大須は萌えているか?

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F1[12]ブラジルGP 決勝

夜も遅いし、途中である程度レースの行方が見えたらあと録画して寝ようと思ってたのに、結局最後まで観てしまった2012年F1最終戦、ブラジルGP決勝です。

決勝結果:
FORMULA 1 GRANDE PRÊMIO PETROBRAS DO BRASIL 2012 - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - The Official F1 Website

さんれんぱ

F1でワールドチャンピオンになるってコトは、それはもう難しいコトだと思うワケです。ただでさえ世界中から腕の立つドライバーが集まってくるのに加えて、F1ではマシンの戦闘力に偏りがある、即ち一部のトップチームでないとどんなにドライバーの腕が良くても勝てないという現実があるので。

それにそのトップチームだって、毎年常に競争力のあるマシンを用意できるとは限らないワケです。意欲的なコンセプトを取り入れたら大失敗だったとか、保守的な路線を取ったら他のチームに出し抜かれたとか、マシン開発も生き馬の目を抜くような状態。

なので、F1のチャンピオンになろうと思ったらドライバーの腕と、優れたチーム・マシンと、あと運が必要だろうなぁと。でもまぁ、トップチームのシートに座り続けるコトができれば、1回くらいはチャンピオンになれるかもしれない。トップチームに長いこと在籍していてもチャンピオンになれなかったドライバーなんていくらでもいるんですが、それはさておき。

しかし、これを2年連続でやろうと思うとすごく高いハードルになるワケです。ましてや3年連続となると……。

今のF1で言うと、アロンソやハミルトン、ライコネンというスゴイ実力派ドライバーが居ますよね。皆チャンピオン経験者ですが、アロンソは2005~6年に2年連続チャンピオンになったあとはその座から遠ざかってますし、ハミルトンとライコネンはそれぞれ1度チャンピオンになったきりです。誰もが実力を疑わないレベルの彼らでさえ、チャンピオン獲得は容易なコトではない。

ところがまーベッテルときたら。史上最年少でチャンピオン獲ったかと思ったら、あれよあれよと3連覇。もちろん、途中すべてが順風満帆だったワケではありません。最初のチャンピオンもアロンソ有利とみられていた中での逆転劇だったし、今年も前半戦ではレッドブルの戦闘力は伸び悩み、今年のタイトルは難しいと思われていたワケですから。

そしてこのチャンピオン決定の舞台となったインテルラゴスでも、オープニングラップでセナと接触しまさかのスピン。でも、マシンに致命的なところまではダメージを負わずに済み、そこから6位まで追い上げてタイトルを決めた。まさにこのレースでのベッテルは、ドライバーの腕とマシンの戦闘力と運のすべてを持っていた。

実力で言えば、アロンソベッテルに勝っているかもしれません。でも、彼にはマシンの戦闘力だったり、運だったりがベッテルよりちょっと劣ってるんですよね。ハミルトンだってその速さはズバ抜けているのに、このレースでも勝利を掴めなかった。アロンソやハミルトンを見ていると、F1の難しさ、厳しさといったモノを感じずにはいられません。レース後マシンを降りてから、瞬き一つせずに立ち尽くすアロンソを見てなんとも言えない気持ちになりました。

でもね、一方でマシンの上に乗って喜びを爆発させるベッテルを見ると、「あれー、F1って案外ちょろいのかな?」と思えてしまうから困ったモノです。彼は一体どれだけF1の神に愛されているのやら。でもやっぱり、苦しい時間があったからこその、あの喜びなんですけどね。レース前のベッテル、相当厳しい表情してましたしね。

ともあれ記録ずくめのベッテル。F1の最多勝や最多ワールドチャンピオンの記録を持つミハエル・シューマッハが3度目のタイトルを獲得したのは、彼が31歳のとき。でもねー、ベッテルってまだ25歳なんですよね。どこまで突っ走っていくんでしょうか、彼。

ミハエルが引退するレースで、同じドイツ人であるベッテルが3連覇達成。絵に描いたような世代交代のレースでした。ともあれベッテル、史上最年少の3連覇おめでとー!

レースの主役は

しかしこのレース、チャンピオン争いを別にすれば主役だったのはヒュルケンベルグでしょう。ホントに優勝するかと思ったよ。ヒュルケンベルグというと、2010年これまた雨のブラジルでポールポジションを獲得したコトが思い出されますが、彼ブラジルの雨となんでこんなに相性良いんでしょうか。

今回はウェットとドライの狭間の難しいコンディションでしたが、一貫してレースペース良かったですね。セーフティーカー入らなかったらホントに勝ってたかも。ハミルトンとの接触は、まーあのコンディションじゃ仕方ないといったところですね。でもこの走りを見てザウバーはほくそ笑んでるだろうなぁ……。

それから忘れちゃいけないのがマッサ。地元ブラジルで完璧な仕事をやってのけましたね。アロンソのサポート役というところが地元のファンには歯がゆかったんじゃないかと思うんですが、ここ数戦のマッサのパフォーマンスはアロンソを凌ぐ素晴らしいモノだっただけに、来期への期待は高まります。

マシンを降りた後にアロンソと抱き合い、そして地元の表彰台では今期前半の苦しい時期を乗り越えてきたという思いから涙を流し……ああ、なんかやっぱり応援したくなっちゃうな。来年は開幕から飛ばしていこう。

可夢偉はどうなるか

そして最後にまた見せ場を作ってくれた可夢偉。途中の展開を見るにもっと上位を狙えた気もしますが、予選のポジションを考えれば9位入賞は上出来。最後、ミハエルをオーバーテイクしようとして接触しちゃったのは残念でしたね。でも最後まで良く攻めた。

今年の可夢偉の走りを見ていると、歴代の日本人ドライバーの中でも一番良いところまで行ってる気がするんですよね。果敢なオーバーテイクも見せるし、タイヤを労る走りもできるし。なにより、今年の鈴鹿の興奮はたぶん一生忘れられないし。これからまた来期のシートを探すとのことですが、なんとか来年も彼の走りを見たいですね。

ベッテルの運を、可夢偉に少し分けてあげて……。

そのほか

今度こそ(?)F1を引退するミハエルですが、最後のレースを7位でフィニッシュ。ミハエルが1991年、ジョーダンからデビューしたときの予選順位も7位。そして今期のカーナンバーは7で、7回のワールドチャンピオンに輝いた……って本人がコメントしてるんですけども。結構記録好きなのかな。

It’s a strange sort of coincidence that I’ve ended my Formula One career now in P7, which was my first ever qualifying result at Spa-Francorchamps 308 races ago. It also occurs to me that I was driving with the number seven on my car today and that I have seven world championship trophies in my cabinet.

via: Michael Schumacher:Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

ミハエルのF1復帰は成功とは言いがたいものでしたが、図らずもミハエルが復帰してからの3年間、ずっとベッテルがチャンピオンに輝いたワケです。これほどわかりやすい世代交代の絵面も無いワケで、どうぞミハエルは安心して引退なさってくださいませ。

ついでに、迷子になった(?)ライコネンは面白かったですね。

Räikkönen gets lost at Interlagos! - GPUpdate.net

ライコネンによると2001年にはあのルートからコースに復帰できたみたいで、今回も同じコトしようと思ったらゲートが閉まっていてできなかったとのコト。

I know this as I did the same thing in 2001 and the gate was open that year. Somebody closed it this time. Next year I’ll make sure it’s open again.

via: Kimi Raikkonen:Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

「来年は開いていることを確認するつもりだよ」だってさ。

最後の最後に波乱のレースでしたが、これで20戦に渡るF1シーズンも終了。なんだかんだで楽しいシーズンでしたね。また来年も、面白いF1が見られますように。F1ファンの皆様、お疲れ様でした。それではまた来年お会いしましょう。さよなら、サヨナラ。

……あ、このブログは普通に更新しますよ?