大須は萌えているか?

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不満は誰にでも言えるもんじゃない

このニュースに関連して、というよりは一般論として考えたいんですけど。

会社側によると、阿部容疑者の2012年度の給与は11年度と同水準だったが、13年度は賞与の査定の結果、減額になったという。会社側は「特別大きな不満があったとは聞いていない。勤務態度もまじめだった」とする。

via: 阿部容疑者、「給料安い」と口癖のように不満 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「不満があったとは聞いていない」という言葉がありますが、「相手の不満を聞き出す」って結構大変だと思うんですよ。

いや誰彼構わず不満をぶちまけられるタイプの人なら何の問題も無いんですが(それはそれでアレな人である場合が多いですが)、そういう人って多数派では無いと思うんですね。大抵は、相手を選んで不満をこぼすんじゃないかと思うんですよ。

じゃあどういう基準で相手を選ぶかっていうと、「この人なら自分の話をきちんと聞いてくれる」と思える人とか、あるいは直接自分の利害関係に無い人。前者は例えば家族や長い付き合いの友人、後者は例えば匿名で書き込むSNSとかが該当するかな。

不満を言う時になにを恐れるかって、「そんなの不満のうちに入らない」とか「イヤなら辞めれば?」とか「よろしい、ならば戦争だ」みたいに共感どころか不満そのものを否定されてしまうこと。自分としてはどうにも納得いかないのに、それを取り合ってもらえないのは余計に不満が溜まるし、「言っても無駄なんだ」と思ってしまう。

ましてや相手が職場の上司だったりすると、不満をぶちまけることで自分の立場を危うくする恐れが出てくるワケで。そう考えると、おいそれと不満なんて言えない。契約社員派遣社員みたいに、切られやすい立場なら尚更。

逆に上司として部下の不満を吸い上げようとした場合、部下が「この人は話を聞いてくれる」と思えるだけの信頼関係が築けていることが重要になってくるのではないかな、と。もちろんそんなもんがすぐ築けたらなんの苦労もないワケですが。

少なくとも期末の面談とかで「なんか仕事上の問題とか待遇について言いたいことある?」とか尋ねる程度じゃなかなか真の問題を炙り出すコトなんてできないと思うのです。

そういう意味じゃ、上司が部下を連れて飲みに行くってのは、部下の本音をぶっちゃけさせる場としての機能も果たしていたところもあるワケですが。しかし、近年はそういう業務時間外まで職場の人間関係を引きずるコトが忌避されているコトもあり、人心掌握の下手な管理職は部下の本音を知らぬまま、問題が顕在化したときには完全に手遅れになっている……なーんてコトになりやすくなってんのかなぁと。

それなりの規模の企業だと、直属の上司に言いづらいことの相談や公益通報のための窓口を設けてたりもしますが、某オリ○パスみたくそういうとこにタレこんでも報復人事を発動させるような会社もありますしね……。