大須は萌えているか?

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ピングドラム観てARBにハマってみたりして

先日、『輪るピングドラム』を最終話まで観たんですけど、おおむね意味分かりませんでした。ていうか、考えるな感じろ的なアニメなのだと受け取りました。でも途中で放り投げずに最後まで観てしまったというコトは、自分なりに楽しめたというコトなんだろうと思っています。たぶん。

それはそれとして、ピングドラムで一番インパクトを感じたのは挿入歌として使用されている『ROCK OVER JAPAN』でした。いやだって、アニメ声で「腑抜け野郎共を煽り続けていく」とかなんとか歌ってるのがなんともミスマッチで、なんじゃこりゃ、と。

んでもって、音楽全般(というか芸能全般)に疎いコトで定評のある私なので、この曲がカバー曲というコトも最初知らず、あとになってARBというバンドのカバー曲だと知りました。主に80年代に活躍したバンドとのコトで。BOOWYなんかと同じ時代のバンドですね。

ARBの曲はiTunesでも売られていたので、試しに数曲てきとうに購入してみたんですけど、これがまたかなり気に入ってしまいまして。なんでかって、まずそのメロディーが妙に耳に馴染むんですよ。Wikipediaによると、ARBって「ユニコーン甲本ヒロト真島昌利JUN SKY WALKER(S)福山雅治ニューロティカをはじめ、数多くのミュージシャンに影響を与えた」とあるんですけど、私もユニコーンブルーハーツなんかは聴いていたので、それらの音楽的源流になっているって部分が大きいのかも。聴いたコトないのに、初めて聴いた感じがしないメロディー。

あとは詞が非常にストレートでメッセージ性が強く、硬派。最近じゃまずお目にかかれないというか、80年代でもなかなか無かったんじゃないかというような詞の数々。ていうか、『ROCK OVER JAPAN』とか、これまたピングドラムのEDで使用されていた『BAD NEWS (黒い予感)』とか、これむしろ当時より今のがしっくりくる歌詞にも見えます。

ピングドラムにこれらARBの曲が使われたのは幾原監督が好きだからという話も耳にしましたが、ARBの作品は今の時代にこそマッチしているのでは、みたい思いもあったんですかね?あとは単純にこういうアナーキーでデストロイな歌詞をトリプルHに歌わせたら面白そうだから、ってのもありそうですが。

ぱっと見あのペンギンのキュートさに騙されそうになりますが、その裏でクーデターがどうのって歌詞が出てきたり、どう見ても地下鉄サリン的な事件が物語の核心に据えられていたりと、ピングドラムって作品は表と裏ですげえ二面性を持っている作品ですねぇ。それが魅力のひとつなのは間違い無いと思いますけど。

そういや、トリプルHにはカバーされていませんが、ARBの曲の中で『MURDER GAME』ってのも結構気になる曲でした。

ハタチを過ぎても仕事にあぶれてるゲーム好きの男が、遊び相手の子供に些細なコトをなじられて殺してしまうという内容。……なんか今発表したら、WEB上で炎上物件になっても不思議じゃなさそうな歌詞ですけども。

この曲、リリースされたタイミングが東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件を引き起こした宮崎勤が逮捕されて間もない頃だったらしく、事件を想起させるからとNHKで放送禁止になったという曰く付きなんだとか。

先行してシングルリリースされた「MURDER GAME」は、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件に対する石橋凌の怒りを反映した曲で、NHKでは放送禁止楽曲に指定されていたという。

via: SYMPATHY (ARBのアルバム) - Wikipedia

ただコレ、歌詞の内容自体はずいぶん宮崎勤の事件とはかけ離れているし、なんか変だなーと思ったら、モチーフになっているのは宮崎勤が逮捕されるも少し前に起きた別の事件(22歳の男が小学生の男児に「大人がプラモデルで遊んでる」と言われカッとなり殺した)みたいですね。

歌の方ではプラモデルがゲームに置き換えられているんですが、コレちょっと拡大解釈するとそのままオタク批判にも繋がっていきそうな内容。そういう歌も歌ってるバンドの曲が現代の深夜アニメでリバイバルするというのもなんだか趣深いモノがありますね(?)。あ、でも曲自体はかなり良いです。石橋凌のボーカルがまたなんとも叙情的なんだなぁ。

Amazonでも36曲入りのベスト盤が3,000円そこそこで買えるので、これ買ってみよかなぁ。

ARB COMPLETE BEST 1978~1990魂
リエーター情報なし
ビクターエンタテインメント