大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[11] ヨーロッパGP決勝

レッドブルのアドバンテージが少ないとされるバレンシアですが……F1ヨーロッパGP決勝。

決勝結果:
2011 FORMULA 1 GRAND PRIX OF EUROPE - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team & driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Europe - The Official F1 Website

負けないベッテル

カナダではバトンに優勝をさらわれたベッテルですが、ここバレンシアではまたキッチリと勝利を収めましたね。

レースペースとしてはレッドブルフェラーリマクラーレンの「3強」が割と近いペースで走ってましたが、最終的にはベッテルアロンソ・ウェバーの3人が表彰台争いをする格好に。結局どんなコースでも強いレッドブルも大したもんですが、そこに絡んでいって2位表彰台を獲得したアロンソも大したもんです。ていうか、ウェバーはこういう時の強さに欠けますねぇ。

レースペースだけ見るとアロンソにも勝利の可能性はあった気もするんですが、そんな展開の中でトップを明け渡さず勝利したベッテルってのは相当強いなと。ライバルと速さにあまり差の無い状況下でタイヤを冷静にコントロールしてペースを保つ、っていうのはスゴいコトですよ。ベッテルさん自身、その状況を楽しんでおられたご様子。

From the outside, I'm not sure if it seemed that much was happening in the race, but I enjoy it so much when it's between you and the car on every single lap.

via: Sebastian Vettel:Race - selected team & driver quotes - The Official F1 Website

カナダでは自らのミスで勝利を逃したワケですが、その後のレースでこれだけ強い走りができるというのは、精神的にも相当タフになっているなぁという印象ですね。このベッテルを見ている限り、彼の連覇はほぼ決まったようなモンだと思えてしまいます。

次戦からのディフューザー規制ってなんだ?

そこにひとつ不確定要素があるとすれば、次戦イギリスGPからディフューザー周りの規制が強化されるというお話くらいでしょうか。

すでに今回のヨーロッパGPでは予選時に使用したエンジンマッピングを決勝スタート時にも使用しなければならない、という規制が加えられたようですが、イギリスGPからは「ドライバーがアクセルを踏んでいないときは、最大値の10%までしかスロットルを開放してはダメ」という規制が加わるんだそうで。

どういうコトかと言えば、排気ガスディフューザーに流し込むコトによりダウンフォースを増加させよう→でも排気ガスってアクセル踏んでる時じゃないと出てこないよね→じゃあアクセル踏んでないときにも排気ガスを出すような仕組みにすれば良いんじゃね?……という流れが最近のトレンドだったワケですね。以下の記事なんかがわかりやすいな-、と思います。

禁止目前の「吹きつけディフューザ」分析 : F1通信

そもそもなんでディフューザー排気ガスを流し込むとダウンフォースが増えるのかというと、

  • 排気ガスの一部がディフューザーを流れる空気に入り込み、その流量が増すから
  • 高速に流れる排気ガスが、かつてのウイングカーに於ける「サイドスカート」の役目を果たすから
というコトらしいんですね。つまりは現在のレギュレーション下で最大限のグラウンドエフェクトを得るにはどうすれば良いか、というところからの発想。いやー、よく考えますねこういうの。

グラウンド・エフェクト・カー - Wikipedia

しかし一番ダウンフォースが欲しいコーナーなんかでは、ドライバーは当然アクセルを全開にしていない。なので、エンジンの制御を工夫して、アクセルを緩めているときにも強制的に排気ガスが発生するようにしてしまえと。これ、具体的にどうやっているのか知らないんですけど、発想としてはミスファイアリングシステムに近かったりするんですかねぇ。

ただそうなると、ガソリンを余分に消費するコトになりますし、エンジンや排気系へのダメージが心配になります。そこでレッドブルなどは、予選では燃費や排気系へのダメージ度外視のエンジン制御を行い、決勝では燃費・耐久性重視の制御に切り替えていたと。その「予選と決勝でエンジン制御を切り替える」という行為が今回規制されたワケですね。

そして次戦イギリスではアクセル踏んでないときにも、さもアクセル全開時のよーな勢いで排気ガスを吹き出すようなセッティングそのものが禁止されると。現在、この「吹きつけディフューザー」の恩恵を最も得ている(つまり完成度が高い)とされているのがレッドブルなワケで、これが制限されるコトでイギリスGP以降、レッドブルのアドバンテージが結構失われるのではないか、と言われていると。

実際のところ、影響を受けるのはレッドブルだけではありませんし、いきなりレッドブルの勢いが無くなるとも思えませんけどね。エンジンマップの変更が規制されたバレンシアでもフロントロウ独占したワケですし。ただ、今のベッテルの勢いを見ていると、少しでもなんらかの不確定要素があったほうが盛り上がるんじゃね?とは思えてしまいます。

そのほか

なんか豪快に話が脇に逸れた気がしますが。

今回可夢偉は16位に終わり、連続入賞はストップ。今回は特に見せ場がありませんでしたね-。チームメイトのペレスは開幕戦を彷彿とさせるような1ストップ走行で11位フィニッシュ。ポイントゲットには至りませんでしたが、こういう作戦得意なんですかね。トップ集団見ている限りだと、ソフト側のタイヤなんて13周程度が限度ぽかったんですけど……。

あと、ピットアウト直後にペトロフフロントウィングを踏まれ轟沈したミハエルは「ブレーキ遅らせたらフロントがロックして彼に向かって滑っていってしまった。僕のミス」というコメント。いやー……、やっぱこういうミハエル・シューマッハは見ていたくないなぁ。