いよいよ、再来週には2017年のF1も開幕ですね。
2017年は車両規則が大きく代わり、マシンの外見がカッコ良くなるって言われて期待してたんですが……実際のところいかがでしょうか。ぶっちゃけ個人的には、「あれ?カッコ良くなって無くね??」と思ってしまったんですが。
GALLERY: The F1 cars of 2017 at a glance
いや、タイヤが太くなって、ボディ自体も幅広になったのは良いし、低い位置にマウントされて後方傾斜角のついたリヤウイングもカッコ良いんですよ。うん。
ただ、それを補って余りあるガッカリポイントがありまして、
- ノーズ先端のチ○コが消えてない
- シャークフィン目立ちすぎ
- まさかのチョンマゲウイング復活
という3点はなんとかならんのか、と思うワケです。
ノーズ先端のチン○……というか突起はもはや見慣れたという向きもあるかもしれませんが、私は未だしっくり来ません。ていうか、レギュレーションの要件を満たすために「ハイハイ、しょーがねえなぁ」という感じでノーズ先端なんていう目立つ場所にあんな突起物が付いているのがどうにも嫌なのです。レッドブルのRB13に至っては○ンコの先っちょに穴まで開いており、マジで勘弁して欲しいワケであります。あの穴、ドライバーの冷却目的のためとされながらも、抜け目のないニューイのコトなのでなんらかの空力的な効果を狙っているようにも見えて興味深くはあるんですが。
そしてあからさまに大きなシャークフィンと、チョンマゲウイング(T字ウイングと呼ばれてるようですが)は、その意図するところはリヤ周りの整流。リヤウイングの高さが低く制限されてしまったため、乱流を受けやすくなったコトに対する対策ですね。もちろんチョンマゲウイングも、それ自体でダウンフォースを稼ごうというワケではなく、リヤウイングに当たる空気の流れを整える役割。メルセデスはシャークフィンはそこまで大きくないものの、リヤウイング手前ににょきっと生えたT字ウイングをテスト。一方フェラーリは、巨大なシャークフィンと、その上にT字ウイングを乗せるという、まさに元祖チョンマゲウイング・マクラーレンMP4/10を彷彿とさせるルックス。……マジで勘弁していただきたい。
シャークフィンやT字ウイングは、ロス・ブラウンも嫌悪感を露わにしているコトから、そう遠くないウチになんらかの規制が入るのかもしれませんが。
それからもうひとつ、日本のファンにとって痛恨なのは、マクラーレン・ホンダの変わらぬ不調ですわね。
大きくレギュレーションが変わってホンダもパワーユニットを一新、今年こそは……のシーズンのハズなんですが、プレシーズンテストで聞こえてきたのはマクラーレンとホンダの不協和音。トラブル続きでマイレージが稼げず、タイムもまったく伸びずじまい。なんかホンダの復帰初年度に戻ってしまったような空気ですが。
もちろん、一新したパワーユニットなのである程度トラブルが出るのは仕方の無いところですが、そのぶんパワーが出ているワケでも無さそうなのが気になるところ。アロンソが公然とホンダを批判するコメントを出したりしたのも話題になってましたね。
アロンソ、ホンダF1の“アマチュアのようなトラブル”を批判も「心配なのは信頼性よりもパワーのなさ」
まーこのコメントにはなにか政治的というか、駆け引きめいた意図も感じてしまいますが、実際新型になってもホンダPUのパワーが伸び悩んでいるのは間違い無さそう。信頼性という点ではルノーも不安を抱えているようですが、供給チームが多い分ホンダよりもデータは収集しやすいですし、レッドブルはトラブルがありながらも周回数を稼いでタイムも出せてますからね。エンジンメーカーの状況で言ったらホンダが最も深刻な状況でしょう。
日本のF1メディアからはマクラーレンやアロンソがホンダばかりを悪者に仕立ててはいないか、と指摘する声も上がってますが、しかし一番の問題はこのままだと今年もマクラーレン・ホンダは優勝どころか表彰台もままならないシーズンになりそうだ、というコトです。今年からトークン制度が廃止されたため、アップグレードがやりやすくなったのは間違いないものの、投入できるPU数は年間4基。ペナルティ上等で新型を突っ込みまくるのでなければ、改良したPUをシーズン途中で投入できるタイミングは3回というコトになります。
当然ながらホンダもかなり前もって2017年版PUの設計を行っていたんだと思うんですが、復帰後2年の経験値を貯めながらもここまでバタバタしている状況を見ると、シーズン中にどこまで改良できるのか、あんまし楽観視できないよなぁと。
正直このままだと今シーズン末でのアロンソ離脱は確定的でしょうし、今年結果出ないようならホンダはマクラーレンとのジョイント含めて見直した方が良いのではないかという気も。テストの機会が限定されている以上、せめて複数チームに供給OKという条件を飲んでくれるチームと組むべきじゃないですかねぇ。マクラーレン側のシャシーにも問題が多いというなら、なおさらマクラーレンに拘る理由は無いハズ。もう、過去の栄光にすがってる場合でもないでしょう。
せめてもの救いは、フェラーリがメルセデスを脅かしてくれそうなところまでパフォーマンスを上げてきたコトですかね。実際のパフォーマンスはシーズンが始まってみないとなんとも言えませんが、フェラーリがメルセデスとガチンコでやり合えるポジションに居るならシーズンの楽しみも出てくるというもの。テストではボタスも調子良いみたいですし、メルセデス同士の争いもどうなるか気になりますね。