大須は萌えているか?

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F1[14]中国GP 決勝

ドライになればそりゃメルセデス強いよね。F1中国GP決勝。

決勝結果:
2014 FORMULA 1 UBS CHINESE GRAND PRIX - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - China - The Official F1 Website

3連勝

マレーシアGP、バーレーンGPに続き、ハミルトンが3連勝達成。ハミルトン自身、F1では初の3連勝とのこと。なんかハミルトンって3連勝くらいとっくに達成していたかと思いきや、まだだったんですね。ていうか、ベッテルが今までぽんぽん連勝しまくってたせいで「3連勝くらい普通じゃね?」みたいな感覚に陥ってしまっていたのですが、F1で3連勝って相当難しいコトですからね、ええ。

ベッテル以外で近年3連勝を達成したドライバーを探そうと思うと……えー……2009年ブラウンGPでバトンが達成したくらい?ていうかもう5年前だし!

正直今回のトップ争いはハミルトンの独壇場だったため、ほぼ見所はありませんでした。ロズベルグもスタートで出遅れたもののその後は順調に巻き返し、これまた3戦連続の1-2フィニッシュ。やっぱりまだまだドライコンディションのレースでメルセデスに勝てるチームは存在しないというコトがよくわかる展開でした。

ハミルトン今シーズン3度目のポールから3連勝で今季3勝目にして上海通算3勝目を挙げ、ロズベルグとの1-2フィニッシュも3回連続という「3」づくしのレースとなったワケですね。

Three is the magic number for Hamilton and Mercedes - The Official F1 Website

ちなみに↑のF1公式サイトの記事によると、3連続1-2フィニッシュは2004年のフェラーリ以来、開幕から4戦全周回リードラップを記録したのは1992年のウィリアムズ以来だそうな。いずれも、フェラーリとウィリアムズが圧倒的な強さでタイトルを獲得したシーズンですね。

メルセデスのアドバンテージはパワーユニットの構造そのものにある(⇒メルセデス2014年パワーユニット: 側面図 : F1通信)とされ、かつワークスチームたるメルセデスGPはそのパワーユニットを最も効率的な配置でマウントしているという話。それゆえ、他チームが今シーズン中にそれをコピーするのは難しいとされており、ちょっとやそっとじゃこの優位性は揺るぎそうにありません。

逆にいうと、ルノーパワーユニット搭載チームとしてはレッドブルかなり頑張っているとは思うんですが……。

やっと表彰台のフェラーリ

そういや、今回はアロンソが今季初表彰台を獲得。決勝もパッとしないんだろなぁと思っていただけに、レッドブルの追撃を振り切っての3位は正直意外でした。川井ちゃん曰く、中国は燃費をあんま気にしなくて良いコースだから、それがフェラーリに有利に働いたんじゃないか……と。

実際この表彰台がコース特性に助けられてのものなのかどうかは次戦以降の戦いぶりを見れば分かるコトだとは思うんですが、さすがにこのまま沈みっぱなしというワケにもいきませんしね。ていうか、やっぱりアロンソは大したもんですね。最後リカルドに追いつかれるかと思ったんですが、きっちりペースメイキングして付け入る隙を与えなかったですし。

一方で、パッとしないまま8位でレースを終えたライコネンが気がかりですが。今季の最高位が開幕戦の7位というのはあまりにお寒い成績ですし。これならロータスの方がマシだった……いや、今季のロータスの戦闘力はもっとアレだし、給料払ってくれないチームに居ても仕方無いしな……。

レッドブル同士の戦い

予選でベッテルの前に立ったリカルドですが、決勝ではスタートでベッテルが先行する形に。しかし第2スティントでリカルドがベッテルに追いつき、ペースに勝るリカルドを先に行かせるようピットがベッテルに指示。ベッテルはしばらく譲る素振りを見せなかったため「お、無視しちゃうのか?」と思っちゃったりもしましたが、その後1コーナーで譲りリカルドを先行させました。

F1公式サイトのインタビュー記事では、「リカルドには道を譲ったの?それともコーナーをワイドに行き過ぎちゃったの?」という質問に対し、ベッテルは「譲ったんだよ。ただ、最初なんで譲らなきゃいけないのかわからなかった。バーレーンとは違って同じタイヤだったし、だから譲る理由をもう一度ピットに確認したんだ。その時ダニエルは違う作戦(2ストップ)を取っていて、僕は譲らなきゃないけないことを理解した。その時僕は3ストップ作戦を取っていて、その後2ストップに変更したんだ」と説明。

I did move over. Although initially I did not understand why (I had to) because we were on the same tyres, unlike in Bahrain, and that was also the reason why I double-checked when I got the call from the pit wall. At that point Daniel (Ricciardo) was on a different strategy, and I realised that I had to move over, as there was no point of holding him back with him having a two-stop strategy. At that point in time I was still on a three-stop, which we changed later on, also to a two-stop strategy.

via: Sebastian Vettel Q&A: I’m fighting with the car - The Official F1 Website

まー本来は3ストップ作戦なら、余計に2ストップ作戦のリカルドを突き放していなくてはいけないとは思うんですが……まー結果的に、1回目のピットストップを引き延ばして、慎重なタイヤマネージメントをしていたリカルドの方がペースが良かったというコトですね。

その後ベッテルはリカルドの後ろを追走し、「俺別にそんなに遅いワケじゃねーし!」と言いたげではあったものの、その後じりじり離され、最終的には単独5位がやっと。ベッテルにしてみれば、予選・決勝通してチームメイトに「完敗」を喫したレースとなりました。

実際問題としてレッドブル移籍後のリカルドの成長は目覚ましいものがあり、一方でベッテルは一新された今年のマシンの扱いに明らかに手こずっています。去年までのベッテルなら、勝負どころでチームメイトを圧倒するようなラップタイムをぽぽぽぽーんと連発できていたのに、今年はそのパターンに持ち込めないんですよね。

いやー、実際リカルドが成長しているとはいえ、去年までのマシンであればベッテル負けてなかったと思うんですよね。ベッテルが戸惑っているポイントがパワーユニットにあるのか、はたまたブレーキのクセにあるのか、複合的な要因なのか……にも寄りますが、ポイントはいかにベッテルが今年のマシンの「ツボ」を掴めるかなのかなぁと思います。

去年までのマシンではものすごく高次元なところでマシンの性能を引き出していただけに、マシンのクセが一気に変わった今年はその反動がデカいんじゃないのかなぁと。

珍事

それから今回のレース、中継の最中は全然気付かなかったんですが、本来の周回数(56周)より早い周回(55周)の段階でチェッカーフラッグが掲示されてしまっていたみたいで、結果として54周レースとなってしまいました。

Result declared at end of Lap 54/56, in accordance with Article 43.2 of sporting regulations (chequered flag was shown to leader at end of Lap 55).

via: 2014 FORMULA 1 UBS CHINESE GRAND PRIX - The Official F1 Website

54周でレース終了の根拠とされているスポーティングレギュレーション43条5項によりますと、

いかなる理由にせよ先頭車両が所定の周回数を完走する前、または規定の時間が経過する前にレース終了の合図が出された場合は、その合図が出される前に先頭車両がラインを最後に横切った時点でレースは終了したものとみなされる。

via: 2013FIAフォーミュラ1世界選手権規則書 競技規則(2013.7.12付)日本語版(PDF)

55周目終わりの先頭車両にチェッカーが掲示された場合、その前に先頭車両がフィニッシュラインを横切った時点=54周目でレース終了というコト。「いかなる理由にせよ」とわざわざ断っていますので、「間違えて掲示しちゃった」場合でもレース終了。……なかなか無いよねぇ、こんな珍事……。

ゴールのタイミングが繰り上がったコトで大きな順位変動があるワケでは無いんですが、小林可夢偉が56周目にマルシャのビアンキをぶち抜いたのが結果的にパーになりました。元々ポイント圏外の争いではありますが、元々ポイント争いから縁が遠い中でコンストラクターズ10位を争うマルシャとケーターハムにとってみれば割と切実な問題です。

なんでこんなミスをしてしまったのかようわかりませんが、「中国人が可夢偉オーバーテイクを台無しにした」とかって一部界隈では話題になっちゃったりするのかもしれません。……しかしこれ、もし前戦バーレーンみたいに最後まで白熱のトップ争いが繰り広げられているようなレースだったら、世界中から大ブーイングだよね……。

大失速

少し上昇の兆しが見られたフェラーリとは対照的に、マクラーレンの影の薄さがどうにも気になりますね。開幕から2戦はバトン、マグヌッセンともにポイント圏内に居たハズなんですが、その後急減速。今回のレースもトラブルがあったというワケではなく、純粋にスピードが無かったというのだから大問題です。

タイヤ交換のミスで大幅に順位を落としたマッサを別にすると、メルセデス勢の中ではぶっちぎりに遅い。フォースインディアの方が遥かに速い。ていうかヒュルケンベルグ今回も6位入賞してますねすごいですね。

ヨーロッパラウンドでの巻き返しを期待したいですが、ちょっと心配ですね。来年ホンダと組むときにはまともなマシン作れているんでしょうか。ホンダがアロンソを欲しがっているという噂も根強いですが、さすがに今のマクラーレンに移籍するくらいならフェラーリのがマシだよね。

お次はいよいよヨーロッパラウンド開幕戦のスペイン。間にゴールデンウィークを挟むので、F1ネタはしばしお休みですね。連休は艦これだけで終わらないようにしたいところです。