ここに来て予想外の展開。F1アブダビGP決勝。
決勝結果：
2011 FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX - The Official F1 Website
決勝後ドライバーコメント：
Race - selected team & driver quotes - The Official F1 Website
決勝後記者会見：
FIA post-race press conference - Abu Dhabi - The Official F1 Website
ベッテルがすっ飛んだ
予選でガッチリとポールを獲得したベッテル、スタートも完璧に決めてこりゃあ今回もベッテルか……と思いきや、なんと直後にまさかの単独スピン。一瞬、ハミルトンにどつかれたのかと勘違いしてしまいました。原因は右リヤタイヤのバースト。
これ、実に不可解というか、リプレイで見ても特に異物を踏んづけているようには見えません。ピットのテレメトリーでも直前までタイヤの異常はまったく検知されていなかったとのことで、原因は今のとこ全然わかってないみたいですね。
何が起きたのかを導き出すために、我々はレッドブル・レーシングとともに、セバスチャン・ベッテルのホイールに残ったタイヤを調査しているところです。間違いなく、非常に稀な事故であり、セバスチャンとともに現場もチェックしに行きましたが、一見して原因だと考えられる要素は見つかっていません。また、そのタイヤは、彼がすでに予選で使用したセットでした。はっきりとした結果が把握できるまで、憶測を語っても意味はありません。（ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント）
確かに非常に希有な事故だとは思うのですが、こうした事故が万が一高速コーナーなんかで起きると間違い無く重大事故に繋がってしまうワケで。早いとこ原因究明されることを祈ります。
それはそれとして、ベッテルがリタイヤ後すぐさまピットでノートPCからデータをチェックしていたり、その後ピットウォールからレースの流れをチェックしていたりしてるのを見て、ベッテルがここまで強くなったのは天賦の才に加えてこの勉強熱心さがあるからなんだろうなぁ……と感心。
ワールドチャンピオンを何度も獲るようなドライバーって、単に才能に恵まれているだけじゃなくて、やっぱりそれ相応の努力をしているんですよねぇ。アイルトン・セナなんかはモナコでクラッシュしてそのまま自宅に帰っちゃった、なんてエピソードもありますが、一方でクルマの挙動で気になる点があればエンジニアを捕まえていつまでも話し込んだそうですし。
やっと勝利のハミルトン
ここんとこ、メンタル面が相当ヤバそうな感じだったハミルトンですが、ベッテルのリタイヤに助けられる格好ではあるものの、8戦ぶりの勝利。アロンソもマクラーレンに匹敵するペースで追いかけたんですが、やはりマシンのポテンシャルで勝るハミルトンを捉えきるコトはできませんでしたね。
今回の表彰台で、久しぶりにハミルトンの笑顔を見たような気がします。でも、地上波では記者会見のコメントはカットされてたけど。この1勝だけでハミルトンが満足するはずは無いと思いますが、とりあえず今後に繋がる勝利だったんじゃないですかね。今度は置いて行かれたマッサの方が病んだりして。
一方でバトンはどうもペースが伸びないな、と思ってたんですが、レース中にKERSのトラブルがあったみたいですね。ただ、そうなるとそんな手負いのバトンを仕留めきれなかったウェバーがどうにもこうにもアレなんですが。ていうかレッドブルの戦略もピットワークもアレでした。ベッテルいないと全然ダメなのかこのチーム……！？これでウェバーはドライバーズランキング2位のバトンと22ポイント差、こりゃさすがにベッテルとのランキング1-2は厳しいすなぁ……。
ちなみに、ハミルトンも優勝はしたもののバトンも3位表彰台に乗ったため、ハミルトンは今季バトンをドライバーズランキングで逆転するコトは不可能となりました。ハミルトンがチームメイトにポイントで負けるのはデビュー以来初めてのコト。「バトンがハミルトンに勝てるわきゃねー」とか思ってた人はバトンに謝ろうね。……バトンさんごめんなさい！
可夢偉は久々のポイント
可夢偉は最終的にチームメイトのペレスをパスして10位フィニッシュ。ホントはペレスとのダブル入賞が望ましい形だったんでしょうけど、それは致し方の無いところ。トロロッソがノーポイントだったのが救い。
ただ、ハード側のタイヤでスタートした可夢偉がわずか5周でピットインしたのはどうにも不可解でした。せっかくスタートで順位上げたのにね。どうやらそれは、ハード履いてるときの挙動がどうにもこうにもダメだったから、というコトみたいなんですけど。
可夢偉:そうですね。実際はプライムで（の走行をもっと長く）引っ張りたかったんですけど、あまりにも遅かったので（笑）、換えざるを得ないということになって──。結局、ツーストップになってしまったんですけど。（作戦としての）実際は、ワンストップを狙いたかったというのが本音ですね。
via: 【STINGER】小林可夢偉 レース後・会見【アブダビGP(日)】 >> F1 NEWS｜ボイスレコーダー｜｜STINGER / 独自の視点でF1ニュースを発信
逆に言うと、そこからよく10位まで持って行けたよね、という話でもあるんですけどね。ピットでのタイムロスもあったみたいですし。実際、タイヤ換えてからの可夢偉のペースは非常に力強かったですね。ペレスも無理に突っ張ったりしなくて良かった（？）。久しぶりに良い流れのレースができていたので、このまま最終戦ブラジルでもポイント獲得して欲しいところ。
2週間後には今年のF1も終わり。しかし、なんか久しぶりに「消化レース」の多いシーズンだからなんか変な感じ。
