大須は萌えているか?

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F1[14]ドイツGP 予選

メルセデスの地元、ドイツGP。今年の勢いを考えたら、当然のように勝ちたいところですよねぇ。

予選結果:
The Official F1 Website - FORMULA 1 GROSSER PREIS SANTANDER VON DEUTSCHLAND 2014

予選後ドライバーコメント:
The Official F1 Website - Headlines - FIA post-qualifying press conference - Germany

予選後記者会見:
The Official F1 Website - Headlines - FIA post-qualifying press conference - Germany

FRIC禁止の影響は?

ドイツGPが始まる前に、なぜかシーズン途中の今になって急にFRICがレギュレーションに違反しているのではないか、という話が持ち上がり、各チームともドイツGP以降FRICの使用を取りやめるというニュースが出てましたね。全チームが合意できれば、今年いっぱいは合法的にFRICを使用可能というオプションもあったんですけど、当然全チームが合意なんてするハズもなく(FRICがアドバンテージになってないチームもあるので)。

FRICとは「Front to Rear Inter Connected」の略称とされ、前後のダンパーを連結させてマシンの車高を一定に保ち、安定したダウンフォースを得るという仕組み。

で、このFRICを元々開発したのはロータス。かつて開発した「マスダンパー」をいきなりレギュレーション違反にされてしまった後に、新たに開発したのがこのFRICだったそうですが……また同じような運命を辿るコトになってしまいました。

そして現状、このFRICKの完成度を高め大きなアドバンテージにしていると言われていたのがメルセデスGPであり、これが実質禁止されるコトによりどれくらいパフォーマンスに影響が及ぶのか、というのがこのドイツでの見所のひとつ。

今回ハミルトンはマシントラブルによりQ2最後尾となってしまいましたが、ロズベルグはポールを獲得。これだけ見るとまだメルセデスの優位は動いていないようですが、2番手のボタスとの差はわずかコンマ2秒ちょいという、1ミスで逆転もあり得た差。

まーこの結果がFRICの影響とは断言できませんが、特に他の外的要因が見当たらない状態でここまでメルセデスが予選で苦戦したのは今シーズン初めてではないでしょうか。ロズベルグ自身、「FRIC無くてセットアップを大幅に修正しなきゃいけなかった」みたいなコメントしてますね。

That was a quite challenging Qualifying session. The option tyre lasts only for one quick lap and without FRIC we had a lot do adjust the set-up.

via: The Official F1 Website - Headlines - Qualifying - selected team and driver quotes : Nico Rosberg

FRICの元祖、ロータスも予選はグロージャン15番手、マルドナド19番手と低迷。まー割といつも通りじゃね?という説もあるんですが。グロージャンは「我々のチームは初期の頃からFRICKを使っていたから、これを外すのはとても大きな変更なんだ」みたいなコメントしてます。

We’ve just lost some downforce. The team were one of the first ones to use the interlinked suspension system so removing it is a big change.

via: The Official F1 Website - Headlines - Qualifying - selected team and driver quotes : Romain Grosjean

ドイツの予選結果だけで判断するのは早計かもしれませんが、影響の大きいチームと少ないチーム、むしろアドバンテージになるチーム……とFRICによる悲喜こもごもがありそうな気配。ちなみに、「メルセデス」としてF1ドイツGPを勝利するコトができれば、1954年ファン・マヌエル・ファンジオメルセデスW196で優勝して以来の60年ぶりの勝利ってコトになりますね。

予選でツいてないハミルトン

しかしまーFRICが禁止されたとはいえ、メルセデスのフロントロウ独占が順当な結果だろう……と思っていたんですが、ハミルトンがQ1でまさかのクラッシュ。ブレーキが突然効かなくなったとハミルトンが訴え、チームが調査したところによるとブレーキディスクの破損が原因だったようです。

彼はクラッシュ直後のチームの問いかけに、ブレーキトラブルの可能性を伝えていたが、調査を行ったメルセデスは、右フロントのブレーキディスクが破損していたことをボスのトト・ウォルフが認めた。

via: ルイスのクラッシュ原因はブレーキディスクの破損 - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

ブレーキバイワイヤや回生システムのトラブルによりブレーキバランスがおかしくなったのかな、とか想像したりしたんですが、ある意味シンプルなトラブルだったようで。AUTOSPORTの記事によれば、ハミルトンの判断で土曜の朝にブレーキディスクをカーボンインダストリーからブレンボに交換し、その後このトラブルが発生したとのコト。

チームは予選後、緊急ミーティングを開いて、予選でトラブルに見舞われたブレンボ製のブレーキディスクの使用を断念。チームメイトのロズベルグと同じカーボンインダストリー製に戻すことを決定した。ただし、今回の問題はブレーキの変更を行ったハミルトンに原因があったわけではなく、「ふたりともグランプリごとに2種類のディスクを試して、自分のドライビングスタイルに合う方を選んでいる」と、偶発的な事故だったと説明している。

via: GP直送:ハミルトンが選択した、破損のブレーキ - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

レースごとに複数メーカーのディスクを選んで使っているんですねぇ、知らなかった。あとはハミルトンのディスク変更がペナルティ無しで実施できるかどうかという問題があるワケですが、どちらにせよ順位的には厳しいところからのスタートとなります。イギリスといいこのドイツといい、ここんとこハミルトンは予選で運に恵まれませんねぇ……。レースの出走自体は問題無いみたいで、そこは不幸中の幸いでした。

ウィリアムズは本物か?

それから気になるのが、ロズベルグの後ろに付けたウィリアムズ。オーストリアではタイミングに恵まれたコトもありフロントロウ独占を果たし、今回もロズベルグに肉薄するタイムでの2・3番手はお見事。

予算規模で言うとトップチームからはかなり見劣りすると思われるウィリアムズですが、このシーズン中盤に向けて調子を上げてきている感じがしますね。こういうシーズン通してのマシン開発のマネジメントの上手さというか、その辺はさすが老舗チームという感じ。

決勝でもメルセデスとかなり勝負できるんじゃないかって気がしますが、あとはウィリアムズがどこまで「本気で勝ちに来るか」ですよね。オーストリアみたいなレースではなくて、もっとアグレッシブな戦略を期待したいところ。

もしシーズン後半にかけてもこのペースを維持できるのであれば、フェラーリはおろかレッドブルともコンストラクターズで争えるかも?ウィリアムズにとっては、シーズン後半への試金石となるレースになるかも。