大須は萌えているか?

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なぜハミルトンはメルセデスGPに移籍するのか

F1日本GPを前にして、来季に向けてのシートに変動が。

Hamilton to partner Rosberg at Mercedes in 2013 - The Official F1 Website

ハミルトンがメルセデスGP接触している、という噂はかねてよりありましたが、それが現実のものになったという話。かなりの札束ビンタ攻撃があったという噂もありましたが、どうなんでしょうか。マクラーレンも慰留に努めたみたいですが、及ばず。

なぜハミルトンはマクラーレンを出て行くのか

ただねー、チーム力を考えるとマクラーレンからメルセデスGPに動く理由って無いと思うんですよね。これまでの戦闘力を考えても、完全にマクラーレンのが上じゃないですか。もちろん来年はどうなっているかわからないですけど、マクラーレンがいきなり雑魚になるとも思えないし、マクラーレンは序盤イマイチでもシーズン中盤までに巻き返せる開発力を持っているチームですしね。

今年のマクラーレンはピットがつまらないミスをしたり、マシンの信頼性にやや難があったりもしますが、しかしそれは「トップチームにしては」というレベルの話。今年のコンストラクターズポイントでは現在トップのレッドブルから36ポイント差の2位に付けてますし、メルセデスGPはといえばマクラーレンの約半分のポイントしか稼げていません。

なので、ハミルトンの移籍の理由は純粋なチームのポテンシャルとは違うところにあるんでしょう。ハミルトン自身は「新たな挑戦をすべき時なんだ」とコメントしてますね。

“It is now time for me to take on a fresh challenge and I am very excited to begin a new chapter racing for the Mercedes AMG Petronas Formula One Team,” said Hamilton, who exits McLaren after six seasons.

via: Formula 1 - The Official F1 Website

平たく言えば、ハミルトンから見たマクラーレンの空気が澱んできたから出て行きたくなった、というコトなんだと思いますが。それに、マクラーレンにもエンジンを供給しているメルセデスのチームなら心理的障壁も低そうですしね。

それにしてもですよ、バトンがマクラーレンにやってきたときには、バトンがハミルトンにボコボコにやられて引退するなんて予想をしていた人は居たかと思いますが、バトンがマクラーレンに残り続け、ハミルトンがチームを飛び出していくなんて想像した人居ました?

かつてマクラーレンに移籍したアロンソも、マシンのポテンシャルには満足しつつもチームの文化に馴染めずルノーに戻ってしまいましたが、これだけ長くマクラーレンに在籍したハミルトンもこのような形でチームを飛び出すとはなぁ。

なんとなく思うのは、マクラーレンの「基本チームオーダーは出さない」文化がアダになってしまっているのかなぁと。アロンソのときもルーキー・ハミルトンと争った結果ライコネンに横からタイトルを攫われた格好でしたし、今年のハミルトンもタイトルの可能性を残しながらもチームは「バトンにチームオーダーは出さない」とコメント。公平な競争という意味ではこのマクラーレンの文化は素晴らしいモノですが、タイトルを狙うドライバーにしてみると「綺麗事言ってんじゃねーよ」という話もなるワケで。

片方のドライバーのが明らかに速ければこういう問題もあまり表沙汰にならないんですが、セナとプロストアロンソとハミルトン・ハミルトンとバトンみたいにドライバー同士の実力が拮抗していると、「チームが自分を十分にサポートしてくれない」と思い込みやすくなるのではないかな、と。

メルセデスGPチームオーダーに関する話を契約条項に盛り込んでいるのかは知りませんが、例えばチームメイトとのポイント差が一定以上になったときとかにチームオーダーを出すコトを確約させた、とかはあるんじゃないかなー……と邪推。

なぜマクラーレンはペレスを獲得したのか

そして、マクラーレンの空いたシートにはペレスが座る格好に。

Perez replaces Hamilton at McLaren for 2013 - The Official F1 Website

同日にペレスの移籍が発表されたってコトは、マクラーレンもハミルトン離脱のための保険をちゃんと前々から用意してたってコトなんでしょうね。ペレスはフェラーリじゃないのかよ、ってツッコミたくなりますが、フェラーリが来季の体制を決めかねているウチにマクラーレンが声かけたのかな。んで、ペレスのマクラーレン行きが確定しちゃったから、ここ最近マッサのフェラーリ残留が濃厚、なんて報じられるようになったとか。

マクラーレンの思いとしては、タイプの異なるドライバーを組ませたいというところでしょう。成長途上だけど天性のスピードを持つドライバーと、堅実にポイントを重ねられるドライバー。セナとプロストハッキネンクルサード、ハミルトンとバトン。そしてハミルトンの後釜となると、今年ザウバーで3度の表彰台を獲得してみせているペレスに白羽の矢が立つのは自然な流れです。

アゴ兄さんはどうなるのか

結果的にシートを失う形になったミハエルですが、彼は来季どうなるのか。現実的に考えれば2度目の「引退」をしてメルセデスの幹部にでも就任するのが妥当なとこだと思われます。実際問題年齢的に考えればさすがにこれ以上はちょっと、って感じだし、勝てるポテンシャルを持っているチームのシートはほとんど空きがありません。

フェラーリのセカンドシートはまだ正式発表されてませんが、アロンソのチームメイトがミハエルってのは考えられないでしょう。レッドブルマクラーレンは満席、ルノーはまだ発表されてませんが2人とも残留じゃないですかね。

もし、ミハエルが安い給料で、かつあまり勝てる見込みの無いチームでも良いなら現役続行の目はありますが、果たしてミハエルはそこまで現役にこだわるのか。ペレスの移籍により空きができたザウバー接触しているという話も出ていますが、当然可能性のひとつとして検討はされるでしょうが、まとまる可能性は薄いんじゃないか、というのが私の予想。

シューマッハがF1に残留する唯一の現実的選択肢は、ザウバーへの移籍である。彼のマネージャー、ザビーネ・ケームは、先週末のシンガポールGPでチームの経営陣と話し合っているところを目撃されている。

via: メルセデスがハミルトンとの交渉を進めた理由は、シューマッハの優柔不断 : F1通信

ただし、私の予想はよく外れます。

しかしなんですね、ひょっとすると2006年に続いてミハエルの「鈴鹿ラストラン」を2度も生で観戦するコトになるのかな……?