ちょっと締まらないポール争いでした。F1ドイツGP予選。
- 予選結果: FORMULA 1 GROSSER PREIS VON DEUTSCHLAND 2016 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: Qualifying highlights - Germany 2016(動画)
- 予選後各チームコメント: Saturday in Germany - team by team
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Germany
メルセデスが強いんですが
クッソ長い森の中のストレートがあった時代ほどでは無いにせよ高速志向のホッケンハイム。当然ながらメルセデスPUが有利な立場になるワケで、ハミルトンとロズベルグはQ1で2人だけソフトタイヤを使い(他は皆スーパーソフト)、それでも危なげなく1-2番手タイムを叩き出すぶっちぎりっぷり。
Q3でも当然のようにこの2人がポールを争う格好……なんですが、最初のランでロズベルグは第3セクターで急遽アタックを取りやめてピットインする事態に。中継の時には何が起きたのかようわかりませんでしたが、記者会見でのロズベルグのコメントによると、どうも電気系統のトラブルで突然スロットルが閉じてしまったみたいですね。
NR: No, I don’t know what it was. It just suddenly… how do you say… it just suddenly lost the throttle. So just cut completely the engine, just at the end of the lap. That was disappointing but I’m sure we’ll fix it for tomorrow.
同じトラブルが再発しないか若干不安も残りますが、まぁドイツの科学力は世界一なので大丈夫でしょう。
それで結局セカンドランにすべてを託すコトになったロズベルグ、セクター2は滅法速いタイムを叩き出したものの、セクター3でちょっとミスしてタイムロス。これはハミルトンがポールかな……と思いきや、ハミルトンはターン6でブレーキをロックアップさせてしまいタイムロス、結局ロズベルグがポールを獲得する格好に。
記者会見でのハミルトンは案の定というべきか無茶苦茶不機嫌でしたが、自分自身のミスにとことん向き合う彼なりのストイックさの現れというコトなんでしょうきっと。ただ、記者会見はもうちょっとちゃんと喋ってあげた方が良いと思うぞハミルトン。
なんにせよ、メルセデスの2人がどちらもベストの走りでは無かったという、ちょっとパッとしないポール争いでした。
フェラーリやばい
そして気になるのは、またしても予選でレッドブルの後ろになってしまったフェラーリ。レッドブルが予選2列目、フェラーリが3列目という構図はこれで3戦連続です(ハンガリーはライコネンがさらに後方からのスタートでしたが)。
中継で川井ちゃんが指摘していましたが、ベッテルを始めフェラーリ陣営は「速さではレッドブルに勝っている」と主張しているものの、これだけ結果が伴っていない以上は「レッドブルに追い抜かれた」と言われても仕方が無いのかなと。決勝での獲得ポイントも、オーストリア以降ずっとレッドブルを下回ってますし。
それと、最近正式にチームを離脱した元テクニカルディレクター、ジェームス・アリソンの後釜問題も気になるところですね。
アリソン離脱はフェラーリにとって大きな痛手「彼の役割を受け継ぐのは難しい」
チームの状況が思わしくないときに、チーム技術陣の柱が居なくなるというのはタイミングとしても非常によろしくないハズ。開発への影響もそうですが、スタッフへのモチベーション面でも。ジョック・クレアはその影響を否定はしているのですが。
今回の予選も、ベッテルとライコネンが共に速さが出ない原因を掴みかねているところがまたヤバげです。原因が分からなければ、対策のしようもないですからね。この状況を打破するためなのかどうなのか、ロス・ブラウンがフェラーリに復帰するなんて噂も出てますが、今のとこ噂の域を出るモノでは無さそう。
ドライバーラインナップはこれ以上のモノを望みようが無いもんだから、チームとしても苦しいところでしょうね。アロンソは「そら見たことか」とか思ってるのかも知れませんが。
そのほか
マクラーレンは予選12番手&14番手とパッとせず。バトンは目の不調やマシントラブルに見舞われたコトを考えると12番手は上出来と言えるのかもしれませんが、アロンソもタイム伸ばせませんでしたね。やはりこういうパワーがものを言うサーキットではまだホンダPUはイマイチ。
あと、ここホッケンハイムでは1コーナーのトラックリミット超えはペナルティの対象となるみたいですね。毎戦毎戦、トラックリミットをどこにどういうふうに設定するのか決めるのも大変そうですが。
ホッケンハイムでも「トラックリミット」に注意。FIAが判定基準を明示
一方で、今まで散々揉めてた無線規制は全面解除となったようで。その代わり、今まで存在していた放送で流したくない内容を「ミュート」するボタンが無くなったとか。あと、フォーメーションラップからスタートの間の無線は制限付きのままとなっているようで、スターティンググリッドでのクラッチのバイトポイントの指示なんかはできないようです。
“ばかげた”無線制限がついに撤廃。一部例外除き、会話が自由に
なんか撤廃されるときはあっさりだなぁ、というか、それなら今まで散々批判されてきたのになんでさっさと撤廃しなかったんだろう、とか気にはなりますが……。