大須は萌えているか?

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バーニー・エクレストン、F1やめるってよ

バーニー・エクレストン(以下バーニー爺)、F1のCEOから降りるんですねぇ。

23日、リバティ・メディアがF1買収手続きを完了したことを発表、まずバーニー・エクレストンが、同日、フォーミュラワンのCEOのポジションから退き、チェイス・キャリーがF1の会長およびCEOを務めることが発表された。その直後にキャリーは、ブラウンがモータースポーツ担当取締役に、ESPNで販売・マーケティング担当上級副社長を務めたショーン・ブラッチスが商業担当取締役にそれぞれ即時就任することを発表した。

via: ロス・ブラウンのF1復帰が発表。新体制F1でスポーツ面の責任者に

……とさらりと言ってみたものの、F1界にとってはとてつもなくデカいニュースですよね。いやだって、1970年代にFOCAFormula 1 Constructors Association)会長に就任して以来、一貫してF1の興業面を取り仕切ってきた人が一線を退くワケですから。バーニー爺については、過去にも記事を書いてますのでご参考まで。

「F1のボス」バーニー・エクレストンとは何者か - 大須は萌えているか?

バーニー爺に代わってF1のCEOの座に着くチェイス・キャリーという御方、あの20世紀フォックスなんかを傘下に持つ21世紀フォックスの前副会長という経歴の持ち主だそうで。F1の前オーナー企業だったCVCキャピタルパートナーズから株式を買収したリバティ・メディアもアメリカの巨大メディア企業であり、メジャーリーグアトランタ・ブレーブスのオーナー企業でもあります。つまりは、世界的な知名度を誇るメディア・コンテンツとしてF1に投資したってコトでしょうね。

そうなると、F1のメディア展開という面では相当なテコ入れがあると期待できそな雰囲気ですよね。WEB配信やソーシャルネットワークの活用も含めた、世界的なメディア露出を積極的に行ってくれるでしょう、きっと。ここはファンとして一番期待したいところ。日本でどういう形になるのかはまだようわかりませんが。

一方で、バーニー爺が一線を退くというコトに対する不安というのもあるにはあります。なにせ長年F1の興業を一手に仕切ってきた怪物のような爺さんであり、その影響力は計り知れなかったワケですから。

最初、2016年9月にリバティ・メディアがF1買収を発表したときには、バーニー爺が当面は続投する方向で話が進んでいたハズなんですよねぇ。以下、当時のバーニー爺のコメント。

「F1の最高責任者を今後も務めることが決定した。サーキットやテレビ局などの関係者との交渉など、これまでにしてきたすべてのことを継続してやっていく」

via: F1売却:エクレストン、現役続行を表明。新会長に期待するアメリカとのコネクション

ただ、その後バーニー爺解任の噂も根強く囁かれていて、今回それが現実のものとなった格好。CVCキャピタルパートナーズがオーナーとなった後も、賄賂疑惑で裁判沙汰になった後もしぶとくF1の最前線に立ち続けたバーニー爺が、こうもあっさりと。

なんか一部報道では、バーニー爺もこの退任劇が意に沿わないものだと仄めかしているようで……。

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バーニー爺は「名誉会長」という肩書きで今後も新しい経営陣にアドバイスをしていく、とされていますが、肩書きだけって可能性も十分ありそうですねぇ。今のF1の拡大路線が行き詰まりの様相を見せているコトは明らかであり、リバティ側としては今までバーニー爺が推し進めてきた戦略をフラットな視点で見つめ直したいのかもしれません。拡大路線を維持したいなら、バーニー爺を引っ込めるのは得策ではないでしょうし。

バーニー爺を切ったというコトは、F1のメディア戦略もレース開催国を巡る戦略もガラッと見直すよ、という宣言なのでしょう。バーニー爺の持つ長年の知見とコネクションも一緒に切ってしまうコトにもなりかねませんが、そこをロス・ブラウンで補おうというコトなんでしょうね。巨額の開催権料でヒイヒイ言っている各国のレースプロモーターにとっては、めちゃくちゃ朗報でしょうねコレ。

今後、近代F1サーキットの設計を一手に引き受けてきたヘルマン・ティルケが新しいサーキットをデザインするコトも無くなるんですかねぇ……(ティルケはバーニー爺の娘婿)。

しかし、これが吉と出るか凶と出るかはまだわからんですねぇ。なにせ私がF1を見始めて25年ほど経ちますが、バーニー爺が仕切らないF1を見るのは初めてなので!近年のF1がつまらなくなったと言われるのは、どちらかと言えばレギュレーションの迷走によるところが大きいですし。ロス・ブラウンもエンジニアとしては一流ですが、F1全体のマネージメントとなると実力は未知数。

ただ、今年はそのレギュレーションも大きく変わりますし、2017年がF1の歴史に於ける一大転換点となるのは間違い無いでしょうね。ひとつだけ言いたいのは、安全性への配慮は今までと変わりなく、抜かりなくやって欲しいというコト。エンターテイメントと安全性を両立させた、そんなF1を期待したいですね。