大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[15] オーストリアGP 予選

なんか締まらないポール争いでした、F1オーストリアGP予選。

メルセデス双方自爆

今回の予選はQ1時点ではややウェットコンディションとなっており、そこからじわじわ路面が改善していくイヤらしい状況でしたね。こういう状況では波乱が起きやすいかなー、とも思ったりしたんですが、メルセデスの2台に関しては油断するコトなく高めの目標タイムを設定し、無難にQ3へと進出。

タイム的にはセッティングの違いからか、セクター1ではハミルトンが速く、セクター2・3ではロズベルグが有利な傾向にあり、トータルではロズベルグの方がやや優勢な状態。テクニカルセクションではハミルトンのマシンはアンダーが強くて辛そう。しかしQ3最初のアタックではハミルトンがセクター2・3ともロズベルグを上回ってトップタイム、勝負は最後のアタックへ。

しかし最終アタックでハミルトンは1コーナーでまさかのスピン。去年も予選の最後にスピンしていたよね、ハミルトン……?しかしコレでロズベルグのポール確定か、と思いきや、ロズベルグまで最終コーナーでコースオフ。おお、なんたる失態!

ここで去年みたくウイリアムズあたりがスパーンと好タイムを叩き出してポールを奪ったりしたらそれはそれで面白かったんですが、今年はウイリアムズもフェラーリメルセデスを追い詰めるだけの力がありませんでした。なんだか締まらないオチが付いてしまった予選ですが、まぁこういうコトもあるんだなぁ……。

ロズベルグはアタック中にスクリーン表示で自分のタイムペースを見て、そこからタイムを意識し過ぎちゃったみたいですね。なんかつくづく目の前のランに集中できないタイプですね、彼は……。元々速いドライバーだけに勿体ないですが、こういうところを見てしまうとチャンピオンの器ではないなぁ、と思ってしまったり。

レッドブルマクラーレンのグリッドダウンペナルティ祭

レッドブルのホームコースと言えるオーストリアGPで、レッドブルは2台とも5基目のパワーユニット構成要素を投入したためにそれぞれ10グリッドダウンペナルティ。そしてマクラーレンに至っては、2台とも複数のPU構成要素の交換とアロンソのギヤボックス交換でそれぞれ25グリッドダウン(合わせて50グリッド!)という意味不明な勢いのグリッドダウンペナルティを科されることとなりました。

ここでちょっとPU絡みのグリッドダウンペナルティについておさらいしておくと、2015年はPUを構成する6つの要素(ICE、MGU-K、MGU-H、ES、TC、CE)を年間各4基まではペナルティ無しで使用可能。

そして、初めて5基目の構成要素を投入すると、10グリッドダウン。例えば、ICEだけ5基目を投入して、後はまだ4基目という場合は10グリッド降格ってコトになりますね。

そこから、さらに他の構成要素についても5基目を投入した場合、1つの構成要素につき5グリッドダウン。ICEに加えてMGU-K、MGU-Hも交換……となると、ICEの10グリッドに加えて、MGU-K/Hが各5グリッドダウンとなり、合計20グリッドダウンとなります。

これが6基目以降になっても同じ話で、いずれかの構成要素について初めて6基目を投入すると10グリッドダウン、それ以外は各5グリッドダウン、という形。

ただ、2014年では消化しきれなかったグリッドダウンペナルティは次戦に持ち越す、と決められていたんですが、2015年のレギュレーションではこれを廃止。代わりに、消化しきれなかった分を決勝でのペナルティに置き換えるコトになっています。

  • 1~5グリッド分の未消化:5秒タイムペナルティ
  • 6~10グリッド分の未消化:10秒タイムペナルティ
  • 11~20グリッド分の未消化:ドライブスルーペナルティ
  • 20グリッド超の未消化:10秒ストップ&ゴーペナルティ

これを踏まえて、どうせペナルティを喰らうならいくつかの構成要素をまとめて投入してしまって、1つのレースを諦めて次戦以降のレースに望みを託す、という作戦も考えられるワケですね。

さらに言うなら、ペナルティを喰らうのは最初から自チームのマシンが苦手としているコースの方が望ましい。最初から上位を争える見込みの薄いコースは捨ててしまって新パーツを投入し、得意なコースで勝負するという発想。

その辺まで考慮して、レッドブルマクラーレンはPUの交換に踏み切ったんでしょう。しかし、このレースがまだ8戦目というコトを考えると、まだこれから継続的にこうしたPU交換によるペナルティを喰らう可能性が濃厚なワケで……。

スターティンググリッドは予選8番手のクビアトが15番手スタート(リカルド、アロンソ、バトンの降格もあるので10グリッドダウンから3つ繰り上がり)となりレース中のペナルティは無し、予選14番手のリカルドは18番手スタート(10グリッドダウンしようにも20台しか居ない&アロンソ、バトンの降格で2つ繰り上がり)で4グリッドダウン分未消化となるので5秒のタイムペナルティになるかな?これは最初のピットストップ時に5秒余分に静止するコトで消化する格好になります。

マクラーレンは予選15番手のアロンソが19番手スタート(バトンの降格で1つ繰り上がり)で20グリッドダウン分未消化となりドライブスルーペナルティ、予選17番手のバトンは20番手スタートとなり22グリッド分未消化となるため10ストップ&ゴーペナルティになるんじゃないかと思います。アロンソはQ2進出したコトで、タイムロスを最小限には留めた格好。

しかしまー、総じてメルセデスユーザーにとっては笑いが止まらない展開ではあります。いやホントに、来季のシーズン中のPU開発は認めてあげてやってくださいメルセデスさん。これだけ性能に差が付いちゃってる現状はメーカーの責任とはいえ、技術開発を進めるタイミングまで制限されては巻き返すモノも巻き返せない。

ホンダ贔屓の目を差し引いても、マクラーレンのブーリエのコメントには頷いてしまいますよ。

規則は尊重しなければならないが、ジェンソンとフェルナンドというふたりの王者をグリッド最後尾からスタートさせるというのは、F1にとって悲しいことだと思う。

他のエンジンマニュファクチャラーは3年の開発期間を経た後でも苦労している。F1のコミュニティーは今(パワーユニットのペナルティ規則について)再考すべきだ。あまりにも厳しくあまりにも野心的すぎる。

via: マクラーレン「規則再考を。王者が最後尾は悲しい」/オーストリアGP土曜 - F1ニュース AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

いやまぁ、ホントにドイツの科学力はスゴイよなぁ……F1のメルセデスル・マンのポルシェとアウディを見ていると冗談抜きでその開発能力の凄まじさには圧倒されます。

そのほか

ル・マンを制したヒュルケンベルグの予選5番手はお見事でした。ここから上昇気流に乗れるでしょうか。

あとQ1で轟沈したライコネンはピットからの連絡ミスがあったみたいで、そろそろこのライコネンの担当エンジニアのクビが飛ばないか心配です。しかし形はどうであれ、こういう成績が「ライコネン離脱」の噂を加速させるモノであるコトも間違いなさそう。