退屈な決勝レースになりそうな予感が……F1イギリスGP予選。
- 予選結果: 2016 FORMULA 1 BRITISH GRAND PRIX - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: Qualifying - Hamilton and Mercedes unstoppable at Silverstone(動画有)
- 予選後各チームコメント: Saturday in Great Britain - team by team
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Great Britain
メルセデスぶっちぎり
とても、メルセデスが、速い。今に始まったコトじゃないですけど。
さらに問題は、フリー走行から予選のパフォーマンスを見るとハミルトンがかなり調子良さそう、というコトです。これ、スタートでハミルトンがトップを守ることができれば、あとはトップ集団に見るべきモノが特に無いレースになってしまう予感バリバリです。ロズベルグが前に出れば結構盛り上がるかもしれませんが。「オーストリアの再来」を期待する眼差しで。
オーストリア後、チームと両ドライバーで今後のレース中のバトルに関する取り決めを改めて話し合ったようですが、とりあえず今まで通りレース中のバトルはOKではあるようです。ただ、もしまたやらかしてしまった場合の警告とかはいろいろしたんでしょうね。
予選でハミルトンに敗れたロズベルグは妙に穏やかな表情をしていたのが印象的でしたが、もはやメルセデスにしてみればこうしたドライバーマネージメントもお手の物、といった感じなんでしょうか。トト・ウォルフ、人をマネージメントする手法や強い組織を作る手法について本書いてくれませんかね。是非買いたいんですが。
しかしながら、ハミルトンはQ3最初のアタック中にターン9(コプス)でトラックリミットを超えてしまった(4つのタイヤがすべて白線の外に出てしまった)ためにタイムが抹消され、1アタックできっちり決めないといけない状況になってたのはスリリングでした。
トラックリミット超えをどこまで厳密にジャッジするのかって結構アバウトなんですけど、シルバーストーンについてはトラックリミットを超えるコトで明確にアドバンテージが得られるコーナー(ターン9/コプス、15/ストウ、18/クラブ)については、はみ出したら問答無用でペナルティ対象にするというコトでドライバーブリーフィングでも合意済みだそうです。……ってイギリスGPのレーススチュワードを務めているマンセルがTweetしてます。
で、ハミルトンは最後のアタックをやや慎重にアプローチして、タイムはあんまし伸びなかった(5/100秒くらい)もののトップタイムをマーク。母国でのQ3一発アタックというプレッシャーを「楽しんだ」と予選後にコメントしているハミルトン、貫禄あります。
Lewis Hamilton Q&A: I enjoyed qualifying pressure
逆に言うと、ロズベルグはもっと攻めてハミルトンを逆転しなきゃ駄目だろー、とか思うんですけど。最後のアタックは自己ベストも更新できない結果となり、2番手。
あとはスタート次第ですが、順当に行けば今回もハミルトンですねぇ。
フェラーリは苦しそうだけどアリバベーネおじさまはステキ
なんでベッテルはまたギヤボックス交換でグリッドダウンペナルティ喰らってるんでしょうか。そうでなくとも、タイムは2台のレッドブルより遅れを取ってますし。なんかレースを重ねるごとにジリジリ後退してしまっている感じがしてしまいます。むしろレッドブルの開発ペースが優秀、というべきなのかも知れませんが、ギヤボックスの信頼性問題はいただけないですね。
そんな中、チームはライコネンの来季残留を発表したみたいですね。今季の様子を見ていると、ライコネンの去就はまだしばらく時間を掛けて決めるもんだと思ってましたが、チームにしてみれば安定的な体制構築を優先した、という感じでしょうか。ベッテルとも仲良いし。また金曜記者会見でのアリバベーネおじさまがカッコ良かったようです。
会見ピックアップ:フェラーリの熱い主張「アイスマンにも感情はあるんだ」
アリバベーネもさー、体育会系というか熱血系というか、「お前の力を見せてみろ!」みたいなコト言ってドライバーを焚きつけたり、一方でこうしてドライバーを気遣う発言をしたりと、人心掌握に長けたタイプって感じしますね。いや個人的には好きですよこういう人。締めるところは締める、持ち上げるところは持ち上げる、っていうメリハリの効いたマネージメントができる人って案外少ないモノです。
そのほか
そういやレッドブルは、来季のマシン開発に一線を退いたと思われていたエイドリアン・ニューウェイが結構ガッツリとコミットするようなコトを臭わせているとかいないとか。
来年のレギュレーションに胸躍らせるニューイ | Red Bull | F1ニュース | ESPN F1
今年のマシンも想像以上の戦闘力を見せており、メルセデス以前の常勝軍団の力はまだ衰えていないように見えます。ルノーPUの仕上がりにもよるんでしょうけど、来季のレッドブルはもしかするとメルセデスを突き回せる存在になるかもしれない?まーこれで思いの外パフォーマンスが出なかった場合は、またルノーとのケンカが始まるんでしょうけど。
トークンを使用したアップデート版のPUを持ち込んだホンダは、アロンソがQ3進出して10番手。ホントは8番手タイムを出していたものの、これもトラックリミット超えで抹消されてしまったのが残念。シルバーストーンのようなコースでフリー走行から安定してトップ10のタイムをマークできている(FP1:10番手、FP2:6番手、FP3:7番手)というのはかなりポジティブな感じじゃないでしょうか。
もちろんボディワークの要素もあるのでホンダPUがタイムアップにどこまで貢献できているのか正確には判断できませんが、少なくともホンダの開発の方向性は間違っていないってコトでしょうし、今後に期待できる結果かと。
バトンはQ1ノックアウトとなってしまいましたが、Q1で1回しかアタックしなかったのはノックアウトのボーダーを読み間違えたからではなく、最初のアタックでリヤウイングのエンドプレートを破損してしまい、それの修復で時間切れになってしまったというコトみたいですね。
First of all, Jenson’s rear-wing endplate unbonded itself from his car’s floor, and the resulting damage took too long to repair to enable him to go for a second hot lap. That was a great pity, because Jenson was understandably keen to impress at his home grand prix.
via: Eric Boullier : Saturday in Great Britain - team by team
それからFP3で大きなクラッシュをしてしまったエリクソンは、病院で検査を受けるため予選欠場となり心配されましたが、大きな問題は無いようで一安心。
Ericsson hoping to race after hospital checks
しかし、金欠チームのザウバーにとっては、あの大破したマシンを見ると頭痛がしそうな状況ではあるでしょうね……。