大須は萌えているか?

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F1[11] イギリスGP決勝

吹きつけディフューザーの行方はいかに。F1イギリスGP決勝。

決勝結果:
2011 FORMULA 1 SANTANDER BRITISH GRAND PRIX - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team & driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Great Britain - The Official F1 Website

アロンソさんマジっ速

ドタバタがありながらも、このレースでは吹きつけディフューザーが規制されました。にしても、いくつかのニュースサイトを見てメルセデスエンジンは規制を免除されたのかと思ってたんですが、テレビ中継の口ぶりを見るに皆規制されていたような感じでしたね。なんだかようわからん。

んで、そんなレースを制したのはフェラーリアロンソ。スタート後はベッテルが悠々とリードを築く展開で、これだけ「お膳立て」されながらこの有様では、フェラーリ全然ダメじゃん……なんて思ってたんですけど。ついでに、スタートであっさりベッテルに先行された挙げ句にみるみるリードを拡げられたウェバーさんもどうなのよ、とも思ってましたけど。

インターミディエイトからスリックに履き替えた直後もアロンソのペースはイマイチ、逆にスタートからすごくペースの良かったハミルトンにも先行される状態。「チョイ濡れ」の状態がハミルトンのマシンにマッチしていたんですかねー。しかしその後、今度はハミルトンのペースが伸びなくなってきて、アロンソがどんどんペースアップ。レッドブルの2台も上回るペースで、その後二度目のピット時にベッテルクルーの作業ミスも手伝って一気に逆転トップ。

トップに立ったあとのアロンソはアホみたいなペースでかっ飛び続け、今シーズン未勝利だというのがウソみたいなリードを築き、そのまま優勝。久しぶりに「強いアロンソ」を見せつけられたレースでした。

一方、チームメイトのマッサは5位どまり。最後、ハミルトンに急接近しオーバーテイクを仕掛けるもしとめ損ねてしまいました。イマイチペースが伸びなかったのはフロアを破損したせいかもとコメントしてますが、しかし終盤のペースはかなりのモノでしたし、レース中のファステストラップの1・2位をフェラーリの2台が占めていたりもします。そう考えると、アロンソも含めて路面状況とのマッチングの問題なのかな、という気もしますね。

トラブルが多い週末

ベッテルが優勝を逃したのはピットワークのミスも一因だと言えるでしょうが、他のチームでもピットのミスが目立つレースでしたね。自己ベストの6番手からスタートしたディ・レスタは、ピットが用意するタイヤを間違えるというミスで30秒近いロスをしてしまい、結果15位フィニッシュ。これは気の毒。

それからバトンは右フロントホイールのナットが締められていない状態でロリポップマンがGOサインを出してしまい、ピット出口でリタイヤ。バトンは母国GPでまったくツキに恵まれず。そして可夢偉ロリポップマンのGOサインで出ようとしたところにウィリアムズのマシンが通りがかり、それを避けようとしてマシンを破損。さらにペナルティーを食らってしまうという有様。

ちなみにマクラーレンザウバーは、チームに対してもそれぞれ5,000ユーロと20,000ユーロの罰金が科させられたそうです。

McLaren and Sauber handed pit-stop fines - The Official F1 Website

にしても、可夢偉にとっては散々な週末でしたね。ていうか問題はミハエルですよ。あの怒濤の突っ込み(?)はないでしょう。ミハエルは「レース中に初めてDRS使ったらオーバーランしちった。効果を過小評価してたし、ブレーキングも良くなかったね」と。

Having used DRS for the first time in the race, I was arriving at the corner with over-run. Underestimating the effect, my braking was not good and this is how the collision happened.

via: Michael Schumacher:Race - selected team & driver quotes - The Official F1 Website

以前にも似たようなコメントを聞いた記憶があるのですが。これが7度のワールドチャンピオン、というかF1ドライバーのやることかと。いやはや時間というのは残酷です。ミハエルは確かに偉大なドライバー「でした」が、F1チームは老人ホームでは無いので、そろそろ別の場所に隠居した方が良いのではないでしょうか。いやホントに。

第二次レッドブル紛争

あと面白かったのは、ゴール直前のベッテル対ウェバーのバトル。テレビでもポジションキープを伝えるチームオーダーの無線が流れてましたが、ウェバーさんこれをガン無視。あらやだ男らしい。

ウェバー 「チームオーダーを無視したのは当然だ」 : F1通信

救いなのはベッテルも割と状況を楽しんでおり、これがすぐさま深刻な内ゲバには発展しなさそう(少なくとも表面上は)なところですが、しかしそれならウェバーさんもっとスタート直後にも頑張ってよという気がしないでもありません。終盤のウェバーは確かに勢いがありましたが、レースの大半をリードしていたのはベッテルの方です。チーム側があの状況でチームオーダーを発令するのは当然だと思いますし、ウェバーがそこで突っ張るにはちょっと説得力がないかなと。一番の問題は、チームがドライバーの行動を掌握しきれていないところですね。

一応、ウェバーは来期もレッドブル残留の線が濃厚だとされていますが、この一件がなにか今後に影響を与えるのかどうなのか。でもまぁ、面白いからいいぞウェバーもっとやれ。

そして吹きつけディフューザーの行方は

今回のレースはフェラーリエンジン搭載のザウバーも調子が良く、不幸に見舞われた可夢偉はアレでしたがペレスは堂々7位フィニッシュ。コースとの相性もあるのかも知れませんが、やはり吹きつけディフューザー規制はフェラーリエンジンに大きな恩恵を与えたのかなと。レッドブルマクラーレンがメチャクチャ遅かったとも思えませんけどね。なんかフェラーリエンジンが一方的に得してたイメージ。まぁ一概に規制の影響だとは断定できませんけどね。

んで、次戦ドイツ以降の吹きつけディフューザー規制については、日曜朝に行われたミーティングではフェラーリザウバー(まさにこのレースで活躍した2チーム)が規制撤廃に反対したものの、結局その後折れたらしく、次戦からはバレンシア以前の状態、つまり規制が無い状態に戻すコトで全チームが合意したみたいですね。

Formula teams reach agreement over blown diffuser row - F1 news - AUTOSPORT.com

まーホントにこのドタバタは一体なんだったんだ、という気もしますが、シーズン途中にお上(FIA)がレギュレーションの解釈を巡って規制をブチあげるとロクなことになりませんね。正直、吹きつけディフューザーのコンセプトは良く考えるなぁ、とは思うものの、自動車のテクノロジーとしてはまったく不要なモノに見えるので規制自体には賛成なんですけど。

だいたい、「ブレーキング中にも排気ガスを垂れ流す前提でマシンを設計しているから、禁止されると信頼性に問題が出る」っていうメルセデスルノーの言い分も「えー」って感じですし。排気ガスを垂れ流し続けないと壊れるクルマってなんなんですかそれ。でも、メルセデスエンジンもルノーエンジンもちゃんと走ってたところを見ると、ただの方便って気もしちゃいますけどネ。

しかしとにかく、これで少なくとも今シーズン終了まで吹きつけディフューザーは「アリ」というコトになったワケです。では、次のドイツではどういう結果になるのか?それでもアロンソが連勝、なんてコトになれば盛り上がるのですが……。