大須は萌えているか?

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キャラクターにリアルさは必要か

ラノベに限った話ではなく、オタク向けコンテンツにありがちな話だとは思うんですが。

ぶく速 ラノベの女キャラって「作られた感」が半端ないよな

フィクションの作品に登場するキャラクターってのは制作者によって作られたキャラクターなんだから、「作られた感」があって当然だろという説もあるんですが、ここでスレ主が言いたいのは「読者の快感原則に沿った、あまりにも現実感の無い性格をしているキャラクター」ってコトなのかなと。嫌みなところが一切無いとか、男性主人公に最初から一途に惚れっぱなしとかそういう感じですかね。

でも、こうしたフィクションに登場するキャラクターに皆リアルさを求めた方が良いかというとそういうワケでもないでしょう。いやだって娯楽作品の中でまで生々しい人間関係を見たいなんて人あまり居ないでしょ。お笑い芸人がコントやらずにいきなり観客に向かって説教始めるよーなもんですよ。もちろん、シリアスな世界観の作品だったりすると、やはりある程度のリアリティは欲しくなりますけどね。あ、「リアリティ」は「ウソに説得力を持たせる」程度の意味であって「現実世界に忠実に」って意味じゃないです。

でもでも、じゃあ「萌え豚御用達」とか言われるような作品を全肯定する気になるかとゆーと、そうでもなくて。それはなんでかって言うと、あまりにテンプレ通りというか、テンプレの枠からはみ出さないキャラクターが見受けられるよーな気がするから。

ここで言うテンプレとは、今までのいろんな作品により蓄積されてきたキャラクターの類型とそれに対する共通認識。「クラスメイトのツンデレ」だとか「しっかり者の幼なじみ」だとか「おにいちゃんが大好きな妹」だとか。こうしたテンプレに則ったキャラというのは非常に便利で、細かい設定を作らなくても読者なり視聴者なりが勝手に「こいつはこういうキャラなのね」と理解してくれる。ただ、それって裏を返すと制作側の手抜きにも見えてしまうワケで。

類型的なのがダメってワケじゃないんですけど、「キャラクター」というからにはそこからなんらかの掘り下げが欲しいワケですよ。そのキャラクターなりの個性が。そこがうまく描けているかどうか。ツンデレキャラで髪は金髪ツインテール、身長はやや小柄でそこにコンプレックスを感じている……みたいなキャラだといくらでも居そうな感じ(フィクションの世界的な意味で)ですが、そのコが実は殺し屋だったとなるとそこに個性が出てくるワケじゃないですか。……どうみてもキルミーベイベーです本当にありがとうございました。あ、でもソーニャちゃんはそもそも「デレ」が無いか。

しかし、テンプレに乗っかったままのキャラクターがあれこれ出てきて、なんかどっかで見たようなストーリーが展開されているだけだったりすると「そりゃねーだろ」と思うワケで。それこそ「こういうキャラ出しとけばお前ら満足でしょ?」的な制作者の意図を勘ぐってしまったり。でもそういう作品に限って有名なイラストレーターや声優を起用するなどして、見てくれは良かったりするから困ったモノです。

「どんなにベタでありがちな話やキャラクターでもキャラデザと声とシチュエーションが萌えるなら食いつかずにはいられない」層(いわゆる萌え豚)が一定数はいるから、そういう作品が後から後から出てくるんでしょうけども。でも、そういう作品ってのは「創作」というよりもありものを組み合わせた「パズル」に近く、制作側の「面白い作品を作りたい」という思いが感じられないんですよね。商業作品であるならばビジネスライクな考え方はもちろん必要なんですが、ビジネスライクな考え方「しか」無さそうな作品というのもちょっと。

最近だと有名イラストレーターや声優をウリにしているようなソーシャルゲーとか、ゲロ以下の臭いがプンプンしますね(もちろん、イラストレーターや声優に罪は無いんですが)。

ちなみに私が好きなアニメ『けいおん!』もぱっと見女の子がキャッキャウフフしているだけのアニメですが、アレすごく丁寧にキャラクターを掘り下げてるんですよ。なぜあずにゃんに萌えてしまうかと言えば、一度は軽音部への入部を決意したものの、自分のやりたい音楽、そして自分の居場所というものを真剣に考え悩む彼女の真面目な姿に心打たれたからですよ。決してペロペロしたいとかそういうんじゃないですよ、ええ(^ω^)。