大須は萌えているか?

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「性格の悪さ」にも許容できるものとできないものがありまして

なんか最近、なんちゃら言う芸人さんが自分でプロデュースしている絵本をWEB上で無料で閲覧できるようにする、とかなんとか書いて話題になったりしてたんですけど。ていうかもう面倒くさいんでリンクしときますけど。

今までこの人のブログってマトモに読んだコト無かったんですが、話題にしてる人が多かったのでつい釣られて読んでみたところ、「この人性格悪いな」というのが率直な感想でした。その絵本の内容だとかやってるコトは正直どうでもいいんですが。

「性格悪いな」と感じる人というのもいろいろあって、個人的に許容できるものとできないものがあります。

例えば、「自分の追求しているものの為にはどんだけでもエゴイストになっちゃう人」って居るじゃないですか。例えばスティーブ・ジョブズとか。何度も世界チャンピオンになるようなF1ドライバーもそういうタイプ多いですね。こういう人たちって、自分の追求するもののためなら敵を作るコトを厭わないんですよね。ジョブズだったら自分の理想とするプロダクトを作るコト、F1ドライバーだったら世界チャンピオンになるコト。それを達成するためなら、他人を罵倒したり、蹴落としたり、時にはルール違反を犯したりもする。

まー周りに居る人はたまったもんじゃ無いと思うんですが、ある意味分かりやすくはあります。こういう人は、ハタから見ている分には割と許容できるんですよね。ある意味やりたいコトに対して純粋だから。歴史に残るような業績を残す人は往々にしてこういうタイプですね。

ただねー、この芸人さんについては違うタイプで……この人「自分を良く見せるためならどんなコトでもしちゃう人」に見えるんですよね。

絵本をWEBで無料公開するのだってさ、絵本の価格を払えないという小学生の意見を掬い上げて無料にするコトを決断しました、みたいに最初書いてるワケですけど、結局は既に絵本としては破格の部数を売って、販売ペースが一段落してきた本のデータを無料公開するコトによって販売のカンフル剤とするフリーミアム戦略の一環じゃないですか。後の記事でそれは本人がほぼそう語ってるし。

だけど、「お金の奴隷解放宣言」を謳った記事では、そういう事情をうまーいコト書いて無い。明坂聡美さん宛ての記事で「僕の説明が下手だったのかな?」なんて書いてるけど、記事タイトルに「お金の奴隷解放宣言」なんて書いて、記事内容でもそういうマーケティングの事情なんて書いて無いんだから、少なくともあの記事で説明するつもりは最初から無かったワケでしょう。むしろ誤読を誘っている。

しかしながら、『「全部無償にしろ!」とも思わない。』とか書いて、ツッコミが入ったときの予防線もちゃんと作っている。で、ツッコミが入ったら今度は「お金の奴隷解放宣言」からはクルッと向きを変えてこの無償公開の戦略的意義をドヤ顔で説いて見せると。

いやもちろん、販売戦略としてそういうコトするのは全然良いと思うんですが。しかし、「お金の~」では「子供の素朴な意見に胸を打たれた俺」をアピールして、ツッコミが入ると今度はAmazonで売れ行きが跳ね上がった実績も見せつつ「時代の流れを読んだ優れた戦略家の俺」をアピールする……「自分を如何に良く見せるか」にものすごく腐心している感じがプンプンしましてね。

そのためだったら誤読を誘うような書き方は平気でやるし、ツッコミを入れてきた人間を晒しながら「俺ってスゴイやろ」アピールも平気でやる。

……性格悪ッ。

いやこの手のタイプはねー、「他人に対する自分の見せ方」を常々考えているので、こういうブログ記事とかの言葉の選び方がすごく練られてるんですよ。なので「その人の本当のところ」がすごく見えづらい。額面通り言葉を受け取れないんだよね。これがデキる人って、ものすごく頭の良い人なのは確かです。それ故に余計やっかいなんですが。

ちなみに、いわゆる「プロブロガー」を自称するような方々もこうした「自分の見せ方」を自覚的にコントロールしようとする方が多く見受けられますが、概ねそこまで頭が良くな……いやさ素朴な感性の方が多いので、割と生の感情が透けて見えるところが面白いですね。いや記事は面白くないですが。