大須は萌えているか?

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読書

意識的に情報を遮断していかないと、頭の中になにも残らない気がしてきた

また最近はF1以外でブログを更新することが極めてまれになっているので、たまにはF1以外の話を書いていきたいと思います。台風が近づいてて家にいるしかないし。 しばらく前に、『News Diet』という本を読んでみたんですけども。 News Dietロルフ・ドベリサ…

ロシア側の論理を垣間見ることができる一冊 『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』

ロシアがウクライナに侵攻した、というニュースが飛び交っている昨今ですが、そういやしばらく前に読んだ本が今の状況を理解するには良い内容だったなあ、というコトを思い出したのでちょっと触れてみます。 「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラ…

東京五輪が揺れている今読むと味わい深い一冊 『オリンピック秘史 120年の覇権と利権』

最近読んだ本のアウトプットを全然していないコトに気がついてしまったので、久しぶりに最近読んだ本の話。今回の本はこちら。 オリンピック秘史: 120年の覇権と利権ジュールズ ボイコフ早川書房 日本語版が発売されたのが2018年とのコトなので、直近の東京…

天皇陵って誰が決めたんだ?を考える2冊 『検証 天皇陵』・『天皇陵古墳を歩く』

先日眺めてたニュースの中に、こんなのがありました。 奈良・中尾山古墳、被葬者が文武天皇と確定的に 八角形墳と確認、全容明らかに - 毎日新聞 これちょっと不思議なニュースで、なんで不思議かというと宮内庁が文武天皇陵としているのはすぐ近くにある別…

俺の弾正がこんなに格好いいわけがない: 今村翔吾『じんかん』を読んだ話

久しぶりに読書ネタ。私はふだんあまり小説を読まない人間で、芥川賞とか直木賞とかのニュースにも大して感心が無いんですが(これでも一応元書店員なのだ)、今回は珍しく直木賞のニュースに興味が湧いたので、第163回直木賞を受賞した馳星周『少年と犬』………

歴史は誰が作るのか、人はどんな歴史を信じるのか……を考える一冊 『椿井文書―日本最大級の偽文書』

以前、『東日流外三郡誌』の偽書騒動に関する顛末をまとめた本を読んだりして(⇒ 人は信じたいものを信じるのだなあ、と痛感する1冊『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』)、偽書の世界も面白いもんだなー(いろんな意味で)と思ったりしたんですが、最…

ネットで「正義の味方」が跋扈する理由を考える一冊 『人は、なぜ他人を許せないのか?』

なんか最近、またネット上の「正義」が暴走して、不適切な発言をした有名人を執拗に攻撃したり、誰かを自殺に追いやったりみたいな話を見かけたりしますが、なんでこんなことが繰り返されるのか?という疑問をお持ちの方には面白いかもしれない一冊。 人は、…

「空気」について考える2冊 『「空気」と「世間」』・『「空気」の研究』

どうやら緊急事態宣言が5月末まで全国一律で延長されるようで、まだしばらく引きこもり生活が続きそうな気配になって参りました。とはいえ、個々人の外出の可否は別に法律でなにか定められているワケではなく、あくまで「自粛」ベースであるコトを考えると、…

愚民共に叡智をさずけることはできるのか、を考える一冊(?) 『遅いインターネット』

どっかのサイトで誰かが言及していたのを見て、なんとなく読んでみた本がこちら。 遅いインターネット(NewsPicks Book)宇野 常寛幻冬舎 著者の宇野常寛は、ネットとかでたまに名前を見かけることあるなー、くらいの認識で、氏の著作を読んだコトはありません…

スマホ・SNS・ゲーム依存について考える2冊『デジタル・ミニマリスト』・『僕らはそれに抵抗できない』

しばらく前に、Kindleで早川書房のセールをやっていたときに買ってみた本。 デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに集中するカル・ニューポート早川書房 タイトルが表しているように、デジタルの世界におけるミニマリストを目指そう、みたいな内容の本…

これはニュータイプの敗北の物語なのか? ~小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

今年映画化されるっていうんで、今更ではありますが小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上・中・下巻)』を読んでみました。この本、『逆襲のシャア』公開後の1989年から1990年の間に角川スニーカー文庫から刊行された作品ですが、今まで読んだコト無…

仏教の歴史をわかりやすく概観できる一冊『別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教』

今年はせめて月イチくらいは読書ネタをブログに書こう、と決めたのに、ぜんぜん書かないまま一月が終わろうとしてしまっているので、慌てて書きます。今回のネタはこちら。 別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した佐々木 閑 …

「カッコいい」がもたらす威力がわかる一冊『「カッコいい」とは何か』

Twitterかなんかで見かけて、ふと興味が湧いて買ってみた一冊。 「カッコいい」とは何か (講談社現代新書)平野 啓一郎講談社 小説家の平野啓一郎が、タイトル通り「カッコいい」という言葉のもつ意味、そのルーツ、そして「カッコいい」と思う気持ちがもたら…

ポピュリズムという言葉の意味を知りたくて読んでみた一冊『ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か』

トランプ政権爆誕以降、「ポピュリズム」って言葉をよく耳にするようになり、最近では日本国内のニュースとしてもよく聞くワードになりつつあったりして。政治には疎いので、「大衆迎合主義」のことをポピュリズムっていうのかなー、くらいの認識しか持って…

日本や中国のモバイル決済・信用ビジネスの概略がわかる2冊『キャッシュレス覇権戦争』と『キャッシュレス国家 「中国新経済」の光と影』

Kindleでたまたま目について購入してみた本。 キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書 574)岩田 昭男NHK出版 2019年の2月に出版された本なので、「ペイペイ祭り」みたいな最近のバーコード決済ブームの話題も書かれてますし、近年の各地に於けるキャッシュレス…

人は信じたいものを信じるのだなあ、と痛感する1冊『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』

知っている人は知っている、知らない人はまったく知らない(読み方もわからない)、『東日流外三郡誌』の顛末についてまとめられている本を読んでみた話。 戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫) 斉藤 光政 集英社 著者の斉藤光政氏は青森を中…

ホーキング博士のAI観が興味深かった1冊『ビッグ・クエスチョン』

理系の素養はまるで無い私ですが、NHKの番組『コズミック フロント☆NEXT』でやってたホーキング博士の回を観て、つい買ってしまった本がこちらになります。 ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう 青木 薫 NHK出版 「車椅子の天才物理学者」スティ…

WEB中心の情報収集について考えさせられる2冊 『集中力はいらない』と『わかりやすさの罠』

最近読んだ新書×2冊の話。まず森博嗣『集中力はいらない』。 集中力はいらない (SB新書)森 博嗣SBクリエイティブ 本のタイトルは少々過激ですが、著者はべつに集中力を全否定しているワケではないです(むしろ集中するコト自体は大事だと言っている)。ただ…

SNSやってる人にはオススメの2冊『ファスト&スロー』と『FACTFULNESS』

しばらく前に読み終えた本の話。どちらの本もWEBを眺めてて知ったものなんですが、このSNS全盛の時代にあって非常に示唆に富む内容の本でした。まず『ファスト&スロー』。 ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクショ…

Kindleのメリット・デメリット、あるいは紙の本を買う条件

定期的に話題に上っている気もする、電子書籍と紙の書籍のメリット・デメリットのお話。 電子書籍にはメリットしかないはず はてなブックマーク - 電子書籍にはメリットしかないはず 自分は電子書籍ストアはKindleだけ使っている状態なので、電子書籍=Kindl…

清水潔『殺人犯はそこにいる』『桶川ストーカー殺人事件』を読んだ話

Amazonのプライムビデオで配信されているドラマの筋書きが、過去に出版されたノンフィクション作品の内容と酷似しているというコトで騒ぎになっているようで。 新潮社、Amazonドラマ「チェイス」配信中止要請 『殺人犯はそこにいる』と酷似 - ITmedia NEWS …

『JKハルは異世界で娼婦になった』を読んだ(ネタバレ無し)

先日読んでみた小説。 JKハルは異世界で娼婦になったクリエーター情報なし早川書房 元々は「小説家になろう」派生サイトの「ムーンライトノベルズ」(女性向け18禁小説サイト、リンクは自粛)に投稿されていた作品みたいですが、しばらく前にTwitterでちらほ…

ヨッピーの『明日クビになっても大丈夫!』を読んでみた

WEBでちらほらと話題を見かけていたので、なんとなくKindle版読んでみました。 明日クビになっても大丈夫! (幻冬舎単行本)クリエーター情報なし幻冬舎 タイトルだけ見ると、仕事との接し方に悩むサラリーマン全般に向けて書かれているような感じがしますが…

UFOビリーバーと表現規制論

初めて国書刊行会の本を買ってしまったのですが。 定本 何かが空を飛んでいるクリエーター情報なし国書刊行会 タイトルからなんとなく推察できるように、UFO現象や、その他諸々のオカルト的事象についてのコラムがまとめられた本になります。元々、UFO現象に…

大塚明夫『声優魂』を読んだ

面白いとの評判を聞いて、星海社新書から出ている大塚明夫著『声優魂』を読んでみました。 声優魂 (星海社新書)クリエーター情報なし講談社 面白かったです。 ホントに最初から最後まで声優になるのはやめとけと言いっ放しの内容で、それゆえ非常にスタンス…

吉村昭『戦艦武蔵』と『陸奥爆沈』を読んでみた

G/Wに長崎を訪れた際、三菱重工長崎造船所なんかを見て「いつになったら艦これで武蔵を建造できるようになるのかな……」なんてコトに思いを馳せていたところ、同行していた荒川茂樹氏(仮名・東京在住)が「武蔵に興味があるならば吉村昭の『戦艦武蔵』は読ん…

京極夏彦『遠野物語remix』が面白かった

また最近読んだ本の話。Kindle版の『遠野物語remix』を読んでみたら、コレがなかなか面白くって。 遠野物語remixクリエーター情報なし角川学芸出版 『遠野物語』といえば柳田國男の名著として知られていますが、これはその『遠野物語』を京極夏彦が「リミッ…

戦車のこと全く知らないので解説書を買ってみた

元々ミリタリー関係には興味が無かった私なんですが、ガルパン観てその後の大洗に足を運んでしまい、また大洗に同行した荒川茂樹氏(仮名・東京在住・戦車マニア)の話を聞くにつけ、なんとなく戦車に少し興味が湧いてしまったため、初心者が知識を得るのに…

伝記『スティーブ・ジョブズ』を読んで

今さらではあるんですが、ジョブズの伝記を読んだ話。 上巻発売当初、電子書籍版を買おうかとも思ったんですが、単体アプリ版が存在せず、どっかの電子ブックストアのID取ってどーたらこーたらしなくてはならないみたいなので、めんどくさくなり紙の本を買っ…

伝記『スティーブ・ジョブズ』を買ってみた

ジョブズの伝記(上巻)、買いました。講談社から出た和訳のハードカバー。 こちらの記事なんかでDisられてた表紙の装丁については、「帯を取ればおk」という非常に予定調和なオチがついてなによりな感じです。 ただ、日本語版は上下巻分冊で合計4,000円く…