大須は萌えているか?

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F1[14]カナダGP 決勝

このコースはやはり波乱を呼び寄せるのか……F1カナダGP決勝。

決勝結果:
The Official F1 Website - FORMULA 1 GRAND PRIX DU CANADA 2014

決勝後ドライバーコメント:
The Official F1 Website - Headlines - Race - selected team and driver quotes

決勝後記者会見:
The Official F1 Website - Headlines - FIA post-race press conference - Canada

ついに連勝が止まった

とうとう止まりましたね、メルセデスの連勝。予選までの流れを見る限り、ここカナダでもメルセデスの勝利は安泰かと思っていたんですが。

とはいえ、もちろん今のメルセデスがガチバトルで負けるハズはなく、敗因はメカニカルトラブル。しかも、ハミルトンとロズベルグの二人がほぼ同じタイミングでトラブルを起こしたというんだから、ある意味メルセデスの品質管理ってすげーなーと変に感心してしまいました。

トラブルを起こしたのはパワーユニットの中でも運動エネルギーの回生を行うMGU-Kで、これがダメになったというコトはパワーアシストが一切行えなくなったというコトです(熱エネルギーの回生を行うMGU-Hは直接アシストするコトができない)。そうなると、当然自慢のパワーがガタ落ちとなり、ストレートでオーバーテイクされやすくなるワケで。

それと、MGU-Kによる回生が行われなくなるというコトは、ブレーキング時の回生による抵抗が無くなっちゃうので、ブレーキにも大きな影響を与えます。ハミルトンのブレーキトラブルはMGU-Kのトラブルから連鎖的に引き起こされたモノだと、メルセデスのパディ・ロウもコメントしてます。

We then experienced a near-simultaneous failure of the MGU-K on both cars just after half distance, which was apparently caused by an issue in the high-voltage Control Electronics which manage the MGU-K. This meant both cars lost hybrid power from this point onwards and, without the additional braking force of the MGU-K, this also put a much higher load on the rear brakes. Lewis then suffered a complete rear brake failure after his second pit stop, which was a consequence of the MGU-K fault.

via: The Official F1 Website - Headlines - Race - selected team and driver quotes : Paddy Lowe

長いストレートを持つ典型的なストップ&ゴーサーキットで、しかも気温が上がってパワーユニットに負荷が掛かりやすいコンディションだったというのもありそうですが……しかし他のメルセデスカスタマーは特に影響なさげで、ワークスの2台のみ揃ってトラブルに見舞われたというのは興味深いですねぇ。

しかし逆にいうと、この状態でロズベルグはよく2位フィニッシュできたもんだ、という話でもあります。一度ラップタイムを落としながらも、その後はペレスとトントンくらいのタイムで粘ってましたしね。ライバルであるハミルトンがリタイヤしたレースでの2位フィニッシュは、勝ちに等しいと言って良いでしょう。

これでロズベルグはハミルトンに22ポイントのリードを築いた格好。さて、ハミルトンはどう巻き返す?もちろん、これで終わるハミルトンのワケはないでしょうし。でも、ロズベルグはハミルトンに傾いていた流れを一気に引き戻しましたね。

リカルド初優勝

そして、そのメルセデスの連勝を止めてみせたのがレッドブルのリカルド。まーこれまでもメルセデスの2台を除けば最速、みたいな状況は多かったので、ある意味メルセデス以外では一番優勝に近いところに居たんですが。でも、今回はウィリアムズが速さを発揮してたり、1ストップ作戦を採用したペレスが目の前で粘っていたりと、どうにもすんなりと行かないレースだっただけに、この優勝は結構な驚きでしたね。

ていうか、今シーズンが開幕する前に、レッドブルのシーズン初勝利をベッテルでは無くリカルドが挙げるなんて予想できなかった……。でもホントにこれ、チームにとっては値千金の優勝ですよね。数少ない「メルセデスが2台ともトラブったレース」をモノにするチャンスはなかなか無いでしょうし。

普段からナイスガイのリカルドだけに、優勝後のリアクションもなんか嬉しさが伝わってくるようで良かったですねぇ。リカルドはこの勝利でベッテルに19ポイントのリード。もし今季、ベッテルがドライバーズランキングでリカルドに負けるようなコトがあったら……って、割とその可能性も否定できなくなってきたような気が。

やっぱりすんなり行かないウィリアムズ

今回のレース、最後まで数秒の間に上位5台がひしめくという大接戦となり、「メルセデスがトラブるだけでこんなに盛り上がるんだなぁ……」などと思っちゃったりしておりましたが、その接戦の最後の最後、ペレスとマッサが1コーナーのブレーキングで接触し、大クラッシュするというシーンがありましたね。

あわやベッテルも巻き込む多重事故になるところでしたが、ベッテルは奇跡的にすり抜けた格好。で、この事故を巡ってはペレスに対して次戦5グリッドダウンペナルティが科されるコトに。

The Official F1 Website - Headlines - Perez, Chilton penalised for Montreal collisions

フォースインディア側はマッサ側に非があると訴えているようですが、VTRを見る限りではペレスがマッサの居る側に対してラインを変更しているように見えます。

Massa, Pérez crash in Montreal - GPUpdate.net

さすがにマッサがそこに居るコトはわかっていただろうし、このペナルティは妥当ではないかと。マッサは「5グリッドダウンでも手ぬるい」みたいなコト言って怒ってるみたいですけどね?

ウィリアムズは表彰台どころか優勝すら視野に入りそうなペースだっただけに残念なところですが、最後の最後にこうなっちゃうのがある意味ウィリアムズ&マッサらしいという気も……。マッサは1ストップで行くのかとも思ったんですけどね。ただ、レースペース的にタイヤが持たないと判断したんでしょうね。

そういう意味では、フォースインディアは唯一1ストップ作戦で成功しそうだった……んですけど。ヒュルケンベルグが入賞してるんで、一応成功?

そのほか

最終リザルトを見て何気に驚くのが、4位入賞を果たしているバトン。いつの間に。ただ、アプリで彼のラップタイム追ってみると、最終スティントやたら速いんですよね。なんかよくわかんないな、マクラーレンは……。

今回はオープニングラップでマルシャが同士討ちとなり、ケーターハムにもチャンスあるか?と思いきや、こちらもあっさりダブルリタイヤ。可夢偉のマシンは、走行中にトラックロッドが折れるという珍奇なトラブルに見舞われたみたいで。

「リタイアしてマシンを降りて見たら、リヤのトラックロッドがポッキリ折れていた。トラックロッドがあんな感じで折れるなんて、経験したことがないから、思わず笑ってしまった」という。

via: 可夢偉の決勝:「思わず笑ってしまった」トラブル - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

なんかもう、だいぶボロボロですねケーターハム。可夢偉を応援しようにもこれではなぁ……。