大須は萌えているか?

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F1[16] オーストリアGP 予選

いろんなトピックがあって目まぐるしいセッションとなりました。F1オーストリアGP予選。

気になるサスペンション問題

フリー走行の時から、サスペンションを破損するクルマが多く見られるのが気になりますね。

FP1でフェルスタッペン、FP3でロズベルグ、Q1でペレスにクビアト……と皆何らかの形でサスペンションのアームが折れたりひん曲がったりして、マシンに大きなダメージを受けています。

レッドブルリンクは今年舗装などが改修されたみたいで、その中でトラックリミットを外れて走行しやすいコーナーには近年他のコースでも用いられつつある「ソーセージ」とかって呼ばれる縁石を含めた高さの違う縁石を組み合わせて設置し、マシンが飛び跳ねる危険性を抑えつつトラックリミットを外れるコトを抑止しようとしているようで。

で、その改修後にこういう事故が立て続いたもんだから、縁石に何か問題があるのでは?と話題になっちゃったりして。

ただ、Q1で大きなクラッシュを演じたクビアトのスローリプレイなんかを見ると、サスペンションが破損した右リヤのタイヤは低い縁石にしか乗ってないんですよね。

Qualifying Kvyat crashes out after suspension failure(動画)

で、以下の記事によるとメルセデスロズベルグのサスペンション破損の原因について、縁石のショックではなく周波数の共振によるものだと結論づけているようで。CS放送で森脇さんが指摘していたヤツですね。

「しかしデータを分析した結果、サスペンションには大きな負荷がかかっていなかった。その問題は周波数が原因で、それがタイヤに振動を与え、さらにはサスペンションを壊すことになった。それがなぜ起きるのか、我々には分からない」

「その引き金となったのは、新しくなった赤い縁石のように見える」

via: FIA、レッドブルリンクの縁石を変更せず。サストラブルの原因は周波数 | F1 ニュース | Motorsport.com

これはあくまでメルセデスの見解なので、レッドブルトロロッソ、フォースインディアのケースも同じかどうかはわからんですが。ただ、赤い縁石を踏んでいたクビアトのケースには当てはまりそうですね。ロズベルグは普通の縁石に乗せただけのようにも見えましたが、あのクラッシュしたポイントより手前で赤い縁石を踏んでいて、しばらく経ってからガタが来ているところに荷重がかかって壊れたというコトでしょうか。しかし、サスペンションアームの設計なんて各チームでバラバラだと思うんですが、それでも同じように壊れるものなんですかね。うーんよくわからん。

FP3 Rosberg is pitched out of final practice(動画)

もちろん、そこまではみ出しちゃ駄目ってルールになってるところを走らせる方が悪い、って言っちゃえばそうなんですけど、問題は「皆がどんな状況でも絶対にはみ出さずに走るのは無理」ってコトと、「サスペンションが破損してしまうとクルマがコントロール不可能になってしまう」というコトでしょう。はみ出した本人がタイムを失うだけでなく、大怪我したり他車を巻き込むリスクを孕んでいるワケで。

もちろん、原因が縁石とサスペンションアームの共振にあるとしたら、そんなのを事前に察知するのは難しいですし、FIAの落ち度とも言えないんでしょうけども。ただ、今度こういう事例が起きないための工夫は何かできないものか、気になります。とりあえず、決勝は問題が起きないコトを祈りますが……。

雨による順位変動

クビアトのクラッシュで騒然としたQ1のあと、Q2最後からQ3にかけてにわか雨が降り、これはこれで慌ただしいセッションになりましたね。Q3の最初のアタックはインターミディエイト、そこからまたどんどん路面が乾いて最後はウルトラソフトでアタック可能となるという難しい状況。

そんな中でもきっちりポールを奪ったハミルトンはお見事なんですが、3番手タイムを叩き出し、ロズベルグのグリッドダウンペナルティによってフロントロウスタートとなったヒュルケンベルグもまたお見事でした。こういう混乱の状況で決めてくるのはさすがというかなんというか。今年はペレスの影に隠れている感がありますが、久しぶりに存在感を見せつけてくれました。

で、これまた混乱に強いバトンが5番手タイム、そしてこちらもロズベルグベッテルのペナルティによってなんと3番手スタート。マクラーレン・ホンダが3番手スタート……胸が熱くなるな。決勝がドライだとあっという間に順位を下げちゃいそうな気がしますが、雨なら結構良いとこまで行けるんじゃないですかね。雨降って欲しいですね。雨。

こういうどんどん路面が乾いていく状況ではギリギリ予選終了間際にアタックした方が圧倒的に有利なワケで、そこを冷静に見極めたドライバーが上位に顔を並べた格好ですね。

Button ‘saved everything’ for last lap charge

一方、アロンソはQ2ノックアウトで14番手止まり。雨が降る前の最初のランで、チームが間違えてユーズドのウルトラソフトを履かせてしまったようです。これによりタイムが伸びず、2度目のアタックはイエローフラッグが出てしまい万事休す。アロンソは「小学生レベルのミス」とまでコメントしてますね。

“We are not in a very good position, and if on top of that we make those primary school mistakes, it’s frustrating. If we put on new tyres to start the race, it will go better.”

via: Button ‘saved everything’ for last lap charge

ワンチャンスで決める自信があったからこそのコメントでもあるんでしょうね。うーむ。

とりあえず、今回の決勝は普段とは違った展開が楽しめるかもしれません。特に雨ならば。ドライの場合でも、メルセデスがウルトラソフトスタートで早々のピットインを強いられそう、という点はレースの大きなポイントになりそうですね。ただベッテルのグリッドダウンペナルティがねぇ……。