大須は萌えているか?

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年を重ねると、どんどん友だちはいらなくなっていく

たまたま見かけたこんな記事↓。

タモリの「友達なんかいらない」に橋田寿賀子が共感する理由│NEWSポストセブン

NEWSポストセブンの記事をマクラにするのもアレですがまぁいいや。「友達」というのをどう定義するのかというのも悩ましいところですが、プライベートで付き合いがあって、一緒に喋ったり遊んだりするコトのある人、くらいに思っておきましょうか。

私も大概友達が居ない人間ですが、それは友達を増やそうともしないし、過去プライベートで付き合いのあった人との関係性を積極的に維持しようともしない、というコトでもあります。年賀状は一切出さないし、私信のメールを送ることもほとんどない。LINEは一体何者だ。しかも、年を重ねるにつれその傾向が強くなってきている。

かの押井守も「友だちはいらない」と言っており、ていうかそういうタイトルの本まで出しております。

友だちはいらない。(TV Bros.新書) (TOKYO NEWS MOOK 481号 テレビブロス新書 1)
リエーター情報なし
東京ニュース通信社

ただ、押井守は人間関係そのものを否定しているワケではなくて、孤独は良くないと言います。それを避けるための人間関係は必要であり、押井守にとってはそれが仕事仲間であると。この感覚はよくわかりますね。私も一人で居るのが好きなんですが、完全に誰とも会話しない日が数日続くと、やっぱりそわそわするワケです。誰とも何の接点も持ってないと、それはそれで不安になる。

仕事場で仕事仲間と話をして、仕事が終わったあとや、休みは一人で過ごす。このサイクルは何気にバランスが良い。そのプライベートの時間まで誰かと一緒に過ごしてたら疲れちゃう。

しかしながら、それでも昔はもうちょっと「友だち」を欲していたようにも思います。それは多分、自分の中の価値観とか人生の向かっていく先が定まっておらず、漠然とした不安を抱えていたからではないか、という気がしていて。誰かとつるんでいた方が、不安を感じずに済むんですよね。それゆえ、友だちを多く作った方が良い、友だちに褒めて貰いたいっていう心理が強くなる。

が、年を重ねてくると自分の中の価値観というものが固まってくる(悪く言えば頑固になる)し、人生の向かう先というのもなんとなく見えてくる。そうなるとお互いの価値観の違い、人生観の違いみたいなものも顕著に見えてきて、話してても気疲れするようになるコトが多くなるんですよね。噛み合わなくなるワケですよ、話が。そうなると、面と向かって話してると疲れるだけじゃないですか。お互いの価値観の違いを認め合い、楽しめる相手なら良いんですけどね。そういう人が居るなら大事にしたほうがいい。ていうかそういう女性が身の回りにいるなら結婚したい。居ないけど。

仕事で付き合う分には、共通の目標に向かって各々やるべきことをやるだけなので、人生観が違おうがそんなものはどうでもいい。むしろ、お互いの異なる価値観が相乗効果を生むコトも往々にしてあるワケです。でも仕事を離れて、趣味のこととかざっくばらんに話そうぜ、と言われても特に話すコトが無いっていう。まぁ仕事仲間と飲みに行って、仕事の裏話的なところをあーだこーだ話すのは楽しいですけどね。それで良いんだと思う。

最初にリンクしたNEWSポストセブンの記事で前野隆司さんという慶応大教授のコメントが紹介されているんですが、

前野さんは脳・ロボット学者として、認知科学や心理学を活用して人間の幸福のメカニズムを研究している。それによれば、友達の数が多い人ほど幸せということがわかっているという。

「ここでいう友達は、“多様である”ことが条件。職業、年齢、性格、国籍…自分とは違う種類の友達を持っている人の方が、そうでない人よりも幸せということがわかりました。いつも同じ人とつるんで過干渉になっていくよりも、たまに会うくらいの友達がたくさんいた方がいいということですね」

via: タモリの「友達なんかいらない」に橋田寿賀子が共感する理由│NEWSポストセブン

この辺が、自分が他人のブログやTwitterなんかを眺めたりしている理由なのかもしれません。密に言葉を交わしたいワケじゃないんだけど、適当に他人の言動を眺めて、気が向いたらたまに言葉を交わす、くらいの距離感。他人との価値観の違いを感じつつ、気疲れしない間隔。SNSでもベッタベタの人間関係を構築して、他人への返信で忙殺されてるような人も居ますが、ああいうのは「友だち100人作らなきゃ」的な価値観の人なんでしょうねぇ。

押井守は著書の中で

できれば好きな作家を見つけて、その人の書物をたくさん読む。そうすることで、現実に知り合った人、みんなが言う”友だち”なんかより親しくなれる。そうなれば、自分とは異なる価値観に触れることができる。

via 押井守『友だちはいらない。』 114ページ

と述べてますが、これもまぁ確かに。私は「つまみ食い」しちゃうタチなのでなかなか一人の作家をディープに追いかけるってコトをしないのでアレですが。

しかし唯一不安なのは、もし万が一長生きしちゃって、仕事もリタイヤしたときに完全な「ぼっち」になるコトですかね。その時は図書館でひたすら本を読みふけりますか。まぁ私が完全なジジイになる頃には、若者が居なくて後期高齢者でも余裕でこき使われる時代になってる可能性もありますが……。