンはクビサ可夢偉の後ろで復帰する形になり、ベッテルとの差は広がるばかり。ましてやアロンソやウェバーにとっては、もう絶望的な差。

それでも前のマシンを3台ほど直接オーバーテイクする力がフェラーリにあれば、アロンソはタイトルを獲れました。・・・が、真ん前を走っていたルノーペトロフオーバーテイクするコトはできず。ペトロフも今回はミスの無い良い走りをしてましたしね。それにアブダビのコースはラインを外すと非常に滑りやすく、オーバーテイクのリスクが大きいサーキット。アロンソも開き直ってコースアウト上等で仕掛けてましたが、届かず。

フェラーリにしてみれば、レース開始早々のセーフティカー、そしてウェバーの早期ピットインと、序盤から立て続けに難しい判断を迫られてしまったワケで。結果論としてはどうとでも言えちゃうんですが、状況を考えるとピットの判断ミスを責めるのも酷な話ではありますね。しかし、フェラーリのピットとしては「手堅く行こう」という心理が強すぎたようにも思えます。だからウェバーを封じればなんとかなる、と判断してしまった。

そう考えると、守りに入った者が負け、攻め続けた者が勝ったのかな、と。それ言ったらハミルトンも攻め続けてたんでしょうけど、さすがに遅すぎたというかなんというか。ちなみにアロンソは、「レースが終わった後にベストな戦略を見つけるのは簡単だ」とコメントしてますけども。チーム・ドライバー共にベストを尽くした結果だから仕方無い、ってコトでしょうね。

autosport.com - F1 News: Defeated Alonso defends pit strategy

レース戦略って難しいですね、ホント・・・だからこそ面白いんですけどね。

記者会見のコメント

地上波の放送は録画のハズなんですけど、最後の記者会見のコメントの字幕が付いていない状態で放送されちゃってました。間に合わなかったみたいで。たぶん放送で流してたのは次のあたりのコメント。

まずハミルトンは「レッドブルとセバスチャンはおめでと、僕らだって頑張ったよね、来年はもっと良い年にしたいね」みたいなコトを言ってますね。

Yeah, well it has not been the most spectacular season for us. But huge congratulations to Red Bull and to Sebastian. They really did a fantastic job throughout the year, so fair do’s to him. I think for us it was a great end of season result, for me and Jenson. I think we pushed very hard throughout the year, so a big thank to all the guys back home at the factory for not giving up. Next year will be a better year.

via: FIA post-race press conference- Abu Dhabi - The Official F1 Website

バトンは「今シーズンは来年への礎になるよ、すこし休んだらベッテルが座ってる真ん中の席に戻ってきたいよね」みたいなコト言ってますね。

we can really build on this season for next year. We are going to have a little break now but then we will be back on it and already pushing the team as we both want to be back in the position this guy is sat in, right in the middle.

via: FIA post-race press conference- Abu Dhabi - The Official F1 Website

ベッテルは「頭からっぽで何言えばいいかわかんない、喋るネタはいくらでもあるハズなんだけど、とにかく信じらんない、チーム全員に感謝するし、ルノーも大きな役割を果たしてくれたよね」みたいなコト言ってますね。

I guess I am pretty empty at this stage. I don’t know what to say. Surely I will find some reasons to keep on talking forever. It is unbelievable.

(中略)

so I can only say thanks to the whole team. Renault played a big role in this race as well helping us a little bit, keeping these guys behind.

via: FIA post-race press conference- Abu Dhabi - The Official F1 Website

すげー適当でごめんなさい!

ついでにウェバーさんのコメント。たびたびチーム批判のコメントを残し、引退説まで出ていたウェバーさんですが、来期もレッドブルから参戦するとコメントしたみたいです。

Asked by the BBC if he would definitely be back to try again with the team in 2011, Webber replied: "Yes".

He added: "I fully congratulate Seb on the world championship.

via: autosport.com - F1 News: Webber vows to try again next year

もしタイトルを獲得してたら、それを手土産に引退なんて説もありましたが・・・さすがにこのままじゃ終われない、って感じでしょうか。タイトル目指すならレッドブル残留が一番の近道なのは間違い無い(ていうかマクラーレンフェラーリには空きが無い)ですしね。

可夢偉はノーポイント、だけど

可夢偉はピットストップを引っ張る戦略で一時は3位を走るものの、クビサやハミルトンにパスされ、ピット後はこれまた集団に巻き込まれて14位フィニッシュ。残念ながらノーポイントに終わってしまいましたが、相変わらず国際映像にもちょくちょく映ってましたし、見せ場は作ってましたね。

ていうかハミルトンは「クビサはミスを犯さなかったし、彼を抜くのは不可能だった」とコメントしてますが、そのクビサは「可夢偉はチョー深いところでブレーキングするもんだから、仕掛けるのが難しかったよ」とコメントしてます。ルノークビサ相手に、明らかに劣るザウバーでここまで言わしめるってのは結構スゴいんではないかなぁと。

レイトブレーキングは琢磨の得意技でもありますが・・・可夢偉はそんなブレーキングを続けながらも、「カミカゼ」をしないんですよねー。鈴鹿のヘアピンでも見せたように。ギリッギリのところでブレーキングをコントロールしてみせている。シビれます。

可夢偉の年間獲得ポイントは32、ドライバーズランキング12位。ルーキーの中ではトップ。来期はメキシコのスポンサーが付くみたいですし、BMW撤退のドタバタの中で準備した今シーズンよりは良い開幕を迎えられるハズ。来期は、今年以上の飛躍を期待してます。

そんなこんなで

新しいチャンピオンが誕生し、2010年のF1も終わり。結果としてはレッドブルがダブルタイトルを獲得しましたが、最後まで結果がわからない、非常に面白いシーズンでしたねー。来期もレッドブルがアドバンテージを保つのか、メルセデスGPはそろそろ本気出すのか、ていうかアゴ兄さんは再び勝てるようになるのか(勝って欲しくないけど)、可夢偉はトップチームのシートに手が届くのか、等々、来期も気になるポイントはいくらでもあります。

また来年の開幕を楽しみに待つとしましょう。