メルセデス王国、ついに陥落?F1ロシアGP予選。
- 予選結果: 2017 FORMULA 1 VTB RUSSIAN GRAND PRIX - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: Qualifying - Ferrari lock out the front row in Russia(動画有)
- 予選後各チームコメント: What the teams said - qualifying in Sochi
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Russia
フェラーリ、9年ぶりの
フリー走行からフェラーリの好調ぶりが目立っていましたが、予選本番となるとメルセデスもなんやかんやで帳尻合わせてくるのでは……と思ってたりしました。実際、Q2ではボタスがトップタイムをマークしたりもしてましたし。が、そのボタスはQ3でQ2のタイムを上回るコトができず、逆にQ2からコンマ8秒以上タイムを上げたベッテルがポールポジションを獲得。
そして2番手にはライコネンが入り、なんとフェラーリがフロントロウ独占。予選でのフェラーリ1-2は2008年以来というコトで、なんと9年ぶりになるんですねぇ。アロンソ時代には全然無かったというのも意外ですが、そういやフェラーリ時代のアロンソはポールほとんど獲得してませんでしたね。
2番手のライコネンはベッテルを上回る速さを見せており、最後もポール獲得いけそうな気もしたんですけどね。Q3最後のアタック、最終セクターでタイムロスしててベッテルを上回るコトができませんでした。どうも最終アタックのインラップでトラフィックに引っかかってタイヤの熱入れが上手くいかず、最終コーナーでタイムを稼ごうとして失敗したというコトのようで。
"We got some traffic on the out-lap on the last [run in Q3], and I couldn't really make the tyres work as well as the first run. It was a bit more tricky.
"I was there or thereabouts [on the second run] and I tried to get it back in the last corner, and it didn't pay off.
あともう一つ意外だったのは、フリー走行から不調だったハミルトンが、予選でもとうとうその不調を解消できないまま4番手タイムで終わってしまったコト。明確なトラブルも無く、ここまでパッとしないハミルトンは珍しいですね。ソチのコースは過去3年間メルセデスが勝ってきた「メルセデス・トラック」ですが、ハミルトンのコメントを見てると「メルセデス有利」は完全に過去のものになった、という感じですね。
There is no such thing as a guarantee for winning - not even here! If we win this weekend then it will be because we have worked very hard for it and not because of the opinion that people have that this is a ‘Mercedes track'! We have to earn it fair and square!
via: Lewis Hamilton Q&A: Friday form shows Sunday is wide open
タイヤの熱入れ問題
ボタスもウイリアムズ時代からソチを得意としているドライバーですが、それでもフェラーリには及ばず。このコースと今年のピレリタイヤの相性がとにかくセンシティブだと言われており、Q1⇒Q2⇒Q3とコンスタントにタイムを上げて行けているドライバーが思いのほか少ないコトからもそれは窺えます。
レッドブルのフェルスタッペンもQ2⇒Q3でほとんどタイムを伸ばせず7番手に終わりましたが、セクター1・2では上手く走れても、セクター3でタイヤが冷えてしまっているとコメントしているのは興味深いところ。
Q1 was not too bad for us but in Q2 I had a really bad feeling with the rear tyres and I suddenly lost grip, especially going into the last sector. Sector 1 and 2 went well on most of my laps but the time just fell away in sector 3 as I just didn’t have the heat in the tyres.
via: Max Verstappen : What the teams said - qualifying in Sochi
……これすごい素人考えなんですけど、幅広タイヤになった分、セクター2の長いストレートを走ってるとタイヤが冷めやすくなっちゃったとかそういうのもあるんですかね?また、リカルドもタイヤのワーキングレンジを如何にして保つかが重要、みたいなコメントしてますね。
ここではタイヤをうまく機能させることが重要だ。週末を通してセットアップを変更し続けたけど、ここではセットアップはある意味、関係ないように感じる。タイヤをどうやってうまく機能させるかが問題なんだ。
ある意味、フェラーリは今年のピレリタイヤの美味しいところを一番上手く使えているマシンというコトになるんでしょうけど、これに関しては各チームすぐに追いつくのは難しいのかもしれませんね。まだデータも十分ではないでしょうし。タイヤが太くなってその重要性がさらに増した分、今各チームの開発は「タイヤを如何にして上手く働かせるか」という部分にフォーカスしていってるんでしょうきっと。
そのほか
今回一番悲惨なのは20番手(決勝はバンドーンのグリッドダウンにより19番手スタート)のグロージャンでしょうね。マシンが全然言うコトを聞かないとかで、マグヌッセンより1.2秒落ちという屈辱的なタイムに終わってしまいました。フリー走行からブレーキの不調を訴えてブレンボからカーボンインダストリーに変えてみたりもしていたようですが、結局どっちでも変わらなかったみたいでブレンボに戻したようで。
マグヌッセンがそこまでマシンの不調を訴えていないだけに奇妙な感じではありますが、グロージャンって結構マシンがちゃんと決まってれば滅法速いけど、そうでないとガッタガタみたいなところはある感じ。ただ、今の状態はちょっと異常な感じしますね。チームとしての経験値がまだ少ないハースの力量が問われている感じも。
マクラーレン・ホンダのアロンソ先生は「昨年14番手から6位フィニッシュした時のような勇ましいパフォーマンスの再現をどれくらい期待してる?」という質問に対し「魚雷が必要だね!(笑)」と回答したり、「ここみたいな高速コースだと、Gフォースの増加に対するプレッシャーはより大きくなる?」という質問には「僕らはとても遅い、何も増えないね!」と回答するなど、相変わらず絶好調(?)のようです。