もうレース終わって1週間が経とうとしてますが、それでも一応書く。F1ハンガリーGP決勝。
- 決勝結果: Race
- 決勝後ドライバーコメント: In quotes - Sunday in Budapest
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - Hungary
昨年以上の波乱
確か予選の記事書いた時に「ハミルトン勝つでしょう」なんて断言しちゃったような気がしますが、なんかベッテルが勝っちゃいましたね。……まぁ先のコトなんて誰にも分からないからレースは面白いのですよ、ええ。
どう考えてもメルセデスが勝つであろうと思われたレースでフェラーリが勝っちゃった理由はいくつかあるでしょうが、主な要員はオープニングラップに集約されていた感じですね。つまり、ハミルトンのスタート出遅れとコースオフ。
予選からの傾向としてハミルトンは順調にマシンを仕上げていたものの、ロズベルグはアンダーがどーのと騒いでおり、決勝でもレースペースはイマイチのままでした。その順調なハミルトンが順位を大きく落とし、不調のロズベルグだけがフェラーリを追撃する格好になったのはメルセデスにとっては大きなマイナスでしたね。
ただ、それにしてもフェラーリのレースペースは良かった。ロングランのペースは未知数だったフェラーリがここまでうまくハマったのはこのレース最大のミステリー。決勝の気温が予選より大きく下がったのがフェラーリに味方したんじゃないか、って説もありますが、なんとなくそれだけじゃないような気もするんですが、うーん。
もちろんハミルトンがスタートで少なくともロズベルグの前に出ていれば、その後のレース展開は大きく変わったと思いますけどね。
それから、ロズベルグが2度目のピットインでオプション(ソフト)に交換すると思われていたところまさかのプライム(ミディアム)に交換した件もなかなか衝撃的でしたね。あそこでソフト履いておけばベッテルをオーバーテイクして、リカルドの突撃を喰らわずに済んだんじゃないか……って説もありますが。
しかしこれも単純な話ではないようで、ロズベルグの要求に関わらず、あの2度目のピット時点でチーム側が用意できたのはミディアムだけだった、という話をトト・ウォルフがしてますね。残り周回的にはまだプライムタイヤのレンジであり、チームもプライムだけ温めていたと。バーチャルセーフティカーが入った瞬間、ロズベルグはピット入り口まであと3コーナーという位置におり、ピットとしてはオプションを温める間もなくロズベルグをピットに入れさせるしか無かったという話。
you put the tyres under the pot to heat in case you have an accident and have to pit - and because it was 28 or something laps to the chequered flag the prime tyre was still under the pot and when the virtual safety car came out. He was three corners from the pit lane entrance then, so we called him in - and the only tyre available that very moment was the prime tyre.
via: Toto Wolff Q&A: It was a fantastic race - just not for Mercedes
まーとにかく、メルセデス陣営にしてみればとことんツイてない週末だった、という話でしょう。
しかし、結果としてはフェラーリが勝つことにより、図らずもビアンキの追悼に相応しいレースとなった感じもします。なんか88年、マクラーレン・ホンダが他を圧倒したシーズンに、エンツォ・フェラーリが他界した翌月に行われたイタリアGPでフェラーリが1-2フィニッシュを飾ったエピソードを思い出しました。
……まぁ今回ライコネンはリタイヤに終わっちゃったワケなんですけどね?
珍しい顔ぶれのトップ10
メルセデスのアンラッキーにライコネンのリタイヤやウイリアムズの不調もあり、トップ10はかなり新鮮な顔ぶれになりましたね。2位と3位にはクビアトとリカルドというレッドブルの2人が入り、さらにフェルスタッペンが4位という。
……なんか少し前までは表彰台にレッドブルが居ると「またか」って感じだったのに、今や「おお、レッドブルだ珍しい」となってしまっているあたりがF1の怖さですね。
そしてなんとマクラーレン・ホンダがダブル入賞。展開に助けられた格好とはいえ、この波乱のレースを2台ともがポイント圏内で走り切れたのは朗報ですね。ここんとこ、ホンダPUの信頼性ガッタガタだっただけに尚更。
「予選から考えれば、非常に良い結果。今日のレースでパワーユニット側は、なんの制限も加えずにすべてを出し切った。システム的には何も問題なかった。パワーユニットだけでなく、車体側も3日間でものすごく進歩し、方向性に間違いはないということが確認できた。レースペースでは、かなり上に近づいたと思う」
via: マクラーレン・ホンダF1密着/ハンガリーGP決勝「制限を加えず、すべてを出し切った」ダブル入賞 (オートスポーツweb) - Yahoo!ニュース
次のベルギーではトークンをほぼ使い切った50馬力アップ版PUを投入するなんて話も出ており、パワーサーキットのスパでどこまで上に絡んでいけるのかちょっと注目。