大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[15] イギリスGP 決勝

たぶん裏でやってたドラマ版デスノートの30倍くらい面白かったんじゃないかと思われる(推測)、F1イギリスGP決勝。

意外なトップ争い

とにかく、スタートとレース後半の雨がカギになりましたね。ふつーにメルセデス同士がトップを争う展開になるかと思いきや、スタートで2台のウイリアムズが抜群のスタートを見せて1-2体制。この時点でかなりビックリ。1台だけでなく、1-2ですからね。

ただ、ボタスが膨らんだ隙を突いてすかさずハミルトンが2位を奪い返し、その直後ロータスマクラーレンの多重クラッシュの影響でセーフティーカーランに。ここでハミルトンはマッサの後ろに張り付き、セーフティーカーランが終わった瞬間にトップ奪取を狙うも、冷えたタイヤをロックさせてしまいコースオフ、再びボタスに抜かれ3番手に。

こういう時のハミルトン、マシンコントロールが上手い印象があるのでこのブレーキングミスは少々意外でした。それだけ、ここでウイリアムズを仕留めておかないと面倒なコトになる、という焦りがあったかもしれません。実際その後、ハミルトンはウイリアムズの2台をぴったり追走するものの、コース上で仕留めきれずアンダーカットを仕掛ける形に。

ここでウイリアムズもマッサとボタスのどちらかをハミルトンをカバーするために同時に入れるという選択肢もあったハズですが、ウイリアムズは動かず。メルセデスよりタイヤに厳しいウイリアムズ、ここで動いてしまうと後半辛くなると思ったんでしょうか。でも結局、このすぐ後の周でマッサも入るんですけど。

そういやこのピットストップの数周前に、メルセデスはタイヤ交換をすると見せかけてやっぱり止めるというフェイントを仕掛けてますが、ウイリアムズはこれにも釣られませんでしたね。

フェイクのピットストップを仕掛けたメルセデス | Williams | F1ニュース | ESPN F1

ピットアウトしたハミルトンはセクター2・3で全体ベストを連発し、結果的にまんまとアンダーカット成功。ハミルトンの後にピットに入ったロズベルグはマッサと同時ピットインとなり、ピットレーンではタッチの差でマッサを逆転できず、ハミルトン追撃のチャンスを失うコトに。ピットワークがわずかに遅れたマッサはロズベルグと併走するように割り込んできたので、アンセーフリリースになるんじゃないかと思っちゃいましたが。

今回は皆1ストップ作戦であるコトを考えると、このままゴールまで行っちゃうかなぁ、と思っていたところに今度は雨雲が。しかも、1度降ったと思ったら止み、かと思えばもっと強めに降るという絶妙にイヤらしい降り方。で、最初に降り出したタイミングでライコネンがいち早くインターミディエイトに交換するというギャンブルに出たものの、これは見事に大敗北。

ウェットでの弱さに定評のあるウイリアムズはここで一気にペースダウン、逆にロズベルグはノリノリで一気にウイリアムズの2台を抜き去り、さらにハミルトンに詰め寄る格好に。この瞬間は、ロズベルグが一番勝利に近い場所に居たような気がしたんですけど。

その直後、ハミルトンはインターミディエイトに交換するためにピットイン。ライコネンの失敗を見たばかりだったので、「え?ナンデ?」と思ったりしたのですが、先の雨よりかなり雨脚が強く、インターが必要になるコトを瞬時に見極めていたんですね。これはハミルトンとほぼ同じタイミングでピットインしたベッテルも同様。

結果としてハミルトンはトップを盤石のものとし、ベッテルは7秒くらい差のあったウイリアムズの2台を逆転し、3位表彰台に。2人とも、まさに絶妙のタイミングでのピットインだったワケですね。もちろん運の要素もあったでしょうが、ライコネンロズベルグがどうにも間が悪いレースをしてしまった一方で、ベッテルとハミルトンがこういうドンピシャなレース運びを見せたというのは、なんかこう象徴的というかなんというか……。

しかしまー、これだけいろいろあったレースでも、結果的にはメルセデスが予選と同じ順位で1-2フィニッシュを飾ったというのはさすが。ていうか、この牙城は崩せませんね……。今のとこ、マレーシアでベッテルが勝った以外は全部メルセデスの勝利。9戦8勝。88年マクラーレン・ホンダの16戦15勝の勝率抜いちゃいそうですねぇ。

そのほか

トップ争いが俄然盛り上がっていたのであんまり注目してなかったんですが、実はクビアトもかなり頑張っていたんですね。ずっとベッテルをぴったり追走する格好で、上手くいけば表彰台も狙えるポジション。ただ、インターに交換するタイミングがベッテルより1周遅く、しかもその1周の間にスピンしてしまっていたみたいで、そのタイムロスが響き6位フィニッシュという形に。

Vettel made a crucial call to pit on lap 43, however, while Kvyat stayed out one lap longer - which proved doubly costly as he spun on the next lap. Without those two setbacks, Horner said the Russian might have had a shot at the top three.

via: Red Bull: Spin cost Kvyat podium shot

今季不振に喘いでいるレッドブルにとっては貴重な表彰台のチャンスだっただけに、ホーナーのコメントにはちょっと悔しさが感じられるような。クビアト自身はめっちゃ楽しかったみたいですけども。

We were really competitive today, the race was really fun, a little crazy with the rain, and I was enjoying myself.

via: Daniil Kvyat : In quotes - Sunday at Silverstone

また、荒れたレース展開を乗り切ったアロンソが10位フィニッシュ、今季初ポイントを獲得。これでバトンとアロンソ、2人のドライバーがポイントゲットできましたね。言うまでも無いコトですが、9戦までアロンソがノーポイントだったというのはミナルディでデビューした2001年を除けばワースト記録です。

一応マクラーレン・ホンダとしては2度目のポイントゲットを果たしたワケですが、ブーリエが「マクラーレンのブランドイメージが毀損されている」と発言したとかって報道を引き金に、マクラーレンがホンダのパフォーマンスの低さに我慢の限界を迎えつつあるという記事がアレコレ出ているようで。まー特に、マクラーレンとバトンの母国であるイギリスだから余計にそういう報道が盛り上がっちゃってるのかもしれませんけど。

マクラーレンがエンジンのパフォーマンスの低さにブチ切れたといえば94年のプジョーエンジンを思い出しますが、あの時もわずか1年で切ってましたねぇ、マクラーレン。そのあとメルセデスとのジョイントが始まるんですけど。

今のマクラーレン・ホンダプジョーを載せてたあのときよりもパフォーマンスは低いわ、しかしドライバーは遥かにゴージャス(プジョー時代は若き日のミカ・ハッキネンマーティン・ブランドル)だわと、状況を考えればマクラーレンが苛立つのも十分理解できますけど。ただ、ホンダを切ったとしてどこに乗り換えるかという問題はありますね。メルセデスに戻るというのもアレだし、かといってさらに新たなるメーカーを引き入れるのも……っていう。

ただまー今の成績が初年度だってコトを差し引いても想像を下回っているのは間違い無いし、ホンダとのコンビを1年で解消しても不思議ではないと思います。ホンダは第2期や第3期のときみたいに、不振でも「まー仕方無いか」くらいで済む体制のチームで始めてれば良かったんじゃ……と思わなくもないですが、今更言っても後のカーニバル。

ま、今年やるだけのコトをやって、ダメならダメで仕切り直すしか無いですよねぇ。しかしなんというか、今のホンダには上向いてくる兆候がどうにも見られないのが辛い。