大須は萌えているか?

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F1[16] ハンガリーGP 予選

観てるだけでも調子の狂うセッションでした。F1ハンガリーGP予選。

際どいポールポジション

Q1スタート前に大雨が降ってセッション開始が20分ディレイ、そしてセッション開始後再び大雨になり赤旗中断、気を取り直して再開……と思ったらエリクソンがスピンしてバリアを破壊して赤旗中断、また気を取り直して再開……と思ったらマッサが(中略)……またまた気を取り直してと思ったらハリアントが……ってQ1だけで4回の赤旗中断が入るという異常事態。

本来のタイムスケジュールであれば予選がすべて終了している時刻に、ようやくQ1が終了するという観てる方もダレてくる展開でした。

ほいでもって、一番盛り上がるハズのQ3チェッカー間際のラストアタックで今度はアロンソがスピン、赤旗にはならなかったもののアロンソがスピンしたターン9手前のポストではダブルイエローが振られ、タイム更新は絶望的と思われました……んが、後ろからアタックしてきたロズベルグが華麗にポールを奪取するという思わぬ展開でしたね。

しかしながら、ロズベルグがアタックを行った時点でもまだセクター2のイエローは解除されておらず、「これロズベルグがペナルティくらうのでは……?」という観測も出たものの、リプレイではダブルイエローが振られているポスト付近でロズベルグはアクセル抜いてました。↓の動画の50秒辺りですね。

Onboard pole position lap Nico_Rosberg Hungary 2016

この時点でアロンソのマシンは居なくなっており、直後にグリーンランプが出ていたのでロズベルグは最小限のタイムロスで済んだというワケです。

ちなみに、レースで使用されるフラッグのルールはF1のスポーティングレギュレーションではなく、FIA国際モータースポーツ競技規則の方に記載されており、F1もこれに準ずるものとされています。イエローフラッグに関する規定は付則H項の2.4.5.1 b)に記載されてます。JAFのサイトにある和訳版から引用。

b)黄 旗:
これは危険信号であり、次の2通りの意味をもってドライバーに 表示される。

1本の振動:速度を落とし、追い越しをしないこと。進路変更する準備をせよ。トラックわき、あるいはトラック上の一部に危険箇所がある。

2本の振動:速度を大幅に落とし、追い越しをしないこと。進路変更する、あるいは停止する準備をせよ。トラックが全面的または部分的に塞がれているような危険箇所がある、および/あるいはマーシャルがトラック上あるいは脇で作業中である。

via: 国際モータースポーツ競技規則 付則H項(PDF)

イエローフラッグが振られている場合にまず肝心なのは、スピードを落とすコトと追い越しをしないコト。ただし、イエローとダブルイエローで具体的にどこまで速度を落とせ、とは明文化されてないんですよね。これって結局ケースバイケースですし(ただ、これによって起きた悲劇が2014年日本GPでのビアンキの事故であり、その対策として導入されたのがバーチャルセーフティカー)。

ロズベルグの場合は、ダブルイエローのすぐ後にグリーンランプが出ていたのが幸いしましたね。あれにより、タイムを失ったのが8コーナーだけで済んだ。オマケに、雨が止んで路面が乾いていく中でのアタックだったので、8コーナー以外では大幅にタイムアップしているワケです。それを見越して、ロズベルグは「イケる」と判断したんでしょうね。

もちろん、それでも減速が十分では無かったと判断されてペナルティを喰らう可能性はゼロでは無いワケで、その辺はギャンブルだったようにも思いますけど。ロズベルグの後ろを走っていたボタスは、イエローフラッグ見た時点でタイム更新諦めてますしね。

これはロズベルグの判断力と運の勝利でした。……しかし、ペースに優れるのはハミルトンの方でしょうし、決勝はどう転びますかね。ただ一方で、ハンガリーGPってチャンピオンシップの本命が勝てないジンクスありますし……。

イケるかも知れないレッドブル

今回、メルセデスの後ろのセカンドロウに2台並んでいるレッドブルも面白そうな存在ですね。タイム的にもメルセデスに迫ってますし。フェルスタッペンも最終アタック入る前にチェッカー振られてなかったら、面白いタイム出せてたかも知れませんね。

リカルドは「アロンソがターン9でスピンしているのを見たときには怒り狂った( I was furious)」みたいなコメントをしており、それだけメルセデスをぶち抜ける自信があったというコトでしょう。

When I saw Fernando had spun in Turn 9, I was furious as I was up on my lap by quite a bit and when I heard Nico’s pole time, then the time was definitely there.

via: Daniel Ricciardo : Saturday in Hungary - team by team

まー最後はハミルトンもセクター1でかなり速い全体ベストを出していたので、イエロー無かった場合ハミルトンがポールだったと思いますけどね?

あと、Q1では赤旗4回という混沌としたコンディションの結果、「107%ルール」をクリアできてなかったドライバーが11名も居たようで、その中にはレッドブルコンビも含まれていたんですね。結局、状況を鑑みて予選落ちとはなりませんでしたが。

Red Bull amongst those to escape 107% grid drop

あわや予選落ちの危機から一転してポール争に絡むところまで行くんだから、この天候にどれだけ振り回されたんだっていう。

ただ、スタートでレッドブルが前に出たりするコトがあると面白くなりそうですねぇ。リカルドのハンガリーGPというと2014年の優勝が思い出されますが、今回も力強いレース期待できるんじゃないでしょうか。そこにフェルスタッペンがどこまで食いつけるかも注目。

速いぞマクラーレン

今回マクラーレンは今のマクラーレン・ホンダ体制になってから初めて2台揃ってQ3に進出。マクラーレン向きのコースだったコトに加えて、コンディションもバトンとアロンソ向きでしたね。特にアロンソはウェット⇒ドライへと変化する状況ではかなり速く、しばらくタイミングモニターにトップ表示されてたりもして。

それだけにQ3のスピンは残念でしたけど、それだけアロンソの闘争本能にも火が付いたんでしょうね。予選後のアロンソはかなりご機嫌だったようで、インタビューで「フェルナンド、予選後これだけ笑顔なのも久しぶりでは?」と訊かれ「そう、すごく幸せ!」と答えてたりして。

Q: Fernando, it’s the first time in a long time that you’ve walked away with a big smile from qualifying…

Fernando Alonso: Oh yes, I am very happy! Both McLarens in Q3 - that is the first time since 2014! So yes, definitely a huge step forward this weekend. (Laughs)

via: Fernando Alonso Q&A: Mixed conditions perfect for McLaren

金曜にはアロンソのPUに異常が見つかり、急遽ヨーロッパGP等で使用していたPUに戻したとのコトですが、それでもこれだけの戦闘力を発揮できるんだからさすがアロンソ。来季はこの笑顔が何度も見られるといいですが……。

ちなみに

イギリスからジャッジが厳しくなったトラックリミット超え問題ですが、ここハンガリーではセンサーによってトラックリミット超えを自動検知するシステムまで導入されたようで。ただし、検知されるのはトラックリミットを超えた際に明確にアドバンテージがある4コーナーと11コーナーのみというコトで、他のコーナーは不問。

決勝では、4コーナーと11コーナーで合計4回トラックリミットを超えたと判定された場合にドライブスルーペナルティとなるそうな。3回までならセーフというコトであれば大丈夫そう……?

GP topic:トラックリミット違反、決勝は4回でドライブスルーペナルティに