大須は萌えているか?

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実在の兵器 × 萌えアニメという組み合わせ

今期観てるアニメで『ガールズ&パンツァー』というのがあるんですが、かなりぶっ飛んだ世界観ながらもなかなか面白かったりして。ちなみに「パンツァー」は女子のぱんつが大好きな変態紳士のコトではなく、ドイツ語の「戦車」の方(「Panzerkampfwagen」の略称だそうな)なのでお間違えなきよう。

水島努監督の初のオリジナル作品というのもなかなか興味深いところなんですが、女子高生 × 戦車というわけのわからない組み合わせが目を引くところ。前期やってた『うぽって!!』といい、実在の兵器と萌えアニメを組み合わせるという流れが出来上がりつつあるんですかね?

すごく当てずっぽうなんですけど、こういう流れって「もしドラ」のヒットあたりから来てるのかなぁという気がしてて。つまり、それなりの数の人が興味を持ってはいるんだけど敷居が高そうな感じがして取っ付きにくそうなジャンルを、女の子のイラストとストーリーを組み合わせて取っ付きやすく、わかりやすく紹介するっていう。

男は基本的に兵器に興味を持つコトが多く、銃や戦車の画像を見て「かっこいいなー」と思ったコトある人は多いんじゃないかと思うんですね。ただ、そこからミリタリー方面にのめり込んでいく人って少数派な気がします。なぜかというと、やっぱり兵器って戦争の道具・殺し合いの道具というネガティブなイメージが付きまとうし、ミリタリー方面の知識を極めている方々は頭のネジが飛んでる人が多いイメージ(失礼)があり、なんか首を突っ込むのがためらわれる雰囲気があるんですよね。

ミリヲタと呼ばれるような人たちは知識量が半端無いコトが多く、兵器そのものの知識は当然としてその兵器が使用された戦いについても知っているし、その戦いが起きた歴史的・政治的背景も知っているし、どうしてその兵器がそのようなスペックになったのかという技術的・あるいは経済的背景までも知っているワケです。その兵器を知るためにカバーしている範囲がもの凄く広い。そりゃそんな人らがアレコレ語ってるのを見た日には、「ああ、この世界にはウカツに近づいてはいけないのだな」と痛感せざるを得ないワケです。

でもそうして「興味はあるんだけど首を突っ込めずにいる人」がそれなりに居るならば、敷居の低そうな入口を用意してあげればそれなりの需要が見込めるワケです。そういう意味ではマンガやアニメはちょうど良い媒体。んで、『うぽって!!』も『ガールズ&パンツァー』も、作中に銃器や戦車のちょっとした解説が散りばめてあって、そういった層のニーズを満たす作りになっているなぁと。

そして、作中では女の子達がこれらの兵器を殺し合いの道具ではなく、ルールに則った競技の一環として使用することにより、兵器の持つ血生臭いネガティブなイメージを中和しているワケですね。『うぽって!!』は最後に結構ハードな銃撃戦のシーンもありましたが、結局人死には出なかったしね。「兵器を扱う以上人が死んでなんぼやろ」という向きもありそうですが、「取っ付きやすさ」を重視するならこの設定の方が良いでしょう。

あと付け加えるならば、「ミリタリーに興味がある層」と「深夜アニメ観る層」は結構被ってそう。ミリヲタでアニヲタって方も珍しく無いですし。そういう意味でも、実在の兵器 × 萌えアニメという組み合わせが誕生したのはある意味必然なのかな、と。

ただ、兵器の知識云々を別にしても面白いですけどね。『ガールズ&パンツァー』の公式サイトにある水島監督のコメントを見ると、『のほほんとした「学園もの」「青春もの」と考えてもらうのが一番かと思います。それから、戦車が少し出てきます。』なんて書かれているので、これは「ちょっと戦車が出てくる学園ものアニメ」なんですよね、うん。日本は今日も平和です。