タイトルがすべてなんですが、以下補足。
WEBで情報収集している日本のF1ファンならだいたいの人が知っているであろう、F1-Gateっていう海外のF1記事を翻訳して掲載しているサイトがあるんですけど。無くなって欲しいからリンクはしませんけど。このサイト、なかなかに「困ったちゃん」なのです。
困ったポイント1: 翻訳の質が低い
……っていうか、日本語の質が低いといった方が良いかもしれません。誤字脱字は当たり前、直訳なのかなんなのか妙に不自然な言い回しも多数。かれこれそれなりに長い年数運営されているサイトですが、改善される気配は無いようです。Googleで「F1-Gate」って入力すると「誤字」ってサジェストされるくらいなので。
困ったポイント2: ソースが書かれていない
翻訳記事なので元となる英語の記事が存在しているハズなんですが、どの記事にも元記事へのリンクや、元記事を掲載しているサイト名の記載が一切ありません。知らない人が見たらF1-Gateのオリジナル記事と誤認してしまうかもしれませんが、海外のF1サイトをつぶさに見ていくと、「ああ、これを翻訳したんだな」という記事は見つけるコトができたりします。ただ、いちいちそんなコトやる人は少ないでしょうし、私もやってられません。
ただ、こうした「出所不明」の記事が信頼性はといえば、極めて低いと言わざるを得ません。F1も他のスポーツ同様、「飛ばし」の記事も多く出回っているワケでして、そこで信頼性を担保するものは何かと言えば、その情報を掲載している媒体だったり、記者名だったりするワケです。それが抜け落ちている記事なんて、飛ばし記事以下と言わざるを得ないでしょう。恣意的に曲解した翻訳をしている可能性もありますし、元記事には無い文章を混ぜ込んでる可能性だって否定はできませんからね。
これ、ずいぶん前から指摘されてる話だと思うんですけど、まったく改善されないところを見ると分かっててやってるんでしょう。
困ったポイント3: もちろん著作権的にはヤバイ
著作物を翻訳する権利は著作権で保護されているワケですが、F1-Gateが元記事の掲載サイトに許諾を得て翻訳している……とは思えないですね。そもそも元記事にリンクすらしてないんですから。それに翻訳したテキストをまるっと載せているだけなので、引用の要件も満たしてはおりません。まぁ、この辺はさらに古参のF1翻訳サイト・F1通信も同じだとは思いますけど。
困ったポイント4: でも(たぶん)アクセスは稼いでる
こういう質の低いサイトではあるものの、おそらくアクセス数は結構稼いでいると思われます。というのも妙にSEOには強いんですよね、ここ。SEOの専門家ではないので推測ではありますが、一番のポイントはスピードではないかと思います。海外で報じられてから、翻訳して載せるまでのスピードが速い。速さをなによりも優先して、品質を犠牲にしまくってますが。
そのせいか、その質の低さとは裏腹にTwitterやはてなブックマークなんかでちょいちょい目にするんですよね。これが嫌で嫌で。それよりもさー、日本語は無いけどやはり大本営であるFormula1.comとかさー、日本語ならAUTOSPORT webなりF1速報なりESPN F1なりSTINGERなりあるじゃないですか。こっち見ましょう。
ついでに言うと、F1-GateってまたいかにもSNSで拡散しやすそうな記事タイトル付けるんですよね。最近だとマクラーレンとホンダの対立を煽るような感じのさ。誤解を恐れず言えばF1メディア界の「はちま」「俺的」みたいな存在になってる感すらあります。なお、タキ井上氏も以下のようにF1-Gateを賞賛(?)しておられます。
海外レースにまつわる海外サイトの無断転用海賊サイトの是非に関する雑感(汗)。
— Taki Inoue (@takiinoue) March 15, 2017
海外にサーバーが置かれた無修正AVサイトレベルと比べれば何ってことはない。
タキ井上が最も気に入っている無断転用海賊サイトは、F1-Gateだ(汗)!https://t.co/h6Rd4yR3g7
まとめサイトやキュレーションサイトの問題に比べればまだ可愛いレベルなのかもしれませんが……そういやF1-Gateって運営母体はおろかメールアドレスも公開してないよね?