大須は萌えているか?

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F1[12]イタリアGP 決勝

インド勢は衰退しました。F1イタリアGP決勝。

決勝結果:
FORMULA 1 GRAN PREMIO SANTANDER D'ITALIA 2012 - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Italy - The Official F1 Website

なぜペレスはあんなに速かったのか

トップ争いは退屈だからインド勢の奮闘ぶりでも期待しようと思っていた私ですが、カーティケヤンはウイング壊して没落するわ、ヒュルケンベルグは結局ブレーキトラブルでストップ(記録上は完走扱い)するわ、ディ・レスタはスターティンググリッドから1つだけ順位を上げて8位フィニッシュがやっとという体たらくですよ。非常に嘆かわしいと言わざるを得ません。いや私インド人じゃないので別にインド勢が活躍しても嬉しくはないんですが。

それはそれとして、トップ集団にも思いの外トラブルが発生したりして、なんだかんだで退屈しないレースになっちゃいました。そしてなんといってもザウバーを2位フィニッシュに持ち込んだペレスには脱帽と言うほかありません。いやだってフェラーリの聖地・モンツァで2台のワークスフェラーリをブチ抜いての2位フィニッシュですよ。

マレーシアでアロンソを追い詰めながらスピンしたときはフェラーリからの圧力説まで流れたもんですが、今回見事にリベンジを果たしましたね。恐らくこの表彰台はティフォシにも鮮烈な印象を残したことと思いますが、これにより彼のフェラーリ入りが加速するのか、あるいはモンテゼモロ(フェラーリ会長)が「空気読めないヤツはいらん」と突っぱねるのか、非常に気になるところです。

ただ、予選ではQ3進出もできなかったペレスがここまで上位に食い込めたのは驚きです。ペレスはスタートでハードタイヤを選択するという作戦を取りましたが、まずこれが当たったというコトでしょうね(他にスタートでハードを履いたのは、ダンブロジオ、マルドナド、ヒュルケンベルグだけ)。

このサーキットではハードタイヤだとなかなか熱が入らないというコトで、スタートではこれを嫌ったドライバーが多かったワケですが、ペレスはスタートでうまくポジションをキープし、そこからペースを上げていくことに成功。そしてその後、実に一貫性のあるペースでラップを刻んでみせました。

可夢偉をパスしたあとの8周目時点でトップのハミルトンとの差は11.2秒。その後20周目までにその差は16秒まで開きますが、ハミルトンのペースはずっと1分30秒台。一方ペレスも17周目以降ずっと30秒台キープで走っており、トップ集団との差をキープできていたんですね。ペレスは後半の追い上げがとにかく印象的でしたが、前半のハードでの一貫したレースペースが効いているのは間違い無いところ。

そしてミディアムに履き替えたペレスはプッシュプッシュで、フェラーリマクラーレンより1秒以上速い1分27秒台を連発。ハードでの遅れを最小限に留め、ミディアムのポテンシャルを最大限に引き出した結果の2位フィニッシュ。お見事でした。

他の上位陣は皆中古ミディアム→新品ハードというタイヤストラテジーメルセデスGPは2ストップ作戦でも一度新品ハードに交換)だったワケですが、中古ミディアムのペースが思いの外良くなかった、というコトなのかもしれませんね。結果的に、ペレスの作戦はガッチリとハマったワケです。他にペレスと同じ作戦(新品ハード→新品ミディアムの1ストップ)を取ったのはダンブロジオとヒュルケンベルグだけ。そしてこの2人は、どっちもマシンが万全では無かったんですよね……。

可夢偉可夢偉で悪くないレースっていうか、9位入賞は上等の部類だと思うんですが、まーなんというかチームメイトのストラテジーがハマりすぎてた……ていうか可夢偉にもこういう巡り合わせがそろそろ回ってきても良いと思うんじゃが……日本人ドライバーに一番欠けているのは「運」なのかも。

トラブル多し

ペレスの話ばかり書いてしまいましたが、まーそれでもハミルトンの優勝は鉄板でした。強かったですね。しかし、バトンが燃料系のトラブルでリタイヤ。メルセデスエンジンの泣き所?

そしてレッドブルはまさかのダブルリタイヤ。ベッテルはオルタネーターの故障というコトですが、これフリー走行でも壊れてたみたいですね。

ルノー、オルタネーターの故障でレッドブルに謝罪 : F1通信

ルノーのオルタネーターはマニュエッティ・マレリ(イタリアの老舗電装品メーカー)製というコトで「やっぱりな」と思ったり思わなかったりですが、ともあれこのリタイヤはベッテルにとって痛恨であると同時に、アロンソにとっては大ラッキーなワケです。ドライバーズランキング2位以下がつぶし合う展開になっているワケなので。お陰で、今期未勝利のライコネンがなぜかランキング3位に浮上しているというカオスっぷり。

バトンは今回のリタイヤでアロンソとは78ポイント差、さすがに厳しくなってきたと言わざるを得ません。こうなると、アロンソへの挑戦権を持つのはハミルトン1人というコトになってくるのかも。ライコネンベッテルもハミルトンとポイントはほぼ変わりませんが、マシンの調子的に優勝をコンスタントに狙うのは厳しい。

今年のフェラーリは最強のマシンを手にしているワケではありませんが、こういう混沌としたシーズンこそコンスタントにポイントを稼ぎ続けるコトができるアロンソの強さが際立ってますね。今回のレースもアロンソは予選10番手からスタートして、しっかり表彰台フィニッシュ。一番チャンピオンの獲り方を知っているドライバーの走りですね。

……そういえば今回は特攻野郎マルドナドの名前を全然聞かなかったけど、彼22番手スタートから11番手フィニッシュしてるんですよね。しかも、10位ポイント圏内でフィニッシュしたセナの0.5秒差で。彼もハードタイヤスタートで2ストップ作戦でしたけど、も少し前のグリッドからスタートしていたらどうなっていたか……?