なんか結構荒れたような気がするんですが、レッドブルだけ無風状態というチャンピオンシップ争い的には一番勘弁して欲しいパターンのF1イタリアGP予選です。
予選結果：
FORMULA 1 GRAN PREMIO D'ITALIA 2013 - The Official F1 Website
予選後ドライバーコメント：
Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
予選後記者会見：
FIA post-qualifying press conference - Italy - The Official F1 Website
鉄板のレッドブル
レッドブルとても速かったですね以上。
……いやまぁなんつうか、フリー走行1回目ではハミルトンがトップタイムを記録したものの、その後はベッテルが余裕綽々でトップタイムを並べてますしね。予選でも最小限のタイヤでトップタイムを叩き出しているし、これはまぁどうにもこうにも。
2番手にもウェバーさんが並んでおり、レッドブルは盤石の体制といえるでしょう。マシンの挙動に関しても、テレビ解説陣も皆レッドブルに関してはべた褒めの状態ですし、こりゃマシントラブルでも起きない限りは逆転劇は有り得ない雰囲気。あるいはヨーロッパ最後のF1レースとなるウェバーが突如ご乱心してベッテルを撃墜したりしない限りは。
しかし、ウェバーとベッテルの関係もギクシャクしたままでありながら、チームとしてはそんなコトまるで関係ないようなパフォーマンスを見せつけているのはマネージメントが良い仕事してるんでしょうね。おかげで「スリップストリーム作戦」も使えない状態でしたが、そんなのに頼らなくても全然問題無いくらいの差がありました。
超高速のモンツァではフェラーリやメルセデスでもレッドブルを上回れる可能性は十分ある（ていうかここで上回れなきゃヤバイ）と言われていた中でのこの予選結果は、レッドブルの開発力の凄まじさを感じさせると共にライバルチームを凹ませるには十分だったんじゃないですかね。ちなみにレッドブルのフロントロウ独占は開幕戦以来。
空回りしたフェラーリ
チャンピオンシップではレッドブル＆ベッテルに大差を付けられているフェラーリ、しかしヨーロッパラウンドの最後であり地元であるモンツァで無様な姿を見せるワケにはいかないワケで、それはもう気合い入れまくって望んできたハズ。なんかゲストもたくさん呼んでたし。ベルギーでのパフォーマンスを見て、アロンソは結構良いとこ行けるんじゃないかなーと期待していたんですが、結果は予選5番手。ていうか前にマッサ。
フェラーリはマッサを風よけにしてアロンソにスリップストリームを使わせてタイムを稼ぐ作戦を練習していたようですが、Q3最後の最後でマッサが先行しすぎたため見事に不発。これはドライバーのミスというよりは、無線でお互いの位置を上手く指示してやれなかったピットのミスかなぁ。
アロンソ自身、この有様を見て無線で暴言を吐いたなんていう報道も出てますが、公式のインタビューにおいてアロンソはそれを否定。しかしフェラーリのモンテゼモロはアロンソの発言を受けて激怒し、インタビューも拒否したなんて話も出ているみたいなので穏やかな状況ではなさそう。
イタリアGPの公式予選を終え、イタリア国内メディアがまたフェラーリ・チームの「お家騒動」を伝えている。
それによれば同チームは昨日行われた予選Q3であからさまなスリップストリーム作戦を採りマッサがアロンソを引っ張ったにも関わらず、予選タイムは逆にマッサが上回り、その後アロンソが無線でチームの「失態をなじった」というもの。 具体的にはイタリア語でスタッフに対し「能なし」といった意味の言葉を発したということで、これを聞いたルカ・モンテツェモロ社長(65歳：イタリア)が激怒、予選後のインタビューも拒否したという。
ただアロンソはこれについて「無線報道は前後の文脈が省略されたため誤解を受けたもので、チームにもマッサにも満足している」と、弁解に終始しているとされる。
報じてるのはイタリアのガゼッタ・デロ・スポルトみたいなので、かなり煽り気味に書いてんじゃねーのって気がしなくもないですが。ただまぁ不穏な空気があるのは間違いないんじゃないですかね。フェラーリは近日中に来季のドライバーラインナップを発表するとしていますが、このタイミングでのこの有様はどういう影響があるのか、それとも無いのか、非常に混沌としてまいりました。
いや－、古き良き（？）フェラーリが帰ってきたね。
なぜか速かったヒュルケンベルグ
そして今回一番のダークホースはヒュルケンベルグ。今期予選9番手が最高だったザウバーで、まさかの予選3番手。またモンツァでフェラーリワークスを出し抜いちゃいました。エンジン代金未払い報道なんかもありましたが、その上モンツァでフェラーリに恥をかかせてしまって大丈夫でしょうかザウバー。
しかしまーヒュルケンベルグにしてみればこの上なく良いアピールにはなったでしょうね。一度フェラーリワークスに乗せてみるのも面白いんじゃないかと思いますが。一方でグティエレスはいつもと変わらない辺り（17番手）に沈んで居るワケですが。なんだろうねこの差は……。
トップチームの波乱
そして逆に、メルセデスのハミルトンとロータスの2台は揃ってQ2ノックアウト。
まさか4連続ポールの後にQ2ノックアウトを食らうとは。ハミルトン自身、この原因は自分のミスだとコメントしてますね。Q2最初にパラボリカでコースオフしてしまった際、マシンにダメージを負ってしまったそうで。
I came off at Parabolica on my first run which damaged the car and it was a downward spiral from there really.
via: Lewis Hamilton:Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
それからQ2最後のアタックでは、またパラボリカで今度はスーティルに進路を塞がれタイムロスしてしまうという不運も。ただ、この件については特にコメントしてないですね。大人の配慮というか、なんか発言してまた周囲からいろいろ言われるのがイヤなんだろな。この件でスーティルは3グリッドダウンペナルティ。
Sutil handed three-place grid penalty for impeding Hamilton - The Official F1 Website
決勝ではハミルトンがどこまで巻き返せるかが見所のひとつになりますかねぇ。あとはフェラーリの2台がどう動くか。マッサにしてみても、良いところ見せたいでしょうしねぇ。優勝争いはレッドブルで決まりってコトで。
