大須は萌えているか?

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映画館で『西部警察』観てきた ~「地獄の要塞」編

前回(映画館で『西部警察』観てきた ~「戦慄のカーニバル」編)に続き、劇場で観た西部警察名古屋ロケ編の話。今回は、続けて上映された「決戦・地獄の要塞 -名古屋篇-」のご紹介。なお、記憶を頼りに書いているのでディテールが異なっている可能性があります。認識違いあればツッコミ願います。

いきなり射殺

都内数カ所で精巧な偽札が使用される事件が発生。そのうち、「みどりの窓口」で偽札を使用した男が名古屋行きの切符を買ったとのこと。一方、愛知県でも同様の偽札事件が起き、なぜか西部署に対し捜査員の派遣要請が来る。大門は鳩村刑事(舘ひろし)に名古屋行きを命じる。ちなみに鳩村は愛知県出身という設定(演じる舘ひろしも愛知県出身)。

バイクで愛知県警本部にやってきた鳩村に、一人の男が「あんた刑事だろ?」と声をかける。この時鳩村はライダースーツ姿だったのだが、なぜ刑事と分かったのかは不明。鳩村は、声をかけてきた男が「みどりの窓口」で偽札を使用したという男のモンタージュそっくりであるコトに気付く。どうやら男は何者かに追われているらしく、鳩村に助けを求める。

その直後、県警本部前に横付けしてきた車からマシンガンを持った男が身を乗り出し機銃掃射。モンタージュの男死亡。警察の目の前でマシンガンによる射殺事件が起きるってニューヨークも真っ青な無法都市っぷりですが、ここ名古屋です。銃撃犯の車はそのまま逃走。

そ鳩村は死亡した男がなにかを手の中に握っているコトに気付く。それは「ステーキのあさくま」のマッチだった。……「ステーキのあさくま」は名古屋に本拠を構えるステーキ店のチェーンで、今も存在してます。ところで普通、飲食店でマッチもらったらポケットにしまうなりしそうなものですけど、なんで手に持ったままだったんだろう……。

あさくま爆発

鳩村は「あさくま」に手がかりがあると睨み、あさくま本部に聞き込みに向かう。モンタージュの男が手にしていたマッチは全店共通のもので、どの店のものかは分からないという。その後名古屋市内の「あさくま」を聞き込みに回る鳩村の元に、先ほどマシンガンで襲撃してきた車が「あさくま」藤ヶ丘店の駐車場で発見されたとの一報が届く。

さっそく藤ヶ丘店に向かった鳩村。店内に入り、様子を窺うため客のフリをして席に座る。そこに注文を取りに来た店員が、偶然にも鳩村の幼馴染み・清水陽子だった。陽子は鳩村が歌手か俳優になると行って東京に行ったきり連絡も寄越さなかったとなじる。なんで刑事になったんだ鳩村。

そして陽子自身も歌手を志しているのか、近日長島温泉で行われる「あさくま」主催のステージイベントで歌うコトになっているのだという。ぜひ歌を聴きに来て欲しいという陽子を適当にあしらっている時、鳩村は不自然に聞こえてくる時計の秒針の音に気付く。非常にわかりやすい時限爆弾の演出ですね。

店内の客に対し「伏せろ!」と叫ぶ鳩村、その直後「あさくま」大爆発。これ、実際の店舗使って撮影したらしいですが……ガラスや壁かなり豪快に吹き飛ばしてます。「あさくま」も協力的すぎだろう……。しかし、幸い鳩村も陽子も無事だった。なお店内の客には負傷者が出た模様。犯人の狙いは鳩村なのか、それとも。

大門軍団合流

その頃、西部署では木暮課長(石原裕次郎)が大門に新たな偽札が暴力団の事務所から見つかったコトを伝えていた。名古屋で刷った偽札を、額面の半額で暴力団に売りさばいているグループがいるらしい。殺されたモンタージュの男のさらなる情報も手に入り、元々は名古屋で印刷工として働いていたものの、最近逃げるように東京にやってきたのだという。

木暮と大門は、男は偽札造りを手伝っていたものの嫌気が差し、東京へ逃げ出したところ追っ手が来たため名古屋に戻り自首しようとしたのではないか、と推論。ていうか、自首するなら別に警視庁でも良い気がするけど。

偽札事件の本拠を叩くため、鳩村以外の大門軍団も皆名古屋入り。鳩村と合流する。さっそくモンタージュの男が住んでいたというアパートに踏み込む軍団メンバー。部屋の中では子供が一人で絵を描いていた。部屋の中に土足で上がり込んだ挙げ句、子供の絵を踏んでしまう鳩村。子供マジギレ。その絵には、廃工場と煙突が描かれていた。

確認したところ、そのアパートに住んでいるのは皆印刷関係の職歴を持つ人間ばかりというコトが判明。しかも、大門軍団が踏み込んだときには子供以外皆行方をくらましていた。それを聞いた大門、このアパートに集められた印刷工が皆偽札作りに駆り出された挙句、どこかに監禁されている可能性を疑う。

さらに射殺

その後、また「あさくま」の別の店舗にて女性店員と客が1人ずつ狙撃により射殺される事件が発生。これにより、犯人の狙いは鳩村ではなく「あさくま」の店員であると考え、大門らは「あさくま」本部に再び聞き込みに訪れる。

「あさくま」本部で射殺された店員が写っている写真(屋外で撮影されたもの)を確認していた大門が、背景にモンタージュの男が写り込んでいるコトに気付く。その写真は犬山へ社員旅行に行った際に撮影されたものだという。……犬山って名古屋から名鉄で30分そこそこで着いてしまうような場所なんですが。ずいぶん近場な社員旅行で……。

写真が撮影された場所を特定するべく、社員旅行のコースを辿る軍団メンバー。明治村日本モンキーパークを当たってみるも、写真の場所は見つけられなかった。そしてホテルに掲示してあるポスターでリトルワールドというオープン前の施設があるコトを知った軍団メンバーは念のためとリトルワールドを訪れる。

……モンキーパーク、リトルワールドは名鉄子会社が運営しているテーマパーク、明治村名鉄が設立資金を出し公益財団法人明治村が運営する野外博物館。どれも愛知県内ではそれなりに知られた場所で、犬山の観光地フルコースといった趣です。この当時リトルワールドはまだオープン前だったんですねぇ。

聞き込みをしたところ、確かにオープン前でも良いから中を少し見せて欲しいと言って入場した2人組みがいるとのこと。そして写真を撮影したのは、鳩村の幼馴染み・陽子であることが判明。写真を撮影した陽子の身も危険だと判断した鳩村らは、陽子の勤務先店舗へ急行(爆破された藤ヶ丘店から転属になった模様)。そして店では、運送業者に化けていた犯人グループが陽子を襲おうとしているところだった。

絶妙なタイミングで鳩村らが店内に乱入し、銃撃戦の末に犯人グループを倒す。しかし、店外に逃れた陽子は、待ち伏せていた犯人グループのボスが運転する車にはねられ大怪我を負ってしまう。陽子をはねた車はそのまま逃走するが、沖田刑事(三浦友和)は逃走する車にエンケイ(前回も登場した西部警察のスポンサー)のステッカーが貼られているのを目撃する。

鳩村監禁

鳩村は逃走する車をバイクで追跡。しかし犯人は逃走しながら手榴弾をばらまき、鳩村は転倒してしまい犯人を取り逃がす。しかし、すぐ近くに見覚えのある廃工場と煙突があるコトに気付く。それは以前踏み込んだモンタージュの男の部屋にあった、子供の絵の風景と一致していた。

廃工場内に忍び込む鳩村。すると中には、偽札製造用の印刷機と、段ボールに詰め込まれた大量の偽札があった。しかし、そこで武装した犯人グループに取り囲まれ、煙突の真横にある狭い部屋に監禁されてしまう。その部屋には、行方不明になっていた印刷工らも監禁されていた。

鳩村からの連絡が無いことを心配した大門軍団、犯人のアジトを探すために情報収集。沖田は犯人の車が装着していたエンケイのホイールが名古屋市内のごく限られた店でしか売られていないことを掴み、その線から犯人の追跡を行う。一報、大門は意識を回復した陽子の元を訪れ、彼女がリトルワールドで写真を撮った際モンタージュの男ともう一人男がおり、それが陽子が行きつけのバーのマスターであることを聞き出す。

……つまりはこのバーのマスターが偽札造りの黒幕で、印刷工であるモンタージュの男と仲違いしてたところを目撃した陽子らを消そうとしたんでしょうけど……そもそもなんでオープン前のリトルワールドでケンカしてたのか、また写真を撮った陽子とその被写体のコを殺すのになんで店舗での勤務中なんていう目立つタイミングを狙ったのかは不明。普通なら一人で居るところを狙うよなぁ(ヒント:タイアップ)。

諸々の情報を総合し、大門は犯人のアジトが庄内川沿いにあると断定。軍団メンバーは川沿いの堤防の捜索を行う。その頃鳩村は、自身と監禁されている印刷工全員の服を脱がせ、火を付けて煙突から煙を立てる。廃工場の煙突から煙が立っているコトを不審に思った大門軍団、そこが犯人のアジトであるコトに気付く。

煙突倒壊

犯人グループもアジトの場所が警察に嗅ぎつけられたコトに気付き、警察を迎撃しアジトを破棄することに。大門軍団が所轄のパトカーも引き連れつつ工場を包囲する一方で、完全武装の犯人グループがそれを迎え撃つ格好になる。

犯人グループは拳銃どころかマシンガンやロケットランチャーで武装しており、もはやヤクザどころか軍隊レベル。それに対し拳銃で挑む大門軍団。大門はヘリに乗り込み、上空からショットガンをぶっ放しまくる。

犯人グループのロケットランチャーにより、次々と爆発炎上するパトカー。……もはや自衛隊呼んだほうが良さそうなレベルですが、その程度では大門軍団怯みません。

また、犯人グループは廃工場の煙突の根元に時限爆弾を仕掛け、監禁している鳩村や印刷工もろとも証拠隠滅しようとしていた。上空からその時限爆弾を見つけ、軍団メンバーに強行突入を命じる大門。……これほとんど「死んでこい」と言ってるようなもんじゃないかと思うんですが。

パトカーを廃工場に突っ込ませ強行突入する大門軍団。大門自身もヘリから降り突入。犯人グループを情け容赦なく撃ちまくり。急所を外しているようにも見えませんが、なにせ相手は凶悪極まりない武装集団なので正当防衛になるのでしょうきっと。

劣勢を悟った犯人グループのボスは時限爆弾の起爆スイッチを手にするも、そこでばったり大門に出くわしてショットガンをお見舞いされる。軍団メンバーは爆破タイムリミットぎりぎりで鳩村らが監禁されている部屋を発見。ドアの錠前をショットガンで破壊し、他の軍団メンバーに「お前らは先に離れろ!」と命じる大門。やだステキ。

軍団メンバーは監禁されていた印刷工を連れて工場を脱出。しかし大門と鳩村の姿が見えないまま時限爆弾が起爆、煙突が倒壊し、工場の建物とその脇に停まっていた警察車両を見事に粉砕。

……このシーンは西部警察の中でもそうそう無い規模の爆破シーンですね。こんなキレイに煙突倒すのは難しいんじゃないかと思うんですが、犯人グループ内に発破解体のプロでもいたんでしょうか。まー、普通に考えたら監禁部屋や印刷機に直接爆弾仕掛けるよね……。

大門と鳩村の身を案じる軍団メンバー、そこ爆破の土煙の中から鳩村と大門が姿を現す。まぁそんなこったろうとは思った。

鳩村オンステージ

事件は一件落着したものの、車にはねられた陽子の怪我は快復しないまま「あさくま」主催の長島温泉イベントの日を迎える。車椅子でイベント会場を訪れるも、歌うことは叶わず残念がる陽子を見て、おもむろに鳩村がステージに上がり歌を披露。いいのか地方公務員

……このシーン、実際凄い数の観客が映ってるんですが、西部警察の地方ロケ時にはロケ地へのお礼も兼ねてキャストによるファンイベントを開催していたそうで、このシーンもそのイベントのワンシーンを劇中で使用しているみたい。

にしても、イベントの規模もすごく大掛かりで、映画館でコレ観てるとふつーに「劇場版」だと言われても信じちゃいますよ。

そんなこんなで

スクリーンで観る西部警察、堪能させていただきました。とにかくテレビドラマとは思えぬ派手な映像なので、映画館で観てもまったく違和感ありませんでしたね。

しかしこうして名古屋ロケ編の2話を観てみた限りで言うと、ドラマの作りとしてはとてもオーソドックスというか、起承転結のハッキリした作りだなぁと。まず誰かが死んで、犯人追いかけて、場面転換して再捜査、そしてクライマックスみたいな。

これもしBDボックス買ってシリーズ全話延々観たりしたら、先の展開どんどん読めるようになっちゃいそう。むしろ、時代劇みたくそうしたお約束の展開を楽しむべき作品ですね。

あとはアクションシーンと爆破シーンを偏重するドラマの性格上、ストーリー展開にいろいろツッコミどころが多いため、物語の整合性などは気にせず勢いを堪能するのが吉です。

近年は教育上の配慮とかナントカにより、特にテレビで放映されるような作品は暴力描写や過剰なアクションシーンなどは避けられるようになってますが、しかしこの西部警察がオンエアされてた当時多感な中学・高校生だった世代が今40代後半~50代となって社会を動かしているワケで、そういう意味では別にそこまで規制せんでもええやんという気がしないでもありません。

今テレビでやってる『キルラキル』なんかもそうですけど、物語としては割と無茶苦茶なんだけど勢いだけはとにかくスゴイ、みたいな作品もっと観たいなぁ。