企業のWEBサイトをよく見てみると、「推奨環境」ってのが書いてあったりするじゃないですか。ウチのサイト見るならこんな環境で見てもらえると嬉しいな、的なやつ。
某企業のWEBサイトでたまたま推奨環境のページ開いたら、その「推奨環境」が妙に古いというか、今こんな環境を推奨しちゃって良いの?的な内容だったんですよ。あれ、誰がどういう基準で決めているんでしょうか。わざわざ推奨するくらいだから、なんか理由はあると思うんですけども。
WEBサイトを作っている人が表示確認している環境?それにしては、結構サイトによってバラツキがあるんですよね。気になったので、Googleで「推奨環境」って入力して出てくるサイトをちょっと見てみることに。
カネボウ化粧品の場合
まず、ググって最初に出てきたのがカネボウ化粧品。なんで「推奨環境」でググって最初に出てくるのがここなのかようわかりませんが。
カネボウ化粧品のウェブサイトをご覧いただく際は以下のOS環境でご覧ください。
WindowsXP/Vista
Mac OS X(10.4、10.5)via: 推奨環境 | カネボウ化粧品
WindowsもMacも、最新のOSが推奨されてないですね。これはただ単にページの情報が更新されていないだけなのか、最新のものよりも一世代前の枯れたOSこそが推奨されるべきであるという信念に基づくものなのかは不明。
一方で、ブラウザの推奨はこんな感じ。
Microsoft Internet Explorer 6以上(WindowsXP/Vista版)
Safari 4以上(Mac OS X版)
Firefox 3以上 (WindowsXP/Vista/Mac OS X版)via: 推奨環境 | カネボウ化粧品
IEは6以上ならOKとしているのに対し、Safariは2009年にリリースされたSafari 4 以上というこの差が気になるところです。IE6なんて、Microsoft自身が使うのやめてと言ってるよーなブラウザなのに。
ちなみに、このページのさらに下の部分を見ると、「Macromedia Flash」と書かれたりもしていてるのが味わい深いですね。MacromediaがAdobeに買収されたのは2005年で、もうかなり昔の話なんですが……。あ、ちなみにAdobeによるMacromediaの買収が公表された時期と、カネボウの粉飾決算が明るみに出た時期ってほぼ同じ頃ですね。
TASPOの場合
続いてはTASPOのサイト。こちらのWindows推奨環境は…。
OS:Windows 2000,Windows XP,Windows Vista, Windows 7
ブラウザ:Internet Explorer 6,7,8,9
Firefox 3.6,8.0via: taspo|推奨環境
こっちだとWindows 2000が含まれてますね。でも、2000ってMicrosoftのサポートも打ち切られてしまってますが、そういうセキュリティ面で難のあるOSを推奨するのってアリなんですかね?
あと、「Firefox 3.6,8.0」って書かれてますけど、これだと「3.6もしくは8.0」と読めてしまうのがアレですね。……実際そういう意図で書いているのかな……?だとするなら、Firefox 7とか9が推奨されない理由も気になるところですが……。ちなみに、Firefox 3.6ももうすぐMozillaのサポートが切れる予定。
一方でMacの推奨環境は。
OS:Mac OS X
ブラウザ:Safari 4.0,5.0
Firefox 3.6,8.0via: taspo|推奨環境
こちらもOS XならなんでもOKという豪快さ。でもSafariは4か5。そしてやっぱりFirefoxは「3.6もしくは8.0」。
JALの場合
お次はJALのサイト見てみましょう。
Windowsをお使いの場合
Microsoft Internet Explorer 7.0、8.0
Firefox 3.6
Macintoshをお使いの場合
Firefox 3.6via: JAL - 推奨環境
Firefoxがまさかの3.6決め打ち。ここも更新が滞ってるぽいですね。にしても、Mac標準ブラウザのSafariは華麗にスルーされちゃってますね。
この表記の下には、IEとFirefoxのダウンロードページへのリンクがあるんですけど、いざそのページに飛んでみると推奨されてるバージョンとはかけ離れたモノがダウンロードされちゃうワケで、これ逆に混乱の元になりませんかね?
AEONの場合
あと、AEONのページもけっこうすごい。
■ 推奨ブラウザ
Microsoft Internet Explorer 5.0以上
via: 推奨環境 | AEON
IE5……。そしてまさかのNetscape。一体いつから更新されてないんでしょうか。いくらなんでも、今日日ここまでセキュリティ的にアレでバグの多いブラウザを推奨したまま放置するのは良くないと思うのです。
ざっと見てみると
とりあえずいくつか見てみて思うのは、名の知れた企業のサイトでも推奨環境のページって放置されがちなんだなーと。んで、そのページを作った当時に表示確認した環境がそのまま残ってるっぽいのと、なんとなく適当に指定してる感のあるものと。
更新するのが手間なら、いっそ推奨環境のページ無くしちゃえば良いんじゃね?という気もするんですが、無いとまずい理由でもあるんですかね?だいたい、どのページにも「推奨環境下であっても場合によってはうまく表示されません」とも書いてあるワケで、結局大した意味は無いよーな気がするんですよねー。
こういうページが存在する一番の理由を想像すると、「俺の環境でうまく表示されねーぞ」というクレームに対する予防線なのかなぁと思うんですが、だったら具体的な推奨環境は書かずに「場合によってはうまく表示されません」とだけ書いておけば良いんじゃないの、とか。
いや少なくとも、全然ページが更新されずに、セキュリティサポートが切れた環境を推奨し続けるよりは、 そっちのがマシに思えるんですけどねぇ。
あと、この手の推奨環境って、ちょろっと見た範囲ではChromeやOperaが全然記載されてないですね。一昔前は、Firefoxも全然だったとも言うので、これからChromeの記載は増えて行くのかなぁ。まぁOperaは今後も無いだろうな……。