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映画館で『西部警察』観てきた ~「戦慄のカーニバル」編

先日、言わずと知れた昭和の傑作バイオレンス刑事ドラマ『西部警察』のシリーズ全話を収録したBDボックスが発売されるというニュースを見かけまして。西部警察って放送開始からもう35年も経つんですね。

放送開始35周年、「西部警察」全236話収録50枚組BD-BOX発売。ショットガンケース入り総重量7.5kgで約20万円 - AV Watch

全236話という圧倒的なボリュームを考えれば20万円という値付けもアリなのかな、という気がしないでもありませんが、そうおいそれと払える金額ではありません。何より、買ったところでコレちゃんと観るのかと言われれば、まず間違いなく観ないと思われます。買っただけで安心しちゃって。

確かに西部警察って内容が内容だけに近年再放送されるコトもなく、私もむかーし観た記憶が残っている程度なのでちゃんと見直してみたいなぁという気持ちはあるんですけどね。

んで、上記のニュース記事からリンクされていた石原プロのDVD・BD情報ページに飛んでみたら、『放送開始35周年 全国縦断!西部警察スペシャル上映会』なんてイベントが告知されておりまして。

ついに、スクリーンへ! 西部警察スペシャル上映会 決定!|石原プロモーションDVDシリーズ|株式会社ポニーキャニオン

どうやら名古屋でも上映があるらしい&名古屋の上映日がこの記事チェックした日の翌日だった、という。11月28日に六本木ヒルズで松田刑事(寺尾聡)殉職回と人気投票にて選ばれた回を上映、その後12月1日・8日・15日に全国各地でご当地ロケ回を上映するという流れ。そういや西部警察PART-ⅡからⅢにかけて、全国縦断ロケやってたんですよねぇ。

そして名古屋で上映されるのはPART-Ⅱ第37話「戦慄のカーニバル -名古屋篇-」と第38話「決戦・地獄の要塞 -名古屋篇-」の2話。名古屋で「地獄の要塞」って一体……。名古屋のご当地ロケ回ってちゃんと観た記憶が無いので、これも何かの縁と行ってみるコトにしました。場所は港区のTOHOシネマズ名古屋ベイシティ。劇場はさすがに満員とはいきませんが、数十人の人が観に来てました。

そして観た感想なんですが……いややはり西部警察ってスゴイなと。もうホントやりすぎなくらいのカーアクションと爆発。そして清々しいくらいわかりやすいスポンサータイアップ。全国縦断ロケは特に気合い入っているとは聞いていましたが、これ毎週放送するドラマのやるこっちゃないですよね。あまりにも面白かったので、各話掘り下げて内容を書いてみたいと思います。まずは「戦慄のカーニバル -名古屋篇-」から。

いきなり死体

まず話が始まってすぐのタイミングで、西部署の前に死体が投げ捨てられます。最近のヌルい映画やドラマに慣れきっている身としては大いに面食らいますが、西部署ではこれくらい日常茶飯事なのでしょう。

死体の身元は西部署の婦警。その後犯人と思われる男から電話があり、大門たちが以前捕まえた半沢という宝石強盗を釈放し、その時盗んだ宝石と一緒に引き渡すコトを要求。従わなければ、さらに死体を送りつけると。確認したところ、西部署の婦警がもう一人行方不明となっており、大門たちは犯人が本気であるコトを悟る。

大門が「ブタ箱の半沢を叩け」と命じ、取調室で刑事2人がかりで半沢を締め上げ、彼に強盗を依頼した土屋というブローカーの存在を吐かせる。容疑者だろうがなんだろうが遠慮無く締め上げるのも西部署では当たり前の流儀です。ただし、電話の声は土屋ではないとのこと。

電話の音を詳細に解析した結果、後ろで流れているラジオ番組が名古屋ローカルのものであるコトが判明。土屋が潜伏しているのも名古屋とのコトで、大門軍団は名古屋へ向かう。PART-Ⅱ中盤の話なので、すでにスーパーZやマシンRSが登場済み。名古屋への移動もサイレン鳴らしっぱなしで高速を大名行列で爆走していきます。大門軍団なので当然です。

名古屋入り早々に銃撃戦&カーチェイス

名古屋到着早々、沖田刑事(三浦友和)らが土屋の自宅を当たるももぬけの殻。ただ、部屋の中に日産の新車パンフレットがあれこれあったため日産ディーラーへ聞き込み。すると女と一緒に来店していたという証言と、過去に車を購入していたため顧客情報から女の住所も判明。日産自動車は言わずと知れた西部警察のスポンサー。

団地住まいの女の部屋に潜伏していた土屋、踏み込んできた沖田らと銃撃戦。団地の狭い部屋の中で躊躇わず銃撃戦やっちゃう辺りがステキ。その後逃走した土屋は車を奪って逃走。沖田らもたまたま道端で整備していたエンケイ(ホイールメーカー。大門軍団の車両のホイールを提供)のデモカーを拝借しその後を追う。助手席に乗り込んだ平尾刑事(峰竜太)、「いやー良い足回りですね!」と絶賛。

その後のカーチェイスで土屋は車ごと池にダイブし重傷。この物語の前半部分だけでも西部警察のエッセンスが濃縮されている感じがしますね。「飛ばしすぎだろコレ……」って心配になるくらい。

時代を感じる長島温泉

物語の折り返し、名古屋の捜査本部で指揮を執る大門の元に再び犯人から電話があり、半沢と宝石の引き渡しを再度要求。電話越しに監禁されている婦警の声を聞かされ、やむを得ず犯人の要求を飲むことに。半沢の身柄は東京から木暮課長(石原裕次郎)が護送。犯人は半沢に宝石を入れたアタッシュケースを持たせ、長島温泉の中の電話ボックス前に立たせるよう指示。長島温泉は三重県ですが。

ちなみに、長島は今でも遊園地・アウトレットを中心とした東海地方の一大レジャー施設として賑わっております。今では伊勢湾岸道も通り交通の便も良くなってますが、劇中で見る30年前の長島温泉は周辺かなり田舎。でも大混雑でプールは芋洗状態というのは現在と変わらないようです。

この長島の混雑ぶりを見た鳩村刑事(舘ひろし)が「東洋のディズニーランドだな」というシーンがありますが、この時はまだ東京ディズニーランドがオープンしてなかったんですね……(ちょうどこの話がオンエアされた1ヶ月半ほど後にオープン)。鳩村はアメリカ帰りの刑事なので、ディズニーランドのコトを知っていたというワケです。これも時代を感じるセリフだなぁ……今長島温泉のコトを「東洋のディズニーランド」なんて言ったらぽかーんとされちゃうよね……。

犯人の狙いは長島に訪れる大量の客に紛れて半沢から宝石を回収するコト。場内の公衆電話から宝石入りアタッシュケースを持たせた半沢を解放させるよう指示し、警察の目から逃れさせようとする犯人。大門は事前に名古屋テレビ西部警察を放送していたテレビ朝日系列局)の中継車を呼び寄せており、場内各所に設置したテレビカメラの映像を中継車からチェックし半沢を追跡。大門、モニターを凝視する時でもレイバンは外しません

その後一度は半沢を見失うも、ゲームセンター内で発見し身柄を拘束。拘束する際には当然ボコボコにぶん殴ります。大門軍団なので仕方ありません。

しかし、半沢は既に真犯人と接触し、アタッシュケースはダミーにすり替えられていた。同じ頃、カーチェイスの果てに意識不明となって病院で手術を受けていた土屋の意識が回復し、さっそく締め上げて真犯人グループの正体を吐かせることに成功。大事故から意識を取り戻したばかりの人間を締め上げて吐かせるのも、大門軍団では当たり前のコトです。

長島温泉大爆発

長島温泉の出入り口は警察が封鎖していたものの、犯人グループは遊園地のイベント用に仮装された車で場内を移動し、別の仲間が強奪した遊覧飛行用のヘリに合流し逃げる算段だった。それを察知した大門軍団、遊園地内で犯人の車とパトカー入り乱れてのカーチェイスをおっ始める(事前に一般客は避難誘導済み)。

大門軍団の車に加え大量の白黒パトカーも捕り物に参戦するも、ゴミ箱に乗り上げて横転した挙げ句爆発炎上したり、屋台に突っ込んで木っ端みじんにしてしまうなど、警察自身が散々な破壊活動っぷり。犯人グループも逃走しながら手榴弾をまき散らして至るところで爆発そして爆発。いくら客を避難させてるゆーても、こんなに爆発しまくったのでは当分遊園地の営業できませんよね……?

そしてスーパーZで先回りした大門、ショットガンで犯人グループのドライバーを狙い撃ち。コントロールを失った車はそのまま池に飛び込み、しかもなぜか大門が撃ってもいない車両後部が爆発炎上。とりあえず爆発させとけっていう、当時の西部警察のポリシーが窺えます。

これで一件落着かと思いきや、大門軍団も池に飛び込み犯人グループを救出……ではなく車から引きずり出しボコボコにぶん殴ります。もう車が爆発炎上した時点で犯人に抵抗する余力なんて無かったんじゃないかと思いますが、最後まで徹底的にボコるという大門軍団のポリシーが光りますね。

ちなみに犯人グループのボスを演じていたのは、ウルトラマンのハヤタ隊員でお馴染み黒部進。まさかハヤタと大門のガチバトルが見られるとは……(大門の圧勝)。

地方ロケ篇というコトもあってか、「これぞ西部警察」っていうシーンの目白押しで非常に満足できるエピソードでした。30年前の長島温泉も今となっては貴重な映像ですしね。エンディングでは大門軍団が各々長島温泉の各所で飲み食いしたり遊んだりする映像が流れ、ロケ地のPRにも余念がありませんでした。ここまでわかりやすいタイアップだとむしろ清々しいというかなんというか。

そして、この後のエピソードではさらにシリーズ屈指となる爆破シーンがあるワケでして……。

続く。