大須は萌えているか?

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軽井沢のバス事故雑感

最近もっぱら気になっているのが、軽井沢のバス事故の話。クルマの運転が好きな身としては、どうもこういう事故のニュースというのは気になってしまって。

転落バス、250m手前速度増す…事故直前映像 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

とは言ったものの大型バスについては素人なので、訳知り顔でどうこう言えるワケでも無いんですけども。ただ、事故が起きた状況を見ると、運転手のミスを誘発しやすい状況だったようには見えます。

まずひとつは夜の山道だったこと。
夜間というのは景色があまり見えない分、スピード感覚が狂いやすく、実際の速度より遅いと勘違いしやすい傾向があります。ましてや、周囲に明かりの少ない山間部ならなおさら。

そしてもうひとつ、事故現場の手前に下りの直線区間があること。
事故現場近辺をストリートビューで見るとわかるんですけど、正常に走行しているバスがカメラに捉えられていた事故現場1キロ手前のポイントまではずっと登り道であり、そこから下りの直線区間となっています。こうしたダラダラとした下り坂でも知らない間にスピードが出てしまいがちなのは、言うまでも無い話ですね。

それでも、普段乗り慣れている車両ならば感覚的に「あ、スピード出過ぎかな」とか判断できそうな気もしますが、事故を起こした運転手は大型バスに不慣れだったコトが明らかになってますね。

東京新聞:「大型バスは苦手」 軽井沢事故で死亡の運転手、会社に訴え:社会(TOKYO Web)

普通車でも、普段一人で乗っているコトが多いと、たまに5人フル乗車の状態で運転したりすると、ブレーキの制動距離が伸びたりするのが体感できるじゃないですか。それが、何十人も乗車して、かつ荷物を満載した大型バスだとどうなるか。当然、下り坂で想像以上にスピードが出やすい、曲がりにくい、そして止まりにくい状態になるワケで。

高速でバスがセンターラインをはみ出す姿がカメラに写された事故現場250m手前地点は大きく左に曲がるカーブの出口となっており、カメラに写った時点でブレーキランプが点灯しているコトから、この左カーブの手前くらいで運転手は「まずい、スピード出しすぎた」と判断したんじゃないかなと。

あと、事故車両はギヤがニュートラルだったとされていますが(⇒ バスのエンジンブレーキ利かぬ状態 ギアがニュートラル:朝日新聞デジタル)、これは事故現場手前250m地点の左カーブでギヤを落とそうとしたところ、ギヤがうまく入らずニュートラルになってしまったんじゃないかと想像(あくまで想像ですが)。

下り坂に入った時点でニュートラルになっていたとは考えにくいですし(さすがに大型バスに不慣れでも意図的にそんなコトはしないだろうし、ブレーキ部品には問題が無かったとされているので直線区間でギヤトラブルが起きていたなら止められたはず)、事故を起こす直前にクラッチを切ってニュートラルにするというのもまず無いでしょう。

下り坂をフットブレーキだけで走行した結果、エアブレーキの圧力が失われた(いわゆる「バタ踏み」⇒ 報道発表資料:エアブレーキを装備したトラックではブレーキのバタ踏みは危険です! - 国土交通省)という説もありますが、下り坂に差し掛かってから事故現場まで1kmですし、それだけの距離でブレーキが効かないレベルにまで圧力が失われるというのは無さそうな。

5速で下り坂を走っていったところ想像以上にスピードが出てしまい、250m手前地点の左カーブに入るところでそれを悟り、ギヤを落とそうとしたところ4速に入らずニュートラルに。慌ててフットブレーキで対応しようとするも、左⇒右⇒左とカーブが連続する区間になってしまっていたため、フルブレーキを掛けることもできずハンドル操作で逃げようとするも、事故現場の左カーブに差し掛かったところで左片輪が宙に浮き、車体が横転・転落……というのが、今のとこ自分の中で一番しっくりくる筋書き。

もちろん、車両トラブルの線も否定しきれませんので、あくまで「今のとこ、自分としてはこう考えるのが一番納得感がある」というだけの話ですが。

あと、このバス会社が労基法ぜんぜん守ってなかった的な話も出ており、運転手が疲労により注意力散漫になっていた可能性も示唆されてたりして、なんかいろいろ闇が深そう。

ただ、1ドライバーとしてこの事故に学ぶべき教訓はいろいろあるように思います。特に「意図せずスピードが出てしまっていた」というのはバスじゃなくても大きな事故に直結しがちなので、ホント気をつけたいですね。