大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

『シン・ゴジラ』を観てきた話(ちょっとネタバレ)

今年も会社の健康診断で胃カメラを飲まされました。胃カメラ初体験だった去年は、担当の女医さんが結構上手にやってくれた(⇒はじめての胃カメラ体験)んですけど、今年のお医者さん(初老のおじさん)は下手くそなのかようわかりませんが、喉を通すときにやたら苦しくて生きた心地がしませんでした。おかげさまで、男の○○を喉奥に○○○○○されるエロゲーのヒロインの気持ちが良く分かりました。私おっさんですが。

……と、それはさておき、その健康診断の日(この記事書いてる日)が映画『シン・ゴジラ』(石原さとみぽく言うと「ガッズゥィーラ」)の封切り日と重なったため、有給使って丸一日休みにして、健康診断後そのまま観にいったりしてました。名古屋109のIMAX上映のど真ん中列のエグゼクティブシート予約して。

公開間もないタイミングですので詳細なネタバレは控えたいと思いますが、非常に真面目に作られた怪獣映画だと感じました。現代日本に、未知の巨大怪獣が現れたら日本人はどう立ち向かうのか。そんな怪獣映画の原点とも言えるテーマを、庵野秀明樋口真嗣が突き詰めていった作品。

なので当然の様に初代ゴジラに対するオマージュも含まれているんですが、『シン・ゴジラ』では初代でゴジラを倒す決め手となった「オキシジェンデストロイヤー」くらい便利な「魔法の杖」は出てきません。オキシジェンデストロイヤーを開発した芹沢博士にような立ち位置の人物は居るんですが、物語の冒頭の時点で行方不明になっております。ただし、その人物の残したヒントはあります。そんな状態。(ちなみにその人物は写真だけ映画に登場するんですが、そこに「出演」しているのは庵野秀明が大ファンだという故・岡本喜八)。

なので、ゴジラと真っ向から戦うのは日本政府であり、自衛隊です(米も絡むけど)。もし現実世界の政府や自衛隊が未知の巨大生物と戦う羽目になった場合、実際問題どのような手続きを踏む必要があり、どんな制約に縛られているのか、みたいなコトが非常に細かくドキュメンタリータッチで描かれてます。パンフレットによると、この辺実際の法律や災害時の政府や各自治体の危機管理体制についてかなりリサーチしたようで。

ゴジラという「虚構」に対する「現実」の日本、まさに「現実対虚構」というコピーの通り。

もちろん、特撮映画の醍醐味であるゴジラが暴れるシーンや、自衛隊ゴジラに戦いを挑むシーンのビジュアルも圧巻。これはもうアレですね、以前特撮博物館で観た『巨神兵東京に現わる』を思い出さずにはいられませんでしたね。下から見上げるアングルや、逆に空撮で周囲の建物なんかと対比するコトによるゴジラの巨大感の演出、ゴジラの攻撃により倒壊するビルの映像など、とにかく圧巻。『巨神兵東京に現わる』はCG無し縛りでしたが、今回は実写と見紛うばかりのCGをバンバン使っており、クオリティも段違いでした。とにかくゴジラが怖い。実在感が半端ない。

一方で、「ああ、これ庵野秀明の作品だ」とすぐ分かるような部分もアレコレと。矢継ぎ早な場面転換や画面のテロップ(岡本喜八オマージュ言った方が良いんでしょうか)、会議のシーンなどで流れる鷺巣詩郎の音楽(エヴァのサントラでのタイトル『Spending Time In Preparation』、『踊る大捜査線』でも使われていたアレといえばお分かりになるでしょうか)、裏でミサトさんが暗躍しているんじゃないかと思えるような大胆な作戦立案、等々。エヴァ好きならばかなりハイになれる内容なんですが、エヴァとか興味無い人だと鼻についたりするかも?

作品としては庵野秀明樋口真嗣が『ゴジラ』作るとこうなる、という想像を外さない、ある意味オーソドックスな作品と言えるかもしれません。ただ、その映像とリアリティの突き詰め方は一見の価値アリではないかと。エヴァ好きはとりあえず何も考えずに見に行けば良いと思うよ。

最後の意味深なカットも実に……。