先のロシアGPで可夢偉のマシンをマイレージせいげ……いやさブレーキのオーバーヒートという名目でリタイヤさせたりもして、なんだか露骨にヤバげな雰囲気が漂っていたケーターハムF1チームですが、どうやらいよいよホントにヤバイみたいですね。
まず水曜日頃にケーターハムに部品を供給する会社、という位置づけにあるケーターハム・スポーツ・リミテッド(CSL)が会社再建手続きに入った、というニュースが。ただし、この会社はF1チームとは別組織であり、グランプリへの参戦には影響無い……という話でした。
ケータハムのサプライヤーが再建手続へ「F1チームに影響なし」 - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)
んが、結局管財人との解決策の妥結ができず、週末になってケーターハムのファクトリーは管財人の手によりクローズされてしまっているみたいで。
ケータハムF1チームのサプライヤーであるケータハム・スポーツ・リミテッド (CSL) に対し再建手続が適用され管財人が指名された。
管財人とケータハムは話し合いを行ったものの、解決策において合意に至らず、管財人は木曜、リーフィールドのファクトリーからスタッフを締め出した。
来週のアメリカGPに向け、土曜にマシンを送り出す予定となっているが、管財人は納得行く提案がなされない限りファクトリーを開放するつもりはなく、従ってスタッフがマシンに触れることができない。
当然、来週末のアメリカGPに向けての準備もできるワケも無く。
そしてCSLの再建手続きのニュースと前後して、今年の6月にケーターハムF1チームを買収したはずの新オーナー(「エンゲーベスト」という名前のスイス・中東の投資家グループだそうな)は前オーナーのトニー・フェルナンデスが株式を譲渡していないと主張。
一方、フェルナンデス側も声明を出し、チームの売却契約の中に、従業員や債権者に対する支払いをすべて済ませるコトが譲渡条件として盛り込まれており、これが履行されていない、と。
フェルナンデスは、契約では従業員や債権者への支払いがなされない限り、株式の譲渡を行う義務はないと定められており、この条件に応じるよう再三要求したにもかかわらず、新オーナー側は従わなかったと述べている。
「スイスの“エンゲーベスト”という名称の会社に対し、以下の前提で誠実に株式を売却することに合意した。その前提とは、エンゲーベストがスタッフを含む現在および将来の債権者への支払いを行うことである」とフェルナンデス。
えーと、てことはまだチームの株式はフェルナンデスが保有しているってコトなんですよね?じゃあ、売却自体できてないってコトなんじゃん?
その後、エンゲーベスト側は売却の条件は履行済み、と主張。完全に双方の言い分が食い違っちゃいました。
先行して発表したわれわれの声明は今も有効だ。売買合意に関してエンゲーベストが責任を負うの全ての先行条件は履行済みだ。フェルナンデス氏を含む売り手側が義務を果たさなかったに過ぎない。全ての給料は支払われた。
完全な泥沼ですね。そして結局、ケーターハムF1チームの運営権自体が管財人の手に渡った、とのこと。ここまでが今週入ってから3~4日の間の話なんで、なんとも目まぐるしい話。まー会社が潰れるときってそんなもんですかね。
「昨日の夜、中央ヨーロッパ標準時の21時55分、ケータハム・スポーツ・リミテッドの管財人とトニー・フェルナンデス氏が関連するエクシム銀行の弁護士の依頼を受けて、1MRT/ケータハムF1チームの代表者は、チーム運営と次戦に向けた準備の継続のため管財人のフィンバー・オコンネル氏にケータハムF1チームの経営を引き渡すため全ての権限に合意した」と、声明文は述べている。
状況的に、アメリカGPにケーターハムが姿を現す可能性は限りなく低そうですね。可夢偉にとっても非常に残念な結末ではありますが、参戦できたとしても最後まで走らせてくれないわ、予備パーツも無いからやっつけ修理しかできないわという状態のチームで走ってもねぇ。
F1のテールエンドに居るチームで走るというのはこういうリスクもある、というコトで……それでも、例えばリザーブドライバーとして待機しているよりは、例えポイントゲットすら難しいようなチームでも実戦で走った方がマシ、という見方もありますし、一概に良い/悪いとは言えないのがまた難しいところ。
実はマルシャもアメリカGPに参戦できないんじゃないか、なんて噂も出てきてますが、仮にそうなると参戦台数としては18台になってしまい、随分とガレージが寂しいコトになりそうです。F1で参戦台数が20台を割り込むなんていつ以来?
来季からの1チーム3カー体制の話、俄に現実味を帯びてきた感じがしますねぇ。