大須は萌えているか?

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F1[13] アメリカGP予選

ライコネンが欠場というコトもありますます消化試合ムードが強くなったものの、意外な盛り上がりがあったF1アメリカGP予選。

予選結果:
2013 FORMULA 1 UNITED STATES GRAND PRIX - The Official F1 Website

予選後ドライバーコメント:
Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

予選後記者会見:
FIA post-qualifying press conference - United States - The Official F1 Website

最前列は相変わらず

フロントロウを獲得したのはやっぱりレッドブル。止まりません。しかし最後の最後、ウェバーがポールを獲得するかと思いきやベッテルが大逆転。セクター3のタイムで一気に巻き返しましたね。ウェバーはちょーっとツメが甘かった。そのちょーっとの差がF1では大きいんですけども……。

タイム的にはベッテルが36秒3、ウェバーが36秒4という僅差に対し、3番手のグロージャンは37秒1と相変わらずレッドブル2台が異次元に居ます。今回ウェバーの仕上がりも悪く無さそうなので、せめてベッテル一人旅にならない展開を期待したいところですが。

ベッテルはこのレースでミハエルに並んでいるF1連勝記録を「8」に更新できるかどうかが見所ですが、あんまし簡単に達成されても、ねぇ?年越し・欠場を挟んでの連勝記録という意味では1952年~53年にフェラーリアルベルト・アスカリが記録した9連勝というのがあるんですが(⇒アルベルト・アスカリ - Wikipedia)、一般的に言う「連勝記録」としては8連勝で新記録です。

意外なトップ10

今回の予選はセッション中に風向きが変わったり路面温度が上がらないというコンディションの中、タイヤはハードとミディアムという難儀な状況だったコトもあり、結果として結構波乱含みの順位となりましたね。

グロージャン3番手はそこまで意外ではないですが、4番手にはヒュルケンベルグ。前回アブダビの5番手をさらに上回ってきました。ヒュルケンベルグはこれで5戦連続シングルグリッドという絶好調ぶり。ただ、ここ2戦は決勝の結果に結びついていないので、今回はポイントゲットを期待したいところ。あと来季のシートはどうなる。

ザウバーグティエレスも10番手に食い込みました。やっぱりメキシコに一番近いレースというコトで気合いが入るのかな。これで2度目の予選トップ10。……ただ、Q1において後方から接近するマルドナドに気付かず走路妨害をしたとして、10グリッド降格ペナルティが科されちゃいましたけど。なんだかな。

Gutierrez - who qualified 10th - has been given a 10-place grid penalty for blocking the Williams of Pastor Maldonado and will now start 20th on the grid.

via: Gutierrez and Chilton handed penalties for impeding - The Official F1 Website

もう一人のメキシコ人であるペレスも7番手を獲得。地元に一番近いレース前にマクラーレン放出が決まるというある意味最悪の状況ですが、こちらもF1残留できるかどうかの瀬戸際ですね。トップチームのシートを獲得できても、結果が伴わなければ1年でF1自体に残れるかどうかすら怪しくなってしまうという……。

一方、背中の手術のためラスト2戦欠場を決めたライコネンの代役に指名されたのはコヴァライネン。彼もマクラーレン移籍というチャンスを掴み1勝は上げたものの、その後目立った活躍をするコトができずに2年でマクラーレン離脱。なんとなく今のペレスと境遇が被って見えますが、今回ロータスに乗ってきっちりQ3進出し8番手を獲得するというパフォーマンスを発揮。

ともすれば、このままケーターハムで腐ってっちゃうのかなーとも思っていただけに、今回のロータスからの出走はビッグチャンスですよね。そしてまずは予選できっかり結果を出せるところが素晴らしい。

なぜコヴァライネンが起用されたのか?

……しかし、ロータスにはバルセッキというリザーブドライバーもいるのに、なんでコヴァライネンを起用したのかというのは気になる点です。

シンプルに考えるならば、少しでもポイントを獲得できる可能性のあるドライバーを乗せたいってコトなんでしょうね。とにかくロータスはドライバーのギャラを支払えないくらいの金欠状態なワケで、少しでもお金が欲しい。で、現在コンストラクターズランキング3位のフェラーリとの差が26ポイント。なんとかこれを逆転したいワケです。

なぜかってーと、F1では年間を通した収益から各チームに対して分配金が支払われる仕組みになっているんですが、コンストラクターズランキングに応じて額の増減があり、コンストラクターズ3位と4位では結構な額の違いがあると思われるからです。その辺を取り決めているのがかの「コンコルド協定」というヤツなんですが、その内容は非公開となっているため推測にはなっちゃうんですけどね(⇒コンコルド協定 - Wikipedia)。

なので、ロータスとしてはぶっつけ本番でもそこそこ走れてポイントを獲得できるような、経験と速さを持つドライバーを欲したと。バルセッキは経験が足りないのでNG。で、最初ザウバーヒュルケンベルグに白羽の矢を立て引き抜こうとしたみたいですが、あえなく断られてしまった模様。

「端からは魅力的に聞こえるけれど、残り2レースだけとなるとリスクも伴う。2レース以降のことや何が起こりうるのか考えなければならないしね。だからこの決断に至ったんだ」と、ヒュルケンベルグサーキット・オブ・ジ・アメリカズに集まったリポーターに語った。

「知らないクルマに乗るなんてね…。僕がすぐにロマン(グロージャン)を倒すことを誰も期待していないと思う。彼はいい結果を出しているから、そういう点からもその決断が下されたんだ」

via: ヒュルケンベルグ ロータスのオファーは「リスク高すぎ」 - GPUpdate.net

来期のレギュラーシートも含めてのオファーであればヒュルケンベルグが断る理由は無いと思うんですが、どうやらこの感じだと2レースだけのオファーだったみたいですね。ベネズエラのスポンサーを持っているマルドナドが既に来季のレギュラーに内定しているという話もありますし。じゃあマルドナド引き抜けばいいじゃんという気もしますが、そうしなかったのは契約の問題か、あるいは「マルドナドをポンと乗せたらむしろマシンぶっ壊すリスクのが高いんじゃね?」という判断によるものなのか……。

で、結局経験があって(一応優勝経験者だし)、契約の問題があまり無くて、レースマネジメントに長けていて、ギャラが少なくても乗ってくれるという条件に合致したのがコヴァライネンというコトだったんじゃないですかね。コヴァライネンにしてみれば、契約内容がアレでもレースに出ないコトにはアピールのしようも無いワケですから。

このチームとドライバーがお互いメリットとデメリットを勘案して交渉している様はまさにF1のドロドロさ加減が現れていてステキですねウヒヒヒヒ。

そのほか

あと、今回はウィリアムズのボタスも忘れちゃいかんですね。カナダの3番手は天候に助けられた格好でしたが、今回の9番手は実力でもぎ取ったものですし。決勝はどこまで行けるのか興味深いところ。

来季ウィリアムズへの移籍が決まったマッサは15番手と振るわず。Q1でも危うくノックアウトされるところでしたが。移籍が決まって気が抜けた、というワケでは無いと思いますが、来季メルセデスエンジンが乗るチームに移籍するだけに邪推したくなりますよねウヒヒヒヒ。

背中の痛みを押して出場しているアロンソもQ1は危なかったものの、最終的には6番手を獲得。マッサが計算できなさそうな状態にあって、アロンソメルセデスロータスの位置関係を睨みながらレースをしなければなりません。大変ですね。しかしアロンソ、あまり無理をしてライコネンみたいに後々に響くことにならなければいいんですが。

ライコネンの欠場はフェラーリが糸を引いているなんて噂話まで出ていますが(もちろんコンストラクターズランキングを守るため)、まータイトル決まっちゃったあとはこの手のゴシップ・スキャンダル話に花が咲いてしまうのは致し方ないところなのかもしれません。F1チームの運営に掛かる費用を考えたら、そういうコトがあっても不思議ではない、とは思いますけどね?

謀略渦巻く(?)コンストラクターズ2位~3位争い、最後に笑うのは誰でしょう。