予選とはまた趣の違う展開に。F1開幕戦、オーストラリアGP決勝。
決勝結果：
2012 FORMULA 1 QANTAS AUSTRALIAN GRAND PRIX - The Official F1 Website
決勝後ドライバーズコメント：
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
決勝後記者会見：
FIA post-race press conference - Australia - The Official F1 Website
マクラーレン圧勝かと思いきや
勝ったのはマクラーレン……のバトン。ポールを獲得したハミルトンは3位。予選のスピードではハミルトンに分がありましたが、決勝ではスタートでトップに出たバトンが見事なペースコントロールを見せ、途中セーフティーカーが入ったりする展開に見舞われつつも、危なげなく優勝。
バトンはホント強いドライバーになりましたねぇ。タイヤを労りつつ、後続とのギャップをマネージメントするレース巧者ぶりはお見事でした。ブラウンGPでチャンピオンを獲った2009年より、今のバトンのが強く見える。
ただ、決勝ではレッドブルもマクラーレンに匹敵するレースペースを見せており、予選後のベッテルの楽観的なコメントは間違って無かったのだなぁと。ベッテル2位、ウェバー4位という成績は上等でしょう。これで予選一発の速さも出てくると、ベッテル3連覇フラグですねぇ。
ハミルトンはセーフティーカーの影響もあって、ベッテルに先行されてしまう形に。バトンの直後に連続でピットインする作戦はさすがマクラーレンだなぁと感心したんですが、結果的にタイミングが悪かったですね。しかしその辺は運の問題だし、ハミルトン自身もポジティブな雰囲気。
そんなワケでこの開幕戦は、マクラーレンとレッドブルの「2強」が際立つレースでございました。決勝のレースペースはほぼ互角、ただし予選で分があるマクラーレンやや有利……といったところ？今後の開発競争も見物です。
予選では速かったハズなのに
そして予選で印象的なパフォーマンスを見せていたロータス・ルノーのグロージャンなんですが、こちらはレース序盤にマルドナドと接触しリタイヤ。ううむ。スタートも失敗してしまっており、その辺は緊張もあったでしょうか。
一方でライコネンは序盤からするっと順位を上げ、そして可夢偉と延々やりあって7位フィニッシュ。ライコネンを見る限り、ロータス・ルノーはレースペースも悪くないですね。予選をまともに切り抜けられれば、ライコネンなら表彰台狙えるレースもありそう。
そしてメルセデスGPなんですが、なんで2台ともポイント取れてないんだ！？という感じ。予選ノリノリだったミハエルは、ギヤボックスにトラブルが出てしまいリタイヤ。そしてロズベルグは概ね去年と同じよーなポジションを走っていたものの、ファイナルラップでトラブルに巻き込まれスローダウン、12位フィニッシュという結果に。なんてツキの無いチームなんでしょうか。ブラウンGP時代にすべての幸運を使い果たしたのか。
決勝でのレースペースもそこまで印象的なモノではなく、良くも悪くも昨年並み、という印象。今回乗れていたミハエルが早々にリタイヤしたのは残念ですね。次戦でどこまでいけるか注目。
セカンドグループは混戦
マクラーレンとレッドブルが2強として、その後に続くグループはかなり混戦模様。まずフェラーリが耕耘機にモデルチェンジしてしまったために、完全にセカンドグループのチームに。アロンソはそれでも決勝気を吐いていましたが、現状実力で表彰台を取れるマシンでないコトは明らか。マッサはもう見るところ無し。
予選で期待したメルセデスGPも、今日の感じを見るとまだセカンドグループ。そこにロータスとウィリアムズというルノーエンジン組が躍進を遂げ、そしてザウバーもそこに絡むという大混戦状態なワケです。こりゃ可夢偉も大変だ。
今回可夢偉は6位フィニッシュという上々の結果。スタート直後にペレスと接触し、リヤウィングの翼端板を破損してしまいながらのこの順位はさすが。最後にツキにも恵まれましたね。
マルドナドは最後アロンソを追い詰める勢いでしたが、ファイナルラップでまさかのクラッシュ。もったいない……。しかし、あまりにくそみそだった去年に比べて、ウィリアムズが相当の進化を遂げているのは間違い無いところ。セナはぱっとしませんでしたが。
可夢偉のチームメイトであるペレスは1ストップ作戦を敢行し、そして見事にポイントゲット。てっきり可夢偉の前でフィニッシュしたのかと思ったんですが、ファイナルラップにマルドナドのアクシデントを避けようとスローダウンしたあとロズベルグと接触し、順位を落としてしまったみたいですね。しかし8位入賞はできたし、ザウバーは今年もコンスタントにポイント取れるマシンであるコトは間違いなさそう。
しかしトラブルさえなければ、メルセデスとロータスはかなり良いとこ行きそう。そしてフェラーリ、ウィリアムズ、ザウバーも加わってポイント圏内を争う感じかな？
さらにそのうしろ
そういや、フォースインディアがなんか地味だったなぁ。マルドナドのトラブルもあって、ディ・レスタが10位フィニッシュはしているんですが、なんかレースペースもイマイチで、昨年よりだいぶ戦闘力が落ちちゃってる感じ。ヒュルケンベルグが予選9番手に入ってたので、一発の速さはあるっぽいですが……はてさて。川井ちゃんも、フォースインディアのレースペースはイマイチみたいなコト言ってましたね。
トロロッソも地味な感じではあるんですが、こっちのがフォースインディアより面白そうかな。リカルドは9位フィニッシュで初ポイントゲット。そして、ルーキーのヴェルニュがなんか面白そう。決勝ではコースアウトするなど、ルーキーらしい荒ぶった走りではありましたが、時折ぽーんと速いタイムを刻んで見せてましたし。安定感が出ると面白い存在なのでは。
とまぁ、今年のF1もけっこう見どころはありそうです。できれば、マクラーレンとレッドブルの間に乱入するチームが出てきて欲しいところですが。ていうか、ロズベルグはそろそろ優勝するべき。
